2-3.成人看護学領域 Feed

2019年7月26日 (金)

ポスターセッションで統合実習(慢性看護学領域)の学びの共有を行いました!

看護学部4年次春セメスター必修科目である「統合実習(慢性看護学領域)」が終了しました。

この実習では、はじめて複数患者の看護を実践します。

複数患者の看護を行うためには、複数患者の把握・複数患者に必要な看護の選定・看護の優先順位の判断・時間管理・複数患者に安全で効率的な看護を提供するための人的資源の活用と連携ができる力が必要となります。

統合実習(慢性看護学領域)では、24名の学生が聖隷三方原病院・聖隷浜松病院でそれぞれ実習を行いました。

実習では、とまどいながらも複数患者の看護を計画し実施・評価する中で多くのことを学んだようです。

また、安全で効率的な看護を提供するための人的資源の活用と連携を学ぶために、看護リーダーや看護助手などにシャドーイングすることで、それぞれの役割が把握でき、適切に連携する・協力を得るための方法を考察しました。

今回は、ポスターセッションで統合実習の多くの学びを共有しましたので報告します。

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(写真1:グループワーク風景):テーマ別に異なる病棟で実習した学生同士で意見交換し、発表準備中。

統合実習の2週目最後は、学内でポスターセッションすることで学びを共有しました。

学生の個々が学び得たことから発表内容を決定し、ポスター発表と意見交換をします。

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(写真2:ポスターセッション風景1)

発表時間は5分間。

緊張感のため伝えたいことが、上手く伝えられずに悔しい思いをした学生もいました。

「他者に自己の意見を明確に伝えるスキルは、やはり看護職として重要だね」との教員からの助言に学生一同納得。

3(写真3:ポスターセッション風景2):セッションが進むにつれて、ポスターを食い入るように近づき、意見交換も増えてきました。

これまでの学びや自己の看護師像を深化させるきっかけを得た学生、新たな知見を広げられた学生もいました。

学生のみなさん、よく頑張りました!

さあ、ここから学生は、統合実習の最後の課題レポートに取り組みます!

(写真の撮影と使用については学生の承諾を得て掲載させていただきました)

2019年7月 9日 (火)

成人看護援助論演習:BLS一次救命演習で心肺蘇生法を学ぼう

看護学部3年次の春セメスター開講「成人看護援助論演習」では、協働学修法で学ぶ看護過程演習の他に、技術演習も盛り込まれています。

その中で、BLS一次救命処置の演習を行いましたのでご紹介します。

今回は、浜松北消防署員の方々がお越しくださり、講義と実技指導を行ってくださいました。

まずは一次救命処置の基本知識や現場での体験談などの講義を聞きました。

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次に、消防署員の方々のBLSデモンストレーション。

突然、道端で倒れている人を発見したらどうするか…学生の皆さんの表情も真剣です。

2実技では1グループ13名ほどに分かれ、全員がBLSを体験しました。

「誰か助けてください!」「あなたはAEDを持ってきてください。」「あなたは119番通報してください。」演技にも熱が入ります。

胸骨圧迫は思ったより力がいるようでしたが、学生の皆さんは消防署員の方々のご指導を頂きながら、速さ・深さなどに気を付けて上手に実践できていました。

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4学生の皆さんはこの演習を受講する前に一般市民向け応急手当WEB講座を受講しています。

このe-ラーニングと今回の実技演習を受講することで、修了証を発行して頂けました。

救命処置が必要な現場に立ち会ったときに今日学んだことをぜひ活かしてほしいと思います。

梅雨の体育館という気温や湿度が上がりやすい環境の中で熱心に教えてくださった消防署員の方々ありがとうございました。

またBLS講習を受講した学生の皆さん、お疲れさまでした。

2018年12月17日 (月)

「周術期看護シミュレーション」で看護実践力UP!!

