2016年2月 2日 (火)

在宅療養される高齢者への排泄ケアについて研究をしています

こんにちは。在宅看護学教員の田中です。

今回は、研究活動についてご紹介します。

私は、在宅で療養生活をされる高齢者の方への排泄ケアについて研究をしています。

本学教員として就職する前には、訪問看護ステーションで働いており、在宅での看護実践の中で排泄ケアに関心を持ちました。

私が訪問看護活動を行った地域は、高齢者世帯が多く、老夫婦のご家庭や、親も子も高齢になり介護を行っているご家庭も多く担当しました。

在宅で排泄のケアが必要になった場合、主には家族の方がそれを担っていきますが、高齢の介護者には介助の動作などの負担が大きく、ケアを必要とする側も気兼ねをしてしまう問題であり、なかなか排泄状況が改善しなくて難しさを感じるものでした。

しかし、ベッド上排泄からポータブルトイレ、トイレへと高齢者が本来の排泄行動を取り戻せるようにしたり、気持ちよく排泄ができるように支援することで、「調子いいよ!」という嬉しいお言葉をいただけたり、生活意欲も高まるというような変化もあります。

私にとって、在宅での排泄ケアは難しさを感じるものではありましたが、やりがいも大きく、排泄ケアを通じ、在宅で療養生活を送る高齢者の生活の質向上に役立ちたいと思い、研究を続けています。 

今年度は、日本看護技術学会第14回学術集会、第35回日本看護科学学会学術集会にて、研究成果を発表しました。

日本看護技術学会第14回学術集会は昨年10月に愛媛県松山市で開催され、在宅要介護高齢者の排泄状況の実態に関わる研究成果を口演発表しました。

学術集会初日第1群での発表で、かなり緊張しましたが、貴重なご意見もいただき、とても勉強になりました。

 

愛媛県は初めて訪れ、夏目漱石の小説「坊ちゃん」の舞台である道後温泉の風情ある街並み、ご当地の美味しいお料理も楽しみにしておりました。

下の写真は松山城です。

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学術集会1日目、口演発表も無事終了しホッとしたところで、道後温泉駅まで足を延ばしました。

ちょうど17時で、駅前のからくり時計から坊ちゃん・マドンナが登場しました。

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有名な道後温泉本館です。

エントランス陣幕は写真家・蜷川実花さんによるものだそうで、とても素敵でした。

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帰りの松山空港では、「蛇口からポンジュース」に遭遇しました。

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研究には、高齢者の皆様、ご家族、訪問看護師の皆様からたくさんのご協力をいただいております。来年度もコツコツと研究を積み重ねて、皆様の生活や看護に還元できるよう努力していきます。

2016年2月 1日 (月)

母性看護学実習~新生児の看護~

みなさま、こんにちは。聖隷花子です。

今日は、母性看護学実習の中でも新生児看護についてご紹介します。

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実習では、生後1日目~5日目頃の新生児をお母様の了承のもと、担当させていただきます。実習生は、新生児のバイタルサインの測定、全身状態の観察等を行い、経過が順調であるか判断をします。また清潔の援助として沐浴も行います。実習生は、沐浴について沐浴演習で学ぶだけでなく、セルフトレーニングを積み、実習前には沐浴技術確認を教員が行ったうえで、担当の新生児を沐浴します(沐浴をする際は、必ず教員が付き添いながら行います)

いつでもセルフトレーニングできるように実習室を開放しています↓

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新生児のバイタルサインを測定する際に使用する新生児用の聴診器やエプロン、実習病院の母親学級のテキスト、実習方法など説明されている資料を実習時に1人ずつ借りて実習を行います↓

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初めて新生児の沐浴を行った学生は、「人形と違い、赤ちゃんは泣いて動くので、赤ちゃんを支えるのが大変だった。」、「赤ちゃんが気持ちよさそうな表情をしてくれたのが嬉しかった」、「緊張して頭が真っ白になったけど、学内で何回も練習しておいたおかげで、手順は体が覚えていたから、スムーズにできた。練習しておいて本当に良かった」などの感想を述べていました。


2016年1月29日 (金)

基礎看護学実習室のご案内

基礎看護学領域教員の佐久間です.

