2-5.母性看護学領域 Feed

2023年6月20日 (火)

NICU退院児懇談会にボランティアで参加しました!

2023年6月11日(日)、本学看護学部3年次生が聖隷浜松病院のNICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療室)退院児懇談会にボランティアで参加してきました。

「NICU退院児懇親会」とは、1,500g 未満で出生し新生児科病棟(NICU)を退院したお子さんの健やかな成長と小学校入学をお祝いする会です。

お子さんやご家族、スタッフ、ボランティア学生など、総勢100名弱の会となりました。

お子さんから、小学1年生の近況報告を聞いたり、大きくなったお子さんをお祝いし、新生児科医からお母さんへ感謝状の贈呈が行われました。また、大人と子どもが分かれ、子どもたちは、うちわなどに絵を描くお楽しみ製作を、父母はNICU・GCUの思い出を語り合いました。その後、生まれ育ったNICUや、NBA(新生児救急車)を見学しました。

先週、先々週とNICUの講義を受けたばかりの参加した学生からは、「お父さんやお母さんの思いを聞かせていただき、今までの思いが詰まっていて感動して、涙が出ました」、「お子さんがすくすく成長している様子を感じることができて子どもたちからパワーをもらいました」との感想が聞かれました。雨の中でしたが、学生たちは、会場周辺の交通案内や、子どもの制作物のお手伝いなど、よく手伝ってくれました。また、この経験を、看護師になった際に活かしてもらいたいと願っています。

そして、NICUから退院し、1年生を迎えた皆さん、ご入学おめでとうございます。

(写真の掲載は、許可を得て行っています。)       

文責:母性看護学 室加千佳

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2022年7月27日 (水)

統合実習(母性看護学領域)での学び 第2弾!「孫育てセミナー」に参加してきました!

母性看護学領域の統合実習については先日も掲載しましたが、病棟だけでなく、地域の子育て支援にも目を向けて実習を行っています。

本日は、領域別実習でもお世話になっている、浜松市根洗学園が引佐子育て支援ひろばで実施している孫育てセミナーにスタッフとして参加してきました。

セミナーでは、助産師によるミニ講座と祖父母世代の方と親世代の方が一緒になって、子育て中の親世代への関わり方や育児の世代間ギャップについて語り、学び合い、今、必要とされている育児について考える機会を設けています。

本音トークでは、本学の学生が司会進行し、祖父母世代・親世代それぞれから孫・子育てについての悩みや困っていること等について語ってもらい、話し合いをしました。

最後に学生から孫育て世代の方々に、空気でふくらむベビーバスや折りたためるベビーバスのメリット・デメリットをご紹介させていただきました。

学生たちも学びの多い実習となりました。

Image1助産師さんのミニ講座を聴いています

 

Image2子どもたちに大人気の絵本を読んで・・・「みんなで一緒に。さあ、いくよ~♪ぴょーん」

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*掲載写真は、ご本人、施設の許可をいただいております。

文責:神﨑江利子、室加千佳 

 

2022年7月19日 (火)

看護学部4年次生 母性看護学統合実習を実施しています。

本学の看護学部4年次生は、統合実習の真最中です。

統合実習とは、学生1人1人が興味のある領域を選択し、選択した看護学領域において、既修の知識・技術を統合しながら、提供されている看護の実際を経験し、保健・医療・福祉のネットワークの中で看護の働きについて理解を深める実習です。

簡単に言うと、大学4年間で積み上げた知識と技術を統合して、社会人になる前に、看護師・保健師として看護実践を経験するのです。

 

今回は、母性看護学領域の統合実習でNICU実習の様子をお伝えしたいと思います。

NICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療室)では、少し早く生まれた赤ちゃん(早産児)を受け持っています。その中で、抱っこや哺乳瓶を使ってのボトル授乳、体位変換など、さまざまなケアを行います。それらのケアを実際のお子さんで実施する前の練習を、実習先である聖隷浜松病院NICU病棟の新生児認定看護師さんと共に実施しました。

 

保育器内の赤ちゃんの体位変換を行います。

まずは、学生たちで点滴が入った赤ちゃんの体の向きを変えるための注意点を考えます。

以下、学生たちの会話です。

・バイタルサインの変動がないか、バイタルに気を付けながら行うよね。

・点滴の刺入部に気を付けて、ルートもからまないように行うよね。どちらに赤ちゃんを向ければ、ルートがからまないのかな?右上肢に点滴がついているから、右向き?左向き?