 急性期看護学実習は3年生の秋セメスター~4年生の春セメスターに行われる領域別実習の1つです。手術を受ける患者さんを受け持ち、患者さん(ご家族)に必要な看護実践を行うための知識・技術・態度を学修します。

 近年は、医療技術の進歩から、高齢者や様々な病気を抱えている方も手術を受ける機会が増えています。そのため、看護師には患者さんの状態を適切に判断し、根拠ある実践を行う能力が必要となっています。急性期看護学実習では、このような能力を強化するために今年度から「周術期看護シミュレーション」を行っています。

 「周術期看護シミュレーション」は、臨地で手術を受ける患者さんの看護実践した後に学内で行います。約30名の学生さんが複数のグループに分かれ、グループ内で患者・看護師・観察者の役割分担をします。患者役の学生さんはあらかじめ用意されたシナリオに沿って役を演じ、看護師役の学生さんはグループで検討した看護を実践し、観察者役の学生さんが患者・看護師を観察し気づいたことをメモします。その後、演じた内容について、グループメンバーで振り返り(ディブリーフィング)を行います。

 どのグループの患者・看護師役の学生さんも実にリアルな演技をしています。

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 ディブリーフィングでも、今後の看護実践につながる具体的で活発な意見交換がすすめられています。

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 周術期シミュレーション後、学生さんからは、臨床実践で解決できなかった疑問が解消できた、自らの成長を改めて実感できた、お互いの経験が共有できて考え方が広がった、などといった感想が寄せられました。さらに、心強いことに、シミュレーションへの提案や工夫などの意見もいただいています。

 今後の学生さんの成長・活躍が楽しみで仕方ありません。

 皆さん、お疲れ様でした!

                       急性期看護学教員一同

2018年2月27日 (火)

松井先生インタビュー

松井謙次先生は、聖隷短大の時代も含めて、長年聖隷の看護教育に尽力を尽くしてきた方です。その松井先生が3月で退職されることになりました。そこで、ぜひとも松井先生の看護のとらえ方を皆さんに紹介したくなり、インタビューしに行きました。

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なぜ看護師になろうとしたのですか?

「もともと、本が好きだったのですね。人間の生き方、気持ちの揺れ動き、生きづらさ、悲しみ…中学・高校生くらいから総じて生きることの深さに興味を持っていたので、そのことが本には書かれていた。そこに自分の波長が合ったのですね。でも、社会での自分の働きはそのとき考えていなかった。大学も本が好きだから文学部に行った。卒業して就職したけれど、管理社会で人間の気持ちは大事にされないのが嫌になって辞めました。そんな時に、男性看護師に出会った。その人との対話のなかで、看護は患者さんのつらいことや悲しみを扱うということが伝わってきて、本の世界と繋がったのです。それで自分の道はこれだと思った」

 

学生のときはどんな生活をしていた?

「自分は文学部の大学生のとき学校に行かず、本を読むか酒を飲んですごしていました。でも看護学部に来てからは、学生らしい生活をしようと思って、自分なりにテーマを持って調べたり、考えたり、サークル活動、部外活動とかいろいろな先生のところに行って体験世界の対話をすることが多かったです。その中で自然と看護のこころは培われてきたかなと思います」

 

聖隷の看護って何なのですか? 

「聖隷の看護という定義は示せれないと思います。人間と人間がかかわる中で、自分は何を大切にして来たのか、どこへ行きたいのかを自分で感じ取れればいい。こうじゃなくちゃいけないって言うのはないですね。どう考えてもいいんだけれど、こう生きたいという自分の生き方を考えられることが大切なんじゃないですかね。自分が学生時代に教員との交流の中で一番シンパシーを感じたのは、他者に対して祈りをささげること、我をなくして自分を道具にして相手と向き合うという生き方ですね。自分はまず横において、相手と向き合う。その結果として、相手がどう寝て、呼吸して、活動して、外出して、食べて…何がその人らしいのかを丁寧に導き出していく。それは、自分をまず放棄しないとできないことですね。その場の解決は本当の解決じゃなく、生きづらさを共に背負っていくその苦しさに耐えること、その生き様ですね。看取られたかたもたくさんいると思いますが、そのようなケア者がそばにいてくれたときは、祈りの中に安らぎが生まれてきたのではないかと思う。なので宗教の次元が大切になってくるのだと思います。聖書に〈小さい者の一人にしたのは、 わたしにしてくれたことなのである〉とあるように、小さきもの、弱いもの、貧しいものが最も大切だと思う。それらに対して自分を無にしてかかわる。そうすると自分の中に生きる意味が生まれてくる。自分のなかに弱さ、醜さ、取るに足らなさがある。嘘も言うし、都合のいい解釈もする。でもそれだからこそ、人間なのだといえることが大切。それは自分を無にしたときに生まれるのだと思う」

 

松井先生の看護は?