大学はいま定期試験終盤です.学生のみなさんは必死に頑張っていることと思います.

今回は,基礎看護学の授業で使用している基礎看護実習室についてご紹介します.

看護学部は1学年が150名以上在籍しており,授業はいつも大きな教室で行われます.

基礎看護学の演習を行う「基礎看護実習室」は同じフロアに2部屋あり,

各実習室80名程度が演習をします.

2つの実習室は少し離れているため,

実習室には“もう一つの実習室”と中継する設備があります.

モニターとマイクを通して,各実習室が双方向でつながっていて,

2つの実習室で同時進行(プチ遠隔授業?)することができます.

教員や学生のデモンストレーションを80名が見学するときには,モニターが活躍します.

手先の細かな手技やポイントとなる動作などをカメラで撮影してモニターを通して見学します.

カメラの操作も教員が行います.

アングルやズームも少しでも伝わるようにこだわって操作しています.

写真は,基礎看護技術演習Ⅰの授業の1場面です.

学生のデモンストレーションを実習室のみんなで見ています.

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モニターにも上方からの様子が映されています.

この授業はクラス別だったため,実習室では40名ほどが演習をしていました.

実際の動きを見たり,モニターを見たりして,学びます.

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この授業では実習室内のみでしたが,この映像をもう一つの実習室で見ることもできます.

大人数の学生が効果的に学習するために,設備だけでなく,

私たち教員もいろいろな方法を工夫しています.

同級生が多くいるということは,より多くの視点や価値観を学ぶことができるのがよいですね.

学生のみなさん,たくさん遊んで,たくさん学んでください.

試験も最後までがんばってね.

2016年1月18日 (月)

<骨髄(造血幹細胞)提供について>

成人看護学の教員の小池です。

新年を迎えました。今年も皆様にとって良い年になるといいですね。

新年早々、個人的なご報告で恐縮ですが、昨年、骨髄バンクを通じて、

骨髄(造血幹細胞)提供を行いました。

その体験談と骨髄提供に関するお話をさせていただきます。

私は5年ほど前に骨髄バンクに登録をしました。献血時に(1年に3回ほど400mlの献血をしています)、登録を行ってもらいました。

当時は、「すぐにドナーに選定されるのかな・・・」とドキドキしておりましたが、

しばらくはなんの音沙汰もありませんでした。

そして、骨髄バンクの件を忘れていた昨年、

オレンジ色の封筒で「重要なお知らせ」が届きました。

封筒の中には「ドナーのためのハンドブック」とともに

ドナー候補に選定された通知や問診票が入っていました。

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(ドナーのためのハンドブック)

造血幹細胞の提供方法としては現在、全身麻酔下による「骨髄採取」と、

末梢からのアプローチで済む「末梢血幹細胞採取」の2種類がありますが、

およそ造血幹細胞の提供の9割以上が全身麻酔化による骨髄採取となっています。

私の場合は、全身麻酔下の「骨髄採取」でした。

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(参考:ドナーのためのハンドブックより)

ドナー候補(まだこの時点ではあくまでもドナーの候補の一人です)

に選定されたことで、まずは家族での検討が始まりました。

最終的な同意の確認を行う面談は、本人と家族とコーディネーターさん、

第三者(その最終的な手続きの見届け人)で行います。

本人だけでなく、家族の同意も必要となってきます。

家族の同意も得て、方向性が決定してから、スムーズに事が進み、

私自身の身体検査から、骨髄提供の日程の設定まで、

約半年間くらいの期間をかけて、準備が進んでいきました。

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(参考:ドナーのためのハンドブックより)