・赤ちゃんが驚かないように、ホールディングしながら体位変換するよね。

・うつ伏せにした時、ディベロップメンタルケアでタオルを下にひいたほうがいいよね。タオルって顔にかかるほうがいいのかな?

・顔はどの向き?

・赤ちゃんの手はまっすぐしたほうがいいの?曲げたほうがいいの?

などなど、体位変換という行為1つとっても、考慮点や疑問点が多く出てきました。

講義で習ったことを思い出しながら、実施します。

その中で、指導者さんが、必ず伝えていたことは、「この体勢、赤ちゃんにとって心地いいかな?」という言葉。私たち看護師がどうケアしたか?ではなく、私たち看護師が行ったケアは相手にとって心地いいものだろうか?ということ。

とても貴重な看護の基本となることを学び、今後実際のケアに活かしていけそうです。

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 *掲載写真は、ご本人、病棟の許可をいただいております。

文責:室加千佳 写真撮影:神﨑江利子

2021年9月15日 (水)

浜松市との連携事業【赤ちゃんのお世話講座】

浜松市が市内の大学との連携事業として実施している生涯学習講座の1つである、

お兄ちゃん、お姉ちゃんのための『赤ちゃんのお世話講座』を7月29日に、入野協働センターで開催しました。

まだ、コロナ感染は今よりは落ち着いていたころ、入り口では体温測定や手指消毒、体調の聞き取りを行って、会場に入ってもらいました。

参加者は、4家族、おばあちゃんに連れられた3歳のお姉ちゃん、お母さんと一緒に来てくれた各4歳、5歳のお兄ちゃん、4ヶ月の赤ちゃんを抱っこして来てくれたお母さんの8名です。

講師は、看護学部4年生、母性看護学の統合実習中の学生です。

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【赤ちゃんを抱っこしてみよう!】

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お母さんと一緒に来た5歳の男の子が、大事そうに落とさないように気をつけながら新生児人形“たあくん”を抱っこしてくれています。生後間もない赤ちゃんと同じ状態を再現した人形なので、まだ首が座っていないため、「首のところがぐらぐらしているので、抱っこする時は、首の後ろをしっかり支えてね!」

お兄ちゃん、興味津々!

【赤ちゃんの特徴について知ろう】

生まれてすぐの新生児から、8ヶ月の乳児までの成長発達について、説明しました。

生後4ヶ月の子どもさんを抱っこして参加されたお母さんには、今までの育児や授乳に関するお話をお聞きし、労いながら、これからの赤ちゃんの成長について、お話しました。

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「赤ちゃんは、すくすくと育っていますね!」

「今までの子育ては、いかがでしたか?」

【お母さんのお腹の中での胎児の様子を知ろう】

お母さんのお腹の中の赤ちゃん(胎児)の様子を、お兄ちゃん、お姉ちゃんの年齢に合わせて、絵本や布製の胎児人形を使い、優しく説明。

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おばあちゃんと3歳の女の子、

「あなたもお母さんのおなかの中で、こうして大きくなってきたのよ。」

「お母さんもお父さんもおばあちゃんも、あなたが生まれてくるのをとても楽しみにしていたんだよ。」

【赤ちゃんの沐浴(お風呂)】

お兄ちゃん、「赤ちゃんをしっかりと支えてあげてね!」

「上手に沐浴させているね!」

お母さん、「こんなに興味津々で、上手に入れられるって知らなかったわ。」

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皆さん、とても楽しんで、学生の話を聞いてくださいました。

文責:母性看護学領域 黒野智子

                     

2021年7月14日 (水)

統合実習(母性看護学領域)で、「孫育てセミナー」に参加しました

7月3日(土)、浜松市北区引佐町にある引佐多目的研修センターで開催された「孫育てセミナー」に統合実習の4年次生4名がスタッフとして、受付や絵本の紹介、本音トークに参加しました。

朝から雨模様でしたが、移動する時間帯には晴れ間がのぞき、お子さん連れのママ達が参加しやすいように天も優しさを発揮していました。当日は、ママ世代、シニア世代共に3名ずつの参加がみられ、総勢14名というアットホームな雰囲気の中で実施されました。 

 