「患者さんというのは、何かしら辛さ、切なさ、悲しみを持って生きていると思う。そこを眺めたり、理解しようと努力しかかわること。苦しみを軽くできるように対話すること。辛いところをわかろうとして存在すること。それがあってこそ看護になっていく。しかし、そのようなことはできない自分もあることは自覚している。」

 

悲しみや苦しみを背負えるような人生を歩むためのヒントを高校生や学生に

「自分が生きるという意味、生きるという言い方が妥当かどうかはわからないが、生きる意味を問うてみること。生きることに意味があるのか?役に立ちたいと考えるなら、自分は何で役に立ちたいと願っているのか?もう一歩もう一歩と深めていく。自分は真の意味で生きているのか。なぜここにいてどこに行くのかを掘り下げていく。人のためと言いながらも、自分がなぜそうしているのか意味を探ることを大切にしてほしい。意味を見出していくのは、自分を探す旅のようなもの。聖隷と宗教は切り離せないが、すぐに宗教に答えを求める必要はないと思う」

 

インタビュー中、松井先生は語ることや伝えることが難しいとおっしゃっていました。松井先生の語ろうとしていることは言葉が生まれる前の、人間同士の真のつながりという次元の内容だからでしょう。言葉にするとどうしても、実体験と言葉にずれが生じてきます。しかし、松井先生は大変学生からの信頼を得た看護教員でした。おそらく言葉以前の、松井先生という人間が醸し出す雰囲気や空気や態度、音声、音調…などを学生が肌で感じ取っていたのだと思います。その醸し出されている雰囲気の原点は、キーワードにもなっている、辛さや苦しみや悲しみを伴って生きることでしょう。自分の辛さ苦しさ悲しみから逃げずに、その意味を吟味していく。その過程を経て初めて、相手の苦しみと向き合えるようになるということなのだと思います。そして松井先生はそれを実際に実践してきたからこそのお話だったと感じました。

 

精神看護学領域 清水隆裕

2017年12月 8日 (金)

★市民公開講座-「『がんとともに、その人らしく生きる』を支える」を行いました

2017年11月18日(土)、冷たい雨が降るなか、市民公開講座に約40名が参加してくださいました。

聖隷クリストファー大学保健福祉実践開発研究センターが主催する市民公開講座は、毎年、医療や福祉を取り巻く状況をふまえてテーマを設定しています。

今年度の市民公開講座のテーマは、日本では2人に1人が罹患し、3人に1人が亡くなるとされる疾患である「がん」に焦点を当て、「『がんとともに、その人らしく生きる』を支える」と題して、講演およびシンポジウムを行いました。

看護学部の教員3名がセンターのスタッフとともに企画・運営に携わりました。

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近年、日本におけるがん医療、がん患者支援対策は大きく変化しています。

2016年12月には、がん患者の雇用継続などを盛り込んだ「改正がん対策基本法」が成立し、市民公開講座直前の10月24日には「第3期がん対策推進基本計画」が厚生労働省から発表されました。

これらの施策により、都道府県、市町村やがん診療連携拠点病院は、患者さんやご家族が安楽に、安心して生活できるような具体的な支援を提供することになります。

 

はじめに、このブログを担当している井上が、がんの疫学と病態・治療、日本におけるがん医療とがん患者支援の現状について、講演を行いました。

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次に、シンポジウムとして、臨床で活躍されているシンポジストの先生方が実践されている支援の内容や、感じている困難、今後のがん患者さんと家族を支援するうえでの課題などをご発表いただきました。

 

お一人目は、聖隷三方原病院看護相談室の大木純子さん(がん看護専門看護師)です。

地域包括ケアシステムや、がんの診断・治療の経過や、がんと診断されてからその生涯を自分らしく生き抜く「がんサバイバーシップ」についてお話しいただきました。

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お二人目は、聖隷浜松病院がん相談支援センターの島田綾子さん(医療ソーシャルワーカー)です。

島田さんには、がん相談支援センターの役割、就労世代のがん患者さんの現状と支援、がん治療と生活との両立のための取り組みについて、医療ソーシャルワーカーの立場からお話しいただきました。

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三人目のシンポジストは、在宅での患者・家族支援について、訪問看護ステーション三方原の木村幸子さん(緩和ケア認定看護師)です。

木村さんは、訪問看護師の役割や在宅で生活されているがん患者さんとご家族への支援の実際について、事例をもとにお話しいただきました。

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会場からは、がんサバイバーの方からのご意見やご質問、医療職の方から他職種連携についてのご質問などをいただき、質問にお答えしながらシンポジウムが進行しました。

また、シンポジウム終了後も、会場では参加者の皆さまとシンポジストの先生方との間で、活発な意見交換が行われていました。

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そして、市民公開講座が終わったあとの記念撮影です(終わった後のほっとした笑顔です)。