骨髄提供の入院期間はおおよそ3泊4日ですが、

それ以外に身体検査や必要な面談、そして骨髄採取の量によっては、

自己血採血のための通院が必要となります。

私の場合は、自己血採血(400ml×2)のための通院を含め、7~8回ほど病院に通いました。

基本的に病院は平日の昼間しか受け付けてくれませんので、

実習や授業などとの調整でかなり苦労しました。

最終的に骨髄採取のための入院時を含め、先生方や、実習場のスタッフさん、

実習中の学生さんには、本当にお世話になりました。

そんな感じで、周囲のみなさまのサポートのおかげで、骨髄採取もスムーズに行われました。

術後、全身麻酔の影響による吐き気などはありましたが、

骨髄採取部位(腰部)の創部も安定しており、痛みもそれほどありませんでした。

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(腰のあたりの白い保護テープのあたりが骨髄採取部位です。)

現在、骨髄バンクの登録者の高齢化が進んでいるようで(登録者の年齢制限は54歳まで)、

若い人達の登録が伸び悩んでいるようです。

これからは全身麻酔下の造血幹細胞採取から、

末梢からのアプローチによる末梢幹細胞採取が、少しずつ一般的になってくると思います。

ドナーへの身体的負担が少なくなったら、骨髄バンク登録者も増えてくるのかもしれません。

現在では、まだまだ一般の人々には、社会的な認知度は低く、

造血幹細胞提供のための正確な情報の提供が十分ではない気がします。

自分が体験したことを少しでも多くの人々に伝えていくことで、

骨髄バンクに興味を持ってくださる方々が増えるといいなと思います。

このたびは、本当にいろいろな人々に支えられて、無事に骨髄提供ができました。

関係する皆様、本当にありがとうございました。

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※浜松市内で骨髄バンクに登録できる場所(献血ルームなど) 

※ご質問などがございましたら、takeshi-k@seirei.ac.jp までご連絡いただければ幸いです。

 

(文責:成人看護学 小池武嗣)

2016年1月12日 (火)

アメリカ看護研修に向けて準備中

Happy New Year!

I wish you all the best in 2016!

皆さま、本年もどうぞよろしくお願いします。

さてさて、新しい年が始まりました。

新年、といえば「抱負」ですね!

ちなみに英語では、New Years' Resolutions といいます。

 新しい年を迎えると気分もウキウキ、今年こそ色んな事にチャレンジしよう!とう気持ちになりませんか?

今年こそ、と毎年意気込んでは何かと三日坊主になりがちなあなた(私もです…)、まずは目標を立てる事から始めてみましょう。

目標を立てるだけでも、何も立てない人より達成できる確率が上がるのだとか。

今年はこれを頑張るぞ!と周りにもどんどんアピールするとよいですね。

 

さてさて、日頃授業や実習で忙しい日々を過ごしている看護学生さん達ですが、この3月には2年次生10名がアメリカ看護研修への参加を予定しております。

彼らにとって、この研修はワクワク、ドキドキ、大きなチャレンジである事は間違いありません。

本学は、アットホームで専門分野も学べる国際交流が盛んな大学で、複数の高等教育機関と交流協定を結んでおります。

3月の研修先は、カリフォルニア州オークランド市にあるサミュエルメリット大学。

昨年度から研修生の受け入れ・派遣がスタートしております。

出発までにはもちろん事前研修がありまして、全部で6回行われます。

皆さんが現地で安心して研修に専念できるように、安全面でのオリエンテーションはもちろん、病院や施設見学、学内演習、そしてホームスティ先で、より豊かな経験と学びが得られるように、様々なプログラムを用意し、我々国際交流担当の教職員が全員体制でバックアップしております。

 

昨年1221日(月)には第2回事前研修が実施され、英語学習に関するオリエンテーションと実践練習を行いました。

冒頭で英語学習のコツや教材について解説をした後は、いよいよ実践編です。

自己紹介

とっさに答える練習(レストランでの会話)

