看護学部4年次生 母性看護学統合実習を実施しています。
本学の看護学部4年次生は、統合実習の真最中です。
統合実習とは、学生1人1人が興味のある領域を選択し、選択した看護学領域において、既修の知識・技術を統合しながら、提供されている看護の実際を経験し、保健・医療・福祉のネットワークの中で看護の働きについて理解を深める実習です。
簡単に言うと、大学4年間で積み上げた知識と技術を統合して、社会人になる前に、看護師・保健師として看護実践を経験するのです。
今回は、母性看護学領域の統合実習でNICU実習の様子をお伝えしたいと思います。
NICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療室)では、少し早く生まれた赤ちゃん(早産児)を受け持っています。その中で、抱っこや哺乳瓶を使ってのボトル授乳、体位変換など、さまざまなケアを行います。それらのケアを実際のお子さんで実施する前の練習を、実習先である聖隷浜松病院NICU病棟の新生児認定看護師さんと共に実施しました。
保育器内の赤ちゃんの体位変換を行います。
まずは、学生たちで点滴が入った赤ちゃんの体の向きを変えるための注意点を考えます。
以下、学生たちの会話です。
・バイタルサインの変動がないか、バイタルに気を付けながら行うよね。
・点滴の刺入部に気を付けて、ルートもからまないように行うよね。どちらに赤ちゃんを向ければ、ルートがからまないのかな?右上肢に点滴がついているから、右向き?左向き?
・赤ちゃんが驚かないように、ホールディングしながら体位変換するよね。
・うつ伏せにした時、ディベロップメンタルケアでタオルを下にひいたほうがいいよね。タオルって顔にかかるほうがいいのかな?
・顔はどの向き?
・赤ちゃんの手はまっすぐしたほうがいいの?曲げたほうがいいの?
などなど、体位変換という行為1つとっても、考慮点や疑問点が多く出てきました。
講義で習ったことを思い出しながら、実施します。
その中で、指導者さんが、必ず伝えていたことは、「この体勢、赤ちゃんにとって心地いいかな?」という言葉。私たち看護師がどうケアしたか?ではなく、私たち看護師が行ったケアは相手にとって心地いいものだろうか?ということ。
とても貴重な看護の基本となることを学び、今後実際のケアに活かしていけそうです。
*掲載写真は、ご本人、病棟の許可をいただいております。
文責:室加千佳 写真撮影:神﨑江利子