シンポジストの先生方同士は、研修会や講演会等でとても親密な関係性が出来ており、打ち合わせの時点から笑顔が絶えず、交流を深めることができました。

さまざまな悩みを抱える患者さんやご家族を支えるうえでは、チームワークが不可欠です。今回の市民公開講座では、改めて医療者間のチームワークの重要性を認識することができました。

 

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看護職の卵の皆さまも、日本の医療の動向を理解して患者さんやご家族を支援できるよう、このような機会に積極的に参加してもらえるととてもうれしく思います。

市民公開講座にご参加いただいた皆さま、シンポジストの先生方、センタースタッフの皆さま、本当にありがとうございました。

(看護学部 井上菜穂美)

2017年10月24日 (火)

“糖尿病の看護”についての演習の紹介

慢性看護学実習は、慢性疾患を抱える患者と家族を総合的に理解して必要な看護について学ぶ実習です。3,4年次に行う3週間の実習に向けて、「慢性疾患にかかわる検査・治療について」の理解を深めるために“糖尿病の看護”についての演習を行っています。

慢性疾患として患者数の増加がみられる糖尿病において、インスリン治療は最も確実に血糖値を下げる方法です。早くからインスリン注射を使用して膵臓を休ませることが糖尿病の長期管理に効果的であるため、糖尿病患者の1割強がインスリンの自己注射を自宅や職場で行いながら生活しています。

現在は扱いの簡便さから、ペン型の使い捨てタイプのインスリン注射が主流です。患者にインスリン自己注射の方法を指導するため、学生も実際に使われている器具(と同型の練習用器具)を用いて、演習を行います。針を用いるので、表情も真剣です。

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 インスリンの注射は、大腿上側部や腹部の皮下に行います。演習では腹部に手作りのバンドを巻いて、そこに注射します。注射部位の皮膚を消毒して、針が垂直になるように刺します。注入ボタンを押し、そのまま6~10秒待ち、アルコール綿で抑えながら針を抜きます。 すぐに抜くと皮下から薬液が出てしまう可能性があるからです。

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また、インスリンは劇薬ですので、自宅での保管方法や、針の片づけ方についても学習します。使用済み針は血液で汚染された医療廃棄物なので、家庭ごみとは別にして、蓋のついた缶などに入れて、受診の際に医療機関に持参してもらい処分します。

 

また血糖自己測定(SMBG;Self Monitoring of Blood Glucose)についても学習します。血糖値は食事・運動・ストレスによって1日の中で変動します。インスリン注射を行っている場合、低血糖は生命に関わる合併症です。糖尿病患者は、自分で血糖測定を行うことで、血糖変化に関心が高まり、糖尿病と付き合う生活においての具体的な目安が得られます。

血糖自己測定も簡易式の測定器が進歩して、小型で操作も簡単であり、微量な血液量で測定ができるようになっています。指先を消毒した後、専用の細い針を用いて穿刺し、直径2~3mmほど血液を出します。そこにセンサーの先端を触れさせると、血液は自動的に吸引されて測定できます。

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ピッと鳴って血糖値が表示されます

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自己血糖測定、思っていたより痛くなかった。初めての測定で緊張したけれど、測定値も、82 mg/dLと基準内で一安心。実際に血糖自己測定やインスリン注射を体験することで、糖尿病患者が自己管理を続ける努力が理解できましたね。

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慢性疾患は完全に治癒することがないため、疾患や治療によって日常生活を制限するのでなく、生活の中に治療を上手に取り入れて、生涯病気と付き合いながら、その人が望む生活が送れるように、寄り添うことが看護師の役割です。

2017年10月18日 (水)

【看護4年】災害看護論の演習がありました!

静岡県では「東海地震」の備えのために、かなり昔から(私が子供の時から…)、
防災訓練が定期的に行われています。

そういった災害がいざ起こったときに、私たちは医療従事者として、
どのような行動ができるか…、どのような行動をとるべきなのか…?