英語でのデモンストレーション(紙飛行機の折り方)

自己紹介はそれぞれ準備をして臨んでいるのですが、今年のメンバーは、何と言ってもその積極性が素晴らしい!各自用意してきたはずのセリフが書かれた紙は見ず、相手の目をしっかり見ながら会話を試みています。上手に質問を挟みながら、頑張って英語で話し続けています。

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横では、引率の先生も一緒に参加してくれていました。こういう一体感がいいですね。

担当より、ちょっとしたアドバイス。

リアクションを大きくね。日本人の話し方、ジェスチャーは、英語でのコミュニケーションではちょっとおとなしすぎます。役者になった気分で、ちょっとハイに、大げさに言うぐらいがちょうどよいですよ!

2回目は立ったまま自己紹介、パーティーをイメージして練習。そうそう、みんな、いい感じ。

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次は、とっさに話す練習。 

私達日本人は、頭の中には習った英語が沢山詰まっているはずなのに、使う機会が少なすぎて、いざ使おうと思うと出てこない。ベテランペーパードライバーの方が多いですね。

研修中はレストランで食事をする事も多いので、店員さんとのちょっとした会話を練習しました。

 場面は食事が終わってデサートを注文するところ。

CDですが、ウェイターのお兄さんがいきなり話しかけてきます。

Waiter: How was your meal?

Students: ‥‥

デザートのオーダーを聞かれ、サイドにアイスクリームを載せるか聞かれみんなの口がモゴモゴしている内に、1回目は終了。

日本と違って、海外のレストランでは店員さんと話す機会が沢山あります。メニューには写真もないので、注文するのにも、色々と質問をする必要がありそうです。

知っているはずの英語が口から出てこない事実を体験した後、返事の仕方を学習。

なんだ、こんな簡単な返事でいいんだ。

そうです。簡単な返事でいいんです。

大切なのは、何か話す事。

日本語には「沈黙は金」ということわざがありますが、一歩外へ出たら「沈黙は禁」ですね。

拙くても構いません。なんとかコミュニケーションを取り続けましょう。その前向きな姿勢がきっと伝わります!

 

2回目はスムーズにやり取りができましたね。これでレストランでの会話もどんと来い。

現地でいいレストランを見つけたら教えてね♪

最後は英語でのデモンストレーション。

研修中には、現地の学生との交流があり、施設を訪問することもあります。

そこでは、何かと歌や芸?などをご披露する機会があるのですよ!

 

この日に習ったのは紙飛行機の折り方。

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折り紙はなかなか使えるツールです。

ペアの片方にだけ折り方を見せて、後は相手に頑張って伝えます。

2つに折りましょう。

Fold in half.

ひっくり返します。

Turn it over.

簡単簡単。


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できたかなー??

 さーて皆さん一列にならんで、One, two, three

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Go!!

飛んだ飛んだ〜

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Wonderful!

Amazing!

引率の先生も、大きく感動を伝える大切さを教えてくれました。

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なんだか、私、話せるかも!!という自信がついたのではありませんか? 

そうです。その自信が大切なのです。 

伝えたい、という気持ち、知りたい、仲良くなりたい、楽しみたい、という皆さんの気持ち、どんどん伝えてください。

分からない事だって、コミュニケーションのきっかけ。聞かれる方も楽しいものですよ。

さあ、3月の夢に向かって、飛んでいけ〜!!

