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2021年7月

2021年7月29日 (木)

小児看護援助論Ⅱ:小児看護の技術演習

臨地看護学実習においては、学生さんが看護過程を展開して小児看護技術を実施します。看護基礎教育課程における小児看護学の教育の現状として、多くの学生さんは子どもと接する経験が少なく、子どもを苦手とすることがあります。

 

臨地看護学実習の環境では、小児病棟の縮小化や閉鎖、子どもの病気の重症化・複雑化が進んでいます。子どもの特徴は成長・発達段階にあり、成長・発達の途上であることが最大の特徴となります。

 

子どもをあまり得意としない学生さん達が、子どもに興味をもち特徴を理解し小児看護を学修することが必要となっています。そのため、小児看護援助論Ⅱでは、臨地看護学実習にむけて小児モデル人形、バイタルサインシミュレーター/看護実習モデル人形を活用して、小児看護技術の基本を学びます。

 

2021年7月27日は、小児看護援助論Ⅱの授業で、学生さんたち皆さんが実施できるよう少人数グループ制にして技術演習をおこないました。実習室は換気をし、消毒を徹底して実施しています。

 

1.身体計測

2人でペアになり、身長・体重・頭囲・胸囲を計測する。                          

2.清潔・臀部浴

2人でペアになり、臀部浴(子どもの下半身のみの沐浴)を行う。

3.観察(バイタルサイン測定)                         

2~3人でグループになり、新生児の観察・バイタルサインの測定を行う。

 

身体計測の方法について説明を受けます。

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実際にペアで計測準備です。

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2人で清潔ケア(臀部浴)の準備をします。

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新生児のバイタルサインシミュレーター(人形)で観察とバイタルサイン測定を実施します。Vs210727003_2

小児看護学領域においては、学生さんたちへの小児看護実践力の習得にむけて、より効果的な学修を検討しながら授業を進めています。

授業担当教員のコメント

(小児看護学領域  宮谷 恵)

昨年度はコロナのためこの演習が実施できませんでしたが、今年度は実施できて本当によかったです。「眠っている赤ちゃんを起こさずに、正確に観察・バイタルサイン測定する方法をマスターすること」を目標に演習を行いました。講義で学んだことを確認しながら、みんな真剣に取り組んでいました。小児看護学実習ではこの演習を思い出して、ちゃんとできることを期待しています。

 

(小児看護学領域 小出 扶美子)

今回はモデル人形で身体計測の演習を行ってもらいました。実際の子どもは怖がってないたり、その場から逃れようと動きます。どんな事故に注意しながら実施していくのか、少しでも子どもが安心できるようにするのはどうしたらよいかを考えてもらいながら演習できたと思います。

秋セメスターからの小児看護学実習でお会いできるのを楽しみにしています。

 

(小児看護学領域 山本 智子)

学生さんにとっては、赤ちゃんの臀部浴を実施するのはおそらく、初めての経験だったと思います。「どっちの手で抱っこしたら良いかな?」「オムツってどっちが前?」「服が濡れちゃった・・・」などという言葉が聞かれ、ほっこりした気持ちで演習を見守りました。学生さん同士で協力しあい、無事に臀部浴が実施できました!秋から、小児看護学実習が本格的にスタートします。今回の演習での経験を活かしてください。

 

(写真の撮影と使用については学生に使用目的を説明し、承諾を得て掲載させていただきました)

 

文責 小児看護学領域 市江和子

 

2021年7月27日 (火)

統合実習(在宅看護学領域)学内発表会

在宅看護学領域を選択した4年次生11名が、統合実習を実施しました。

統合実習は、4年次生最後の実習として学生が希望した領域で実習をします。

 

浜松市リハビリテーション病院4名、北斗わかば病院4名、訪問看護ステーション(住吉1名、高丘1名、三方原1名)に分かれて実習をしました。

 