私がクリストファーの学生だった時、当時の大学の基礎の先生から、
「東海地震が来て、近くの病院だけで患者さんの対応ができないときは、
大学の演習室のベッドを開放して、患者さんを受け入れます。
あなたたちは、看護師(見習い)として、そういった時でも、
きちんと患者さんたちの役に立てるように、
学生のうちから真剣に看護を学んでいく必要があります」
と言われたことがあります。
とても身が引き締まる思いで、今でも、その先生のお話を覚えています。

と、前置きが長くなりましたが…。

10月2日月曜日、3日火曜日と二日に分けて、看護学部4年生の選択科目である
「災害看護論」の演習が体育館で行われました。
初日には、瓦礫に挟まれた人を救助したり、歩行困難な人を担架で運ぶ「救護」の訓練、そして、救護所に運ばれてきた人たちの救命度を確認する「トリアージ」の訓練、最後に「トリアージ」後の患者さんの「応急手当」の訓練を実施しました。

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2日目には、「救護」グループ、「トリアージ」グループ、「応急手当」グループ、そして「被災した患者さん」に役割を分担して、大きな災害を想定した一連の流れのシミュレーションを行いました。

「被災した患者さん」役の学生さんは、特殊メイクを施し、実際に怪我をしているような状況をシミュレーションします。(机の上に横たわっている子供はお人形です。)

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シミュレーションの開始の前に入念な打ち合わせがありました。
それぞれの役割をきちんと認識して行動できるように、
科目担当の松井先生より説明がありました。

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いよいよシミュレーションがスタートです!

駆け付けた「救護」グループが、災害現場の状況を確認しながら、
救護を開始しています。

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瓦礫(を想定した体操のマット)に挟まれた人、頭に怪我をした人…。それぞれを的確に救護所へ搬送していきます。

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救護所では、搬送された人に対して、救命度を確認する「トリアージ」が

すでに開始されていました。みなさん、動きが迅速です。

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トリアージが行われた患者さんに対して、そのトリアージの救命度に応じて、
再び救護グループが搬送を開始しました。

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応急手当ができる安全な場所に移り、患者さんは適切な処置が行われます。

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続々と患者さんは搬送されてきますが、みなさん、冷静にテキパキと行動できていました!

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災害のシミュレーションの一連の流れを無事に終了することができました。
この演習で体験したことは、実際の現場できっと役に立つと思います。
もちろん、大きな災害が起きないことが一番よいのですが、「その時」は
本当にいつ来るのかは誰にもわかりません。
常日頃の心構えや訓練が大切かと思います。

演習に参加された学生に皆さん、本当にお疲れ様でした!

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(成人看護学領域 小池武嗣)

2017年2月10日 (金)

教員の研究活動「がん看護学」

こんにちは、今回は教員の研究活動についてご紹介します。

私は成人看護学に属しており、がん看護学を専門としています。

本学の教員になる前は、「がん看護専門看護師」として総合病院に勤務し、抗がん剤治療を受ける患者さまや、緩和ケアを受ける患者さまに対して看護実践を積んできました。

現在は、ご自宅で生活されているがん患者さまの療養生活をサポートするためのICTを活用したテレナーシング(遠隔看護)について、研究を進めています。

 

今回は高知県で開催された「日本がん看護学会学術集会」に参加してきました。

日本全国からがん看護に関心のある看護職が一堂に会する、とても大きな学会です。

16時に浜松駅を出発し、陸路で高知駅に到着したのは22時と約6時間の長旅でした。

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高知県はアンパンマンの作家であるやなせたかし先生の地元とのことで、アンパンマン電車が走っているほか(夜中でしたがとても目立ちます)

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町のいたるところにアンパンマンと仲間たちの石像がありました。

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駅前には武市半平太(左)、坂本龍馬(中)、中岡慎太郎(右)の3人の像があります。

高知県に来たことを強く感じられます。

曇り空がとても残念でした。

 

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さて、土日に開催された学術集会は高知市内4つの会場に分かれており、それぞれの会場で研究発表やシンポジウム、パネルディスカッションが行われました。

各会場を移動する際はシャトルバスが運行されていましたが、多くの参加者が同じ時間帯にバスに乗ろうとするためとても長い行列です。

バスの待機時間には、大学時代の同級生(十数年ぶり・・・)や、以前勤務していた病院の看護師さんなどと再会し、久々の再会を喜び合いました。

(宿泊先と会場で本学の教え子とばったり会ったこともとても嬉しかったです)

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ある会場では高知県のマスコット『くろしおくん』(左)と『カツオにゃんこ』(右)が出迎えてくれました。

がん看護に関する最新情報や、研究の動向をしっかりと収集してくるぞ!というやる気が湧いてきます。

 

今回の学術集会では、私の研究は現在進行中のため発表はありませんでしたが、今話題の免疫療法に関する教育セミナーや、超高齢社会における意思決定支援のシンポジウム、がん放射線治療についてのパネルディスカッションなどに参加し、最新の知見を得るとともに、演者の先生方のパワフルな発表に大きな刺激を受けて帰ってきました。

 

現在取り組んでいる研究には、在宅療養生活に移行するがん患者さま、ご家族の皆さま、研究協力施設の医師、看護師の皆さまから多大なるご協力をいただいております。

次回の学術集会ではこれまでの研究成果を発表するとともに、臨床看護実践や患者さまの安寧な生活に少しでも還元できるよう、今後も研究を継続していきたいと思います。

 

 

(文責 井上)

2016年9月30日 (金)

2016年10月 いよいよ始まる領域別実習!!  3年生はセルフトレーニングを頑張っています!