みなさんの成長が楽しみです。

 

看護学部 英語担当 渥美

2015年12月24日 (木)

12月恒例、クリスマス礼拝

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聖隷クリストファー大学では、毎年12月の第3週水曜日に、クリスマス礼拝を行っています。今年も、学生・教職員が多数参加して、12月16日(水)の13時から、体育館で開催されました。賛美歌が歌われ、詩編の祈りが捧げられ、聖書の朗読が行われました。聖書は、イザヤ書54章・1~3節とルカによる福音書2章・8~14節が読まれました。

聖隷クリストファー大学には、ハンドベルリンガーズというハンドベルを演奏するサークルがあります。このサークルに教員もメンバーとして加わって、「あめには栄え」と「聖この夜」が演奏されました。

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それに続いて、今年は東京神学大学教師、須田拓先生による「暗闇に輝く光」という説教がありました。

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最後に、本学クリスマス礼拝のメインイベントである、ヘンデルのメサイヤから「ハレルヤ・コーラス」が合唱団によって歌われました。この合唱団には、本学学生・教職員の他、本学に隣接する「浜名湖エデンの園」にお住まいの方々も参加して下さいました。

4 クリスマス礼拝が終わると、今年もあと少しで終わりだなという感慨を持ちつつ、今年自分はどんな1年を過ごしてきたか振り返る機会となっています。

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2015年12月22日 (火)

「第15回卒業生保健師の集い」を開催しました

2015年度卒業生保健師の集い(第15回)を2015年12月19日(土)に5号館で開催しました。

参加者は、市町保健師8名(うち卒業生6名)産業保健師9名(うち卒業生4名)在学生13名(2年生6名、3年生7名)の計30名でした。

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今年のテーマは「産業保健活動と行政保健活動のつながりを強めるための情報や意見交換をしよう」でした。

まず掛川市保健師さんから「かけがわ健康づくり実践事業所認定制度」について実践報告がありました。

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次に、ヤマハ(株)保健師さんから浜松市の事業「動く&スマイル」を取り入れた実践報告があり、その後4つのグループに分かれて、感想・意見・情報交換を行いました。在学生も、グループワークに参加し、授業で聞いたけれどよくイメージがわかなかった「ストレスチェック制度」について質問したりする様子も見られました。

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予定の2時間を過ぎても、まだ話が尽きず、その後30分から1時間程度残って話をしていました。また、帰り際に、「こうやって在学生と卒業生が共に集う会って、いいですね」と声をかけてくださった参加者もおりました。

気温がぐっと下がって寒い日でしたが、心温まる会となって解散となりました。

 

2015年12月11日 (金)

「地域診断から事業化への挑戦」 発表会を開催しました

保健師課程科目 :公衆衛生看護総合演習の中で

「地域診断から事業化への挑戦」 発表会を開催しました。

日時:2015年11月9日(月) 13:00~15:00

場所:聖隷クリストファー大学 5会場にて

*実習地でご指導いただいた保健師さんもお呼びし、講評をいただきました。

2012年度入学生より保健師課程が選択制となり、その成果発表として計画しました。保健師課程の特徴の1つとして、“地域診断”を6セメスターの「公衆衛生看護活動展開論演習」から実習指導者と連携して行い、保健師に求められる技術の1つである地域診断技術の強化を図りました。もちろん公衆衛生看護学実習でも、連動して地域診断に取り組みました。さらに、8セメスターの「公衆衛生看護総合演習」まで連動して、これまでのプロセスを整理し言語化して事業化のプロセスとしてまとめました。

さらに、実習指導者をお招きしての「発表会」という形で、成果を発表しました。プレゼンテーション能力の向上も目指しました。

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2015年12月 6日 (日)

助産学専攻科学生が国際助産師連盟(The International Confederation of Midwives ;ICM)大会に学生ボランティアとして参加して学生が得たもの

11回ICMアジア太平洋地域会議・助産​学術集会が横浜で7月に開催されました。37カ国から3,200人の方が参加され、「すべての妊産婦と新生児に助産師のよりよいケアを提供する」をテーマに、助産師同士が国や民族,宗教を超えて,講演、研究発表、ワークショップなどで意見を交わして学びを深めていました。

今回、横浜での開催であったことから学生ボランティアの募集があり、助産学専攻科の学生全員(17名)の申し込みをしました。それは、助産学生がボランティアとして国際学会に参加することは,諸外国の助産師と交流を持ち、見聞を広め、学会運営を知るよい機会になると思い参加を決めました。