引佐の孫育てセミナーは、子育て支援ひろば事業の一環としておこわれており、パパ・ママと一緒に子育てをしてくださるシニア世代の方を応援し、今年で10年になります。  

セミナーの内容は参加者のニーズに合わせて少しずつ変化していますが、子育て中のママ・パパ達への関わり方、今の子育てとシニア世代がおこなってきた子育てとの違い(育児の世代間ギャップ)等、今どきの子育てに関わる新しい情報をシニア世代に提供しています。

特にセミナー後半に参加者全員で行う“本音トーク”は “聴きたいことが聴ける”とママ世代からもシニア世代からも好評を得ています。

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“ミニ講座”:助産師から、産後のママ達の心身の変化や両世代から「よくある質問」についてのお話を聴いています。 また、言語聴覚士の「豊かな心を育むためにお子さん(お孫さん)にはいっぱい話しかけてくださいね」という言葉に力強くうなずいて、応えていました。

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読み聞かせ絵本の紹介です。(学生担当)

学生の「かえるさんが・・・・ぴよ~ん」の声に合わせ、ママとお子さんも一緒になって「ぴよ~ん!」 (みんな真剣に聴いて、一緒になって声を出しています。)

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本音トーク💛 みんなで話そう!

普段、聴けないことをお互いに質問したり、答えたり・・・。いろいろ聴いちゃおう・話しちゃおう!

 

・手作りのお惣菜はもらって嬉しいもの?

・お孫ちゃんのために何かしてあげたいけれど、何をしてあげたらママは嬉しい? 

・コロナで帰省できないと思うけれど、じいじ・ばあばにはどうやって連絡している? 

・写真や動画は送ってる? 顔を見たいから、「写真を送って」って、言ってもいい? 等・・・。

お嫁さんの立場、娘としての立場、実母、義母の立場でそれぞれ本音を語り合い、あっという間に2時間が過ぎていきました。 

コミュニケーションを良く取って、お互いの思いを知ることが大切で、子育てはいろいろな人達の協力があってのことだということ等、多くのことが学べました。

(写真の撮影と使用については参加者の方の承諾を得て掲載させていただきました)

文責:母性看護学 神﨑江利子

2021年2月 5日 (金)

“地域包括ケア看護論”の紹介 その3 「地域包括ケアについてのPBL(課題解決型学習)」

「地域包括ケア看護論」では、7回にわたって事例学習を行いました。学習目標は、「健康上のニーズを抱えながら、今後も地域で暮らしていくことを希望する事例について、生活者の視点から地域包括ケアについての理解を深め、その中での看護の役割・機能について考える」です。

地域で困り事を抱えて生活する高齢者、障がい者、母子の事例について、療養者本人とその家族の生活の理解や支援方法を考えるグループ学習を、PBL(Problem-based Learning)で行いました。 PBLは、「課題解決型学習」とよばれる学習方法で、学生自身が課題を見つけて、答えのない課題を解決するためにICTを活用して自ら調べ、調べたことを整理して思考する力を身に付けるためのアクティブラーニングの方法です。授業終了前に各グループで学習における不明点を明確にして、次回に向けての学修内容・方法を決め、次回授業時に各自が学習してきたことをグループ内で報告しあい、自ら学習課題を到達させる形で進めました。

新型コロナウイルス感染症予防のため、PBLは3教室に分かれて、グループ間・メンバー間で距離を確保し、換気を行いながら実施しました。学生は各自が個人用PCを持参し、Googleスライドを用いて画面共有を行いながら話し合い、発表に向けての成果物の作成を行いました。

PBL風景

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PBLによって、「療養者の問題は、1人の問題ではなく、周りの人との人間関係や物理的環境に左右されると分かった」「人の捉え方・強みと感じる部分がメンバーで異なり、捉える人の価値観や経験で変わってくるので、複数で考えることは大切だと思う」「その人の持つ強みは、いかなる状況でも強みではなく、弱みにもなりえると気づいた」などの学びが得られました。そして各々のPBLでの学びを、他の事例を担当したグループメンバーに発表し、発表を通して学びの共有が図られました。

最後は、実際に地域包括ケアを実践されている、川根本町地域包括支援センター保健師の池本祐子さんから、事例に対して実際にはどのような対応を行うかについて、講義していただきました。

