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2021年2月 5日 (金)

“地域包括ケア看護論”の紹介 その3 「地域包括ケアについてのPBL(課題解決型学習)」

「地域包括ケア看護論」では、7回にわたって事例学習を行いました。学習目標は、「健康上のニーズを抱えながら、今後も地域で暮らしていくことを希望する事例について、生活者の視点から地域包括ケアについての理解を深め、その中での看護の役割・機能について考える」です。

地域で困り事を抱えて生活する高齢者、障がい者、母子の事例について、療養者本人とその家族の生活の理解や支援方法を考えるグループ学習を、PBL(Problem-based Learning)で行いました。 PBLは、「課題解決型学習」とよばれる学習方法で、学生自身が課題を見つけて、答えのない課題を解決するためにICTを活用して自ら調べ、調べたことを整理して思考する力を身に付けるためのアクティブラーニングの方法です。授業終了前に各グループで学習における不明点を明確にして、次回に向けての学修内容・方法を決め、次回授業時に各自が学習してきたことをグループ内で報告しあい、自ら学習課題を到達させる形で進めました。

新型コロナウイルス感染症予防のため、PBLは3教室に分かれて、グループ間・メンバー間で距離を確保し、換気を行いながら実施しました。学生は各自が個人用PCを持参し、Googleスライドを用いて画面共有を行いながら話し合い、発表に向けての成果物の作成を行いました。

PBL風景

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PBLによって、「療養者の問題は、1人の問題ではなく、周りの人との人間関係や物理的環境に左右されると分かった」「人の捉え方・強みと感じる部分がメンバーで異なり、捉える人の価値観や経験で変わってくるので、複数で考えることは大切だと思う」「その人の持つ強みは、いかなる状況でも強みではなく、弱みにもなりえると気づいた」などの学びが得られました。そして各々のPBLでの学びを、他の事例を担当したグループメンバーに発表し、発表を通して学びの共有が図られました。

最後は、実際に地域包括ケアを実践されている、川根本町地域包括支援センター保健師の池本祐子さんから、事例に対して実際にはどのような対応を行うかについて、講義していただきました。

池本さん講義風景

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池本保健師さんから、「生活者本人がどんな生活を送っていきたいのかを引き出し、それを前提に支援していく」「対象者に一人ではないことを伝えることが大切」「実生活で地域包括ケアについての問題に直面した際にも、持ち合わせている知識をベースに、一生懸命に対象を理解して、問題を解決する方法をともに見出す力を深めてほしい」とお話しいただきました。

学生は、授業後の感想として「池本さんのお話から自分達では考えもしなかった新たな発見ができた」「できないことなどマイナス面に焦点をあてがちだが、強みを積極的に見つけ出して、想像力を働かせていきたい」「対象者の尊厳ある暮らしを守っていけるように、対象者に寄り添って、押し売りにならない援助が大切だと実感した」など述べていました。

 

3回にわたり「地域包括ケア看護論」について看護学部ブログで紹介してきました。今回の学びを活かして、「地域包括ケア」の視点から看護を実践することを大切に、次年度以降も学び続けて欲しいと思います。

文責:豊島由樹子