◆病院から在宅移行への退院支援について考えたグループ

◆退院後の独居生活への介護体制を考えたグループ

訪問看護ステーションでは、介護者の方に、家族介護についてお話をお伺いし、スタッフカンファレンスで学生の学びを発表する機会をいただき、スタッフさんからご意見をいただくという経験もできました。

ALSの方に活用していただく文字盤も作成しました。

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下の写真は、この統合実習について学生から教員も評価を得ているところです。

教員の関わりは熱意があったのか、わかりやすい説明であったのか等々、

学生はスマホを使用して入力しています(匿名です)。

 

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地域の皆様、本学学生の実習をお受けくださいましてありがとうございました。

学生の皆さん、卒業めざして秋セメスターも頑張りましょう。

 

文責 在宅看護学領域 山村

 

2021年7月15日 (木)

大学院看護学研究科公開講座を対面と遠隔を併用して開催しました。

2021年7月10日(土)、看護学研究科の公開講座を開催しました。

 

看護学研究科の公開講座は、4年連続して開催をしています。2021年度、2020年度と同様にCOVID-19 の感染がなかなか収束しない現状がありますが、感染対策を徹底して対面と遠隔を併用した開催としました。

 

臨地で看護研究に取り組もうとされる看護職の皆様には、「看護研究を進めたいがハードルが高い・・」と感じてみえるかたが多いのではないでしょうか。公開講座では看護研究に取り組むための一歩として、「看護研究の基礎」に重点をおき開講しています。

 

 

内容

講師

第1回

看護研究と研究の発展

–計画書作成から研究への取り組み-

市江和子

第2回

量的研究の進め方と調査票の作成

佐久間佐織

第3回

文献検索と文献の読み方

酒井昌子

第4回

学会発表のプレゼンテーションスキル

大山末美

 

 

 

会場の受付です。

Image1受付担当の炭谷正太郎先生です。

 

第1回 看護研究と研究計画書の作成Image2

第2回 量的研究の進め方と調査票の作成
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第3回 文献検索と文献の読み方Image4


第4回 学会発表のプレゼンテーションスキルImage5

遠隔(Zoom)での実施は、大学から離れた地域の看護職の視聴が可能で、開催方法として幅広い対象の皆様のご参加できるよい機会になっていると感じています。

大学院看護学研究科に興味のある皆様は、こちらをご覧ください。

 

次回は、「大学院進学にむけた看護職キャリア支援講座」を2021年11月27日(土)から開催します。興味のある方は、こちらをご覧ください。

以下よりお申し込みいただけます。

大学院進学にむけた看護職キャリア支援講座お申し込み

 

大学院進学にむけた看護職キャリア支援講座

 

内容

講師

第1回

看護研究と計画書の作成

市江和子

第2回

看護研究における文献検討

酒井昌子

第3回

看護研究と看護倫理

大石ふみ子

第4回

抄録作成と学会発表

大山末美

第5・6・7回

研究に関する個人ワーク(研究計画書の具体的作成等について)

希望領域の教員と日程を調整します。

 

 

文責 看護学研究科 市江和子

 

「成人看護援助論演習」看護技術演習を行いました。

看護学部3年次生「成人看護援助論演習」の看護技術演習を行いましたのでご紹介します。この演習では「輸液管理」「心電図モニター」「輸液ポンプ」「シリンジポンプ」の技術について学修しました。

 

ここは輸液管理ブースです。こちらでは、輸液を行う患者さんの観察点や状況設定場面における観察のポイントを話し合い、輸液の滴下速度の調整について、処方箋を基に実施しました。Image1

こちらは、心電図モニターのブースです。心電図モニターの装着目的やアラーム設定の必要性などを理解し、心電図波形について学修しました。モニター装着体験を一部実施しました。

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こちらは、輸液ポンプ、シリンジポンプのブースです。臨床現場でよく使用されるME機器として、輸液ポンプ・シリンジポンプの目的と適応、使用時のリスクを理解し、操作方法を確認後、実際に操作をしてみました。Image4