池本さん講義風景

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池本保健師さんから、「生活者本人がどんな生活を送っていきたいのかを引き出し、それを前提に支援していく」「対象者に一人ではないことを伝えることが大切」「実生活で地域包括ケアについての問題に直面した際にも、持ち合わせている知識をベースに、一生懸命に対象を理解して、問題を解決する方法をともに見出す力を深めてほしい」とお話しいただきました。

学生は、授業後の感想として「池本さんのお話から自分達では考えもしなかった新たな発見ができた」「できないことなどマイナス面に焦点をあてがちだが、強みを積極的に見つけ出して、想像力を働かせていきたい」「対象者の尊厳ある暮らしを守っていけるように、対象者に寄り添って、押し売りにならない援助が大切だと実感した」など述べていました。

 

3回にわたり「地域包括ケア看護論」について看護学部ブログで紹介してきました。今回の学びを活かして、「地域包括ケア」の視点から看護を実践することを大切に、次年度以降も学び続けて欲しいと思います。

文責:豊島由樹子

2021年2月 1日 (月)

他学部との交流② ~母性看護学 手洗い編 看護学部先輩から社会福祉学部後輩へ~

他学部との交流① ~母性看護学 沐浴編 看護学部先輩から社会福祉学部後輩へ~ の続きとして、手洗いについての講義の様子を紹介したいと思います。

コロナ禍で手洗いが重要視されていると思いますが、新生児の沐浴(赤ちゃんのお風呂)をする際にも、沐浴する側が清潔にしてから沐浴を実施する必要があります。そのため、手洗いについても講義しました。

正しい手洗い方法とその重要性を伝えるために、まずは、手に付着するウイルスの数を社会福祉学部の学生に考えてもらいました。手洗い時の細菌の数を社会福祉学部の学生に尋ね、クイズ形式で講義を進めました。その後、正しい手洗いの仕方を動画でお伝えし、共に実施してもらいました。その細菌の多さに驚く学生の表情も、画面を通じて確認することができました。

 

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次に、手洗いトレーニングボックスのグリッターバグを使用し、正しい手洗いができているか映像にて確認してもらいました。実際に看護学部の学生が、手に特殊なジェルを付け、洗い残しが生じるとそのジェルが手に付着したまま、白く見えます。

上の写真や下の写真で紫色の箱として映っている機械に手を入れると、手の様子を確認することができます。

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①手洗いなしの場合  

白く映っているのが洗い残しの部分。もし、白い部分にウイルスが付着していると仮定すると、全体的にウイルスが付着していることとなります。手のひら、爪の中、しわの中まで真っ白になっていますね。

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②流水のみの手洗い(石鹸なし)の場合 

表面は洗い流せていますが、爪の間や手のしわが白く残っています。手のひらの下の方にも残っていますね。

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③石鹸を使用し流水で15秒手洗いをした場合

手のひらや爪が白く残っていますね。爪や手のひら、手の甲に白い部分が見られます。

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④石鹸を使用し流水で30秒手洗いをした場合

 爪にやや白い部分が残っていますが、白い部分はほとんど見られません。

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このような映像を使いながら、正しい手洗いを学んでもらいました。

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社会福祉学部の皆さんも、正しい手洗いの重要性を理解していただけたようで、「保育士として関わる時にも、手洗いを丁寧にして清潔な手で赤ちゃんに接しようと思った」との感想がありました。また、「正しい手洗いの方法も教えてもらい、実際の様子を見たら自分の手洗いは甘かったな...と怖くなりました」と、正しい手洗いをしないと細菌が消滅しないことに驚きの反応がありました。

沐浴前の手洗いも重要ですが、このようなコロナ禍だからこそ、正しい手洗いを身につけ、感染予防に努めていきたいものです。

 

文責:母性看護学 黒野智子、室加千佳

2021年1月29日 (金)

他学部との交流① ~母性看護学 沐浴編 看護学部先輩から社会福祉学部後輩へ~

1月後半に、本学看護学部 母性看護学実習を履修している3年次生から社会福祉学部1年次生へ、沐浴(赤ちゃんのお風呂)技術の講義を行いました。

今年は、コロナ禍ということもあり、密を避けるために、遠隔によるZoomミーティングシステムを活用した沐浴技術の指導を考えました。遠隔で、どのようにわかりやすく技術を伝えるかといった点や、一方的な講義ではなく双方向でのやり取りが可能なように配慮しました。