9月のある昼下がり、成人看護実習室はセルフトレーニングをする学生でいっぱいでした。

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これは何音? 捻髪音? 笛音? しっかりと聴取できましたか?

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弾性包帯はDVT予防のために大事。「きつくないですか?」の声掛けや確認を忘れずに。

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寝衣のしわは褥瘡の原因の一つ、しっかり整えましょう。

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「手浴」「清拭」もお湯の温度は確認して、患者さんの安全を最優先に考えて実践しましょう。 みなさんの頑張りが実習での大きな学びにつながっていくことでしょう。 いよいよ実習が始まります。体調管理をしてがんばってくださいね!




2016年7月22日 (金)

統合実習(慢性看護学)に向けた学内演習の紹介

 今日は、4年次に行われる「統合実習」に向けた成人看護学(慢性看護学)領域で行った学内演習の様子をご紹介します。

 統合実習は、これまでの臨地実習での学びを総括し、自分の力量を理解しながら、より主体的に取り組むことが求められる実習です。特に、複数の患者さんを受け持ち、優先順位を考えて行動計画を立案し、チームの一員として行動するなど「専門職業人として働く」ことを意識した内容・方法で進められます。

 数多くの実習を乗り越えてきた4年生ですが、統合実習では、これまでと異なり、複数の患者さんを受け持ちますので、各患者さんに必要なケアや処置は何か?何が優先されるのか?どの順序で計画するのか?それはなぜか?と頭を悩ませることでしょう。

  そのため、成人看護学(慢性看護学)領域では、4年生が実習に適応し、手ごたえを得られるように、実習に先立ち、「脳血管疾患や糖尿病などの慢性疾患をもつ二人の患者さん(仮)を同時に受け持ち、行動計画を立てて看護援助を行う」という模擬演習を行いました。

  演習前に、4年生は、患者さん(Aさん、Bさん)の事例を読み込み、二人へのケア・処置を組み込んだ1日の行動計画を立ててきました。

 午前の演習では、まず6名ずつのグループに分かれ、さらに3名ずつの小グループで、自分たちが立ててきた行動計画を見直すところから開始しました。

 『AさんへのケアとBさんの処置が同じ時間帯に被っているけれど、それは可能だろうか』、『なぜこの処置を優先するのか?』、『準備をいつ、どのくらいの時間で行うのか?』3名は頭と知恵を寄せ合い、1つの行動計画へと修正しました。

  午後の演習では、6名のグループで、看護師役、患者さん役を設定し、行動計画に沿って看護援助を実施しました。3名ずつの小グループが実施し、それを別の3名がオブザーバーとして観察する形式で行いました。

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 看護師役の学生が、Aさんの痰の貯留具合をアセスメントし、口腔・鼻腔吸引を行っています。それをオブザーバー役の学生が、真剣に観察しています。思わずBさん役の学生までもが見入っています。

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 看護師役の学生が、Aさんの処置に集中しているその裏で、Bさん役の学生と教員が、看護師役の学生の混乱を誘うかのような、お手洗いコールを画策しています。これは、対応すべき状態が同時に生じた場合の判断と行動のトレーニングのためです。

 看護師役は、最初は慌てましたが、その後、Bさんのお手洗いを無事に介助できました。

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 看護援助が終わった後に、グループで振り返りを行いました。看護師役、患者役、オブザーバー役の学生が、それぞれの立場から意見を述べ合いました。

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 看護師役の学生に対し、皆が『こうするとよいと思う』などポジティブに助言したり、できていたことを伝えたりしていました。その人の力を引き出しながら対象を看る看護学生ならではの、やさしさと相手を尊重する姿勢が窺えました。

 真摯に、しかし楽しそうに振り返る様子に、教員も一安心です。

 最後の実習で、存分に力を発揮できますように。頑張ってください。

 

成人看護学(慢性看護学)領域  樺澤三奈子