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2016年1月18日 (月)

<骨髄(造血幹細胞)提供について>

成人看護学の教員の小池です。

新年を迎えました。今年も皆様にとって良い年になるといいですね。

新年早々、個人的なご報告で恐縮ですが、昨年、骨髄バンクを通じて、

骨髄(造血幹細胞)提供を行いました。

その体験談と骨髄提供に関するお話をさせていただきます。

私は5年ほど前に骨髄バンクに登録をしました。献血時に(1年に3回ほど400mlの献血をしています)、登録を行ってもらいました。

当時は、「すぐにドナーに選定されるのかな・・・」とドキドキしておりましたが、

しばらくはなんの音沙汰もありませんでした。

そして、骨髄バンクの件を忘れていた昨年、

オレンジ色の封筒で「重要なお知らせ」が届きました。

封筒の中には「ドナーのためのハンドブック」とともに

ドナー候補に選定された通知や問診票が入っていました。

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(ドナーのためのハンドブック)

造血幹細胞の提供方法としては現在、全身麻酔下による「骨髄採取」と、

末梢からのアプローチで済む「末梢血幹細胞採取」の2種類がありますが、

およそ造血幹細胞の提供の9割以上が全身麻酔化による骨髄採取となっています。

私の場合は、全身麻酔下の「骨髄採取」でした。

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(参考:ドナーのためのハンドブックより)

ドナー候補(まだこの時点ではあくまでもドナーの候補の一人です)

に選定されたことで、まずは家族での検討が始まりました。

最終的な同意の確認を行う面談は、本人と家族とコーディネーターさん、

第三者(その最終的な手続きの見届け人)で行います。

本人だけでなく、家族の同意も必要となってきます。

家族の同意も得て、方向性が決定してから、スムーズに事が進み、

私自身の身体検査から、骨髄提供の日程の設定まで、

約半年間くらいの期間をかけて、準備が進んでいきました。

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(参考:ドナーのためのハンドブックより)

骨髄提供の入院期間はおおよそ3泊4日ですが、

それ以外に身体検査や必要な面談、そして骨髄採取の量によっては、

自己血採血のための通院が必要となります。

私の場合は、自己血採血(400ml×2)のための通院を含め、7~8回ほど病院に通いました。

基本的に病院は平日の昼間しか受け付けてくれませんので、

実習や授業などとの調整でかなり苦労しました。

最終的に骨髄採取のための入院時を含め、先生方や、実習場のスタッフさん、

実習中の学生さんには、本当にお世話になりました。

そんな感じで、周囲のみなさまのサポートのおかげで、骨髄採取もスムーズに行われました。

術後、全身麻酔の影響による吐き気などはありましたが、

骨髄採取部位(腰部)の創部も安定しており、痛みもそれほどありませんでした。

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(腰のあたりの白い保護テープのあたりが骨髄採取部位です。)

現在、骨髄バンクの登録者の高齢化が進んでいるようで(登録者の年齢制限は54歳まで)、

若い人達の登録が伸び悩んでいるようです。

これからは全身麻酔下の造血幹細胞採取から、

末梢からのアプローチによる末梢幹細胞採取が、少しずつ一般的になってくると思います。

ドナーへの身体的負担が少なくなったら、骨髄バンク登録者も増えてくるのかもしれません。

現在では、まだまだ一般の人々には、社会的な認知度は低く、

造血幹細胞提供のための正確な情報の提供が十分ではない気がします。

自分が体験したことを少しでも多くの人々に伝えていくことで、

骨髄バンクに興味を持ってくださる方々が増えるといいなと思います。

このたびは、本当にいろいろな人々に支えられて、無事に骨髄提供ができました。

関係する皆様、本当にありがとうございました。

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※浜松市内で骨髄バンクに登録できる場所(献血ルームなど) 

※ご質問などがございましたら、takeshi-k@seirei.ac.jp までご連絡いただければ幸いです。

 

(文責:成人看護学 小池武嗣)