 

打ち合わせでは、実際の資料を使い、練習をしています。

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講義風景です。

新生児の特徴について講義をした後、講義内容の確認としてクイズを出し、新生児の特徴を復習します。右は講義風景、左は社会福祉学部の学生さんがクイズに答えている風景です。

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看護学部3年次生が、新生児の抱き方を説明し、

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目の前には、社会福祉学部の学生の反応もわかるモニターを置き、反応をみながら、講義を展開します。抱っこが上手にできた学生さんには、画面を通じて上手にできていることを伝えました。

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沐浴技術は、天井カメラから沐浴をしている場面を撮影し、遠隔にて伝えました。

Image5上のパソコン、下のスクリーンの画面のように、実際に沐浴している映像をリアルタイムで、社会福祉学部の学生さんに見てもらいました。

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カメラ操作も学生自身で行います。映像を確認しながらカメラの位置を決め、わかりやすく映像を配信する方法を考えます。また、実際の映像をみながら、沐浴手順の詳細な説明を伝えました。

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Zoomの様子。看護学部生が映像を随時確認しながら、社会福祉学部の学生さんに講義が伝わっているか、様々な角度から映像を撮影しながら、わかりやすい講義になるよう努めていました。クイズに正解すると拍手で反応したり、意見を伝えてもらったりと、相手の反応を確認しながら、直接対面で接していない中でも双方向のやり取りができました。

コロナ禍で、対面による指導が困難になっています。その中で、ICTを活用しながら、実習で学んだことを他者へわかりやすく伝えていく指導方法を考え、実施しました。社会福祉学部の学生さんから「細かい動作や赤ちゃんの原理など、その動作をする理由などを詳しく話してくださったので理解しやすかったし、とても勉強になりました」「沐浴指導がとても分かりやすく集中して見ることができ、とてもためになった」との返答がありました。

看護学部の学生は、「他者に学んだことを伝えるには、自分自身が理解していないと伝えることができないため、自分自身の母性看護学の復習にもなり、他者にわかりやすく伝えることについて勉強になった」との感想がありました。よく頑張って講義の準備をして、本番に臨むことができました。実際、看護師になった際も、看護の対象者となる方へわかりやすい指導を行う事が大切です。是非、今回の経験を生かしながら看護を実践してください。今後の皆さんの指導に期待しています!

文責:母性看護学 黒野智子、室加千佳

2020年12月16日 (水)

“地域包括ケア看護論”の紹介 その2 「地域包括ケアをつくる“人とのつながり”」

10月に続き、11月の「地域包括ケア看護論」についてのご紹介です。地域包括ケアの基本的な考えや、地域で暮らす障がい者・児や認知症の方の生活について教員から学んだ後、6,7回目の授業では「地域包括ケアの実際」として、障がいをもつ当事者の方、そのご家族から、地域で暮らし続けることについて直接お話をうかがいました。

NPO法人地域支援ネット「ゆう」障害者指定居宅支援事業所の理事長である杉本和美さんから、「傷病を抱えながらの生活・社会活動」についてお話しいただきました。杉本さんは、事故により頸髄損傷となってからの当事者の心理、在宅での生活、障害の受容などについて体験を交えてお話しくださり、人生の先輩として思い悩むことの大切さについても教えていただきました。

ご自分の意志を強く持たれている杉本さんの生き方に感銘を受けて、学生達は誰にでも可能性があり病気や障害が妨げにはならないこと、相手を尊重して寄り添い、相手の立場にたって気持ちを汲み取ることからうまれる人とのつながりや社会とのつながりの大切さについて、学びを得ることができました。

 

授業風景  (杉本さん)

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また、認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ/たけし文化センター連尺町の理事長、久保田翠さんは、知的障がい者の息子さんへの自立支援活動から、知的に障がいのある人が自分を表現する力を身につけ、文化的で豊かな人生を送ることの出来る社会的自立と、その一員として参加できる社会の実現を目指す活動についてお話しくださいました。障がい者の存在や行為自体を「文化・芸術」として捉えて、人間が本来もっている「生きる力」「自分を表現する力」を見つめていく場の提供、障害のある人が街中で様々な人とのつながりの中でその人らしく生きていける生活環境づくりについてなど、これまでの障がいの捉え方を揺さぶられるようなお話でした。