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大会には,本学を含めた16校から,125名が学生ボランティアとして参加しました。本学の助産学生は,会場進行補助,クローク,会場内外の誘導に配属されていました。

学生ボランティアは毎日,朝のミーティングから始まり,班長,ディレクターの指示の下でマニュアルに従って分担作業を行いました。夕方のミーティンブではその日の振り返りや課題への対応の報告があり,学生は,学会運営の一部の体験から報告,連絡,相談,確認などの大切さを学んでいました。

学生Aさんは,地域母子保健の講演会場のタイムキーパー,照明の調節,座席の誘導,記念品の贈呈などを担当しました。発表はすべて英語で行われていたため,英語力があったら発表内容を理解できるのにと,自分の英語力を高めたいという思いを強くしていました。また,座長は限られた時間の中での進行や,発表者や参加者への配慮などの役割があることを学んでいました。

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学生Bさんは,学会に参加して多くの人の発表を聞いたことで,講義では聞いていない考え方や結果がたくさんあることを知りました。研究は大変だけれども,考えが広がったり,ケアの可能性が見えてきたりすることで,新しい実践にチャレンジしていけるのだと実感していました。 学生の多くは,学会の発表の場で助産師がおのおのの体験や研究から得られた知見をもとに堂々と意見を交わしている様子を見て,将来自分も発表者の一員となって,いろいろな国の人々と助産について語り合うことができるようになりたいという将来の夢を語っていました。今後は積極的に学会に参加していきたいという気持ちを強くしていました。

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2015年11月24日 (火)

看護学部紀要委員会主催の教員研修会が開催されました

大学教員の役割は多岐に渡りますが、講義や実習、演習などの教育活動のほか、「研究活動」も大きな位置づけとなっています。

看護学部では、研究論文や調査報告書などを載せた定期刊行物である「紀要」を発行し、教員の研究成果を公表しています。

紀要をはじめ多くの学術誌では、研究成果を投稿する際に「査読」というプロセスがあり、複数の担当者(同分野の専門家)により投稿論文の採否を決定するために審査が行われます。

紀要や学術誌に論文を投稿すると査読を受け、査読者からの質問や指摘に丁寧に答え、論文を修正し、ようやく掲載に至ります。場合によっては、掲載されないこともあります。

一方、紀要や学会誌の編集委員会から大学教員が査読者を依頼されることもあります。

査読は投稿者(受ける人)も査読者(行う人)もとても多くの労力を要しますが、紀要や学会誌の学術水準が保証されるのに欠かせない制度です。

そこで、今年度は紀要委員会の活動として、「看護学術誌における適正な教育的査読」というテーマで研修会を開催しました。

講師は秋元典子先生(岡山大学大学院保健学研究科教授)です。

研修会には約50名の看護学部教員が参加しました。

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研修では、査読は投稿論文の採否をジャッジすることではなく、『著者と査読者と編集委員会の協働によってよりよい論文を生み出していく過程』であること、著者に敬意を表することが重要であることが説明されました。

 

また、査読を受ける著者としての立場では、査読結果のコメントについて

①すべてに答えること、

②誠実に答えること、

③根拠とともに答えること、が大切であることが強調されました。

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秋元先生の経験談を含めた研修の内容は、とてもパワフルで、出席している教員もどんどん引き込まれていきます。

 

終了後のアンケートでは、

・とてもエネルギッシュな講義で、先生から元気をもらえました。

・査読について理解しやすく、また楽しい研修会でした。

・査読する立場でだけでなく、査読を受ける立場からも何に気をつけていかなければならないかわかりやすい講義でした。

など、今後の査読や論文投稿に向けて、非常に重要な示唆を得ることができました。

秋元先生、遠く岡山から浜松までお越しいただきありがとうございました!

                            看護学部紀要委員会