久保田さんの「障害はその人についているものではない。私と貴方の関係の間にあるもの。」という言葉に、多くの学生たちは自分が障害という固定概念に囚われていたこと、自分では気づけなかった偏見や価値観に気づき捉え方が変化したと、講義後に述べていました。障がいの有無と関係なく、互いの可能性を認め合い、共生できるまちづくり目指すことも、地域包括ケアであるとの、幅広い学びを得ることができました。

 

授業風景 (久保田さん)

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認定NPO法人クリエイティブサポートレッツのホームページのご紹介

・アルスノヴァHP

http://cslets.net/arsnova

・のヴぁてれび

https://www.youtube.com/channel/UCG-34arDueJ9Yep6vIYg8Mw

 

8回目の授業からは、事例を用いたPBL(Problem-based Learning:課題解決型学習)が始まります。今後も「地域包括ケア看護論」の取り組みについて報告していきたいと思います。

(写真掲載については許可を得ています。)

文責:豊島由樹子

2020年11月11日 (水)

“地域包括ケア看護論”の紹介 その1 「私の生活、暮らしを見つめる」

看護学部では、2019年度入学生から一部の教育課程が改定されています。その目的は、地域包括ケアシステムの推進に基づく社会の変遷にあわせた教育課程へと発展させるためです。

「地域包括ケア」とは、様々な発達段階、健康レベル、生活の場にある人々が、医療や介護が必要な状態になっても、可能な限り住み慣れた地域で自分らしく暮らしを続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が包括的に確保されるという考え方です。そのしくみを「地域包括ケアシステム」といい、誰もが“自分のこと”“家族のこと”ひいては、そう遠くない“将来の日本のこと”として捉える必要があります。

2019年度入学生は、1年次に「地域看護学実習」で、各自治体における地域包括ケアの取り組みについて、地域のロコモーショントレーニング事業参加団体や高齢者サロン活動を行っている住民組織(グループ)に許可を得て参加し、地域で生活している人々の生活・生活圏をとらえて、高齢者の健康管理「自助」や住民相互の「互助」の効果を学び、健康との関連を考える実習を行いました。

そして2年次生になって、健康な対象だけでなく健康上のニーズを抱えながらも自分らしく地域で暮らし続けるための生活・支援について学び、地域に暮らす生活者の視点から看護の役割について考える科目「地域包括ケア看護論」が始まりました。

地域包括ケアの概念を学んだ後の2回目の授業は、「地域包括ケアの基盤である生活や地域で暮らすことについて、自分の言葉で考えてみる」を単元目的として行われました。

科目担当の先生から、履修生の皆さんに「地域に暮らす一市民として私の生活、暮らしを見つめ、考えてみよう」という課題が出され、近くの席の学生2~3人程度で15分ほど話し合った後、その内容をWebClass(本学が利用しているラーニング・マネジメント・システム)に提出してもらいました。

 

話し合い風景

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その後、提出された意見を、自然言語解析の手法を使って単語分割し、語句の出現頻度や相関関係をソフトを使って解析し、授業内で共有しました。

 

①あなたは今の生活をどのように感じてますか? …やはりコロナが生活の中心ですね。

 

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②今住んでいる地域の暮らしを、どのように思いますか?

…暮らしやすいと感じている人と不便を感じている人がいるようですね。

 

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先生からの講評

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各々の、ものの捉え方や考え方・態度は 家庭、学校、地域社会、文化、制度、経済状況などから学習したり規制を受けながら、自分の価値観を築き、自分なりのライフスタイル(生き方、生活様式)が作られていきます。人は社会との関わりの中で、その人特有のライフスタイルをつくり、習慣化された日常生活を営んでいます。人の生活や暮らし方、大切にしていることは、それぞれ異なっています。その1人1人の考えや価値観を大切にした「地域包括ケア」となっていくことが重要ですね。

 

「地域包括ケア看護論」は、他大学にない新しい科目です。本学の在宅看護学、老年看護学、公衆衛生看護学、精神看護学、成人看護学、小児看護学、母性看護学から教員が集まり、「地域包括ケア」において今後、社会を支えていく学生さんにとって必要な内容を吟味精選して科目を構成しています。今後も「地域包括ケア看護論」の取り組みについて報告していきたいと思っています。

 

文責:豊島由樹子