久しぶりにユニフォームを着て演習に取り組む学生さんの様子が新鮮でした。秋から始まる領域別実習に向け、知識・技術を習得し、準備を整えていってほしいと思います。

(写真の撮影および掲載については、学生さんの承諾をいただきました。)

文責 成人看護学領域 乾 友紀

2021年7月14日 (水)

統合実習(母性看護学領域)で、「孫育てセミナー」に参加しました

7月3日(土)、浜松市北区引佐町にある引佐多目的研修センターで開催された「孫育てセミナー」に統合実習の4年次生4名がスタッフとして、受付や絵本の紹介、本音トークに参加しました。

朝から雨模様でしたが、移動する時間帯には晴れ間がのぞき、お子さん連れのママ達が参加しやすいように天も優しさを発揮していました。当日は、ママ世代、シニア世代共に3名ずつの参加がみられ、総勢14名というアットホームな雰囲気の中で実施されました。 

 

引佐の孫育てセミナーは、子育て支援ひろば事業の一環としておこわれており、パパ・ママと一緒に子育てをしてくださるシニア世代の方を応援し、今年で10年になります。  

セミナーの内容は参加者のニーズに合わせて少しずつ変化していますが、子育て中のママ・パパ達への関わり方、今の子育てとシニア世代がおこなってきた子育てとの違い(育児の世代間ギャップ)等、今どきの子育てに関わる新しい情報をシニア世代に提供しています。

特にセミナー後半に参加者全員で行う“本音トーク”は “聴きたいことが聴ける”とママ世代からもシニア世代からも好評を得ています。

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“ミニ講座”:助産師から、産後のママ達の心身の変化や両世代から「よくある質問」についてのお話を聴いています。 また、言語聴覚士の「豊かな心を育むためにお子さん(お孫さん)にはいっぱい話しかけてくださいね」という言葉に力強くうなずいて、応えていました。

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読み聞かせ絵本の紹介です。(学生担当)

学生の「かえるさんが・・・・ぴよ~ん」の声に合わせ、ママとお子さんも一緒になって「ぴよ~ん!」 (みんな真剣に聴いて、一緒になって声を出しています。)

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本音トーク💛 みんなで話そう!

普段、聴けないことをお互いに質問したり、答えたり・・・。いろいろ聴いちゃおう・話しちゃおう!

 

・手作りのお惣菜はもらって嬉しいもの?

・お孫ちゃんのために何かしてあげたいけれど、何をしてあげたらママは嬉しい? 

・コロナで帰省できないと思うけれど、じいじ・ばあばにはどうやって連絡している? 

・写真や動画は送ってる? 顔を見たいから、「写真を送って」って、言ってもいい? 等・・・。

お嫁さんの立場、娘としての立場、実母、義母の立場でそれぞれ本音を語り合い、あっという間に2時間が過ぎていきました。 

コミュニケーションを良く取って、お互いの思いを知ることが大切で、子育てはいろいろな人達の協力があってのことだということ等、多くのことが学べました。

(写真の撮影と使用については参加者の方の承諾を得て掲載させていただきました)

文責:母性看護学 神﨑江利子

2021年7月 8日 (木)

聖隷クリストファー大学の精神について問いかけます 2 聖隷クリストファー大学看護学部に入ったときのゴールはどこですか? -看護は目的か?愛の手段か?-

みなさんこんにちは。みなさんが高校生の場合、このブログをご覧になっている、ということは将来的には看護学部や看護専門学校を視野に入れているのかと思われます。

さて我が聖隷クリストファー大学ができた当時は、日本で本学含め看護学部は12しかありませんでした。それが今や270を超えています。専門学校を入れたらもっと多いですよね。

それでは、今270もある看護学部と本学部では何が違うのでしょうか。本学の看護学部に入ったときの最終目的地はどこなのでしょうか?前回のブログ記事では、ケア者としての成長プロセスを挙げて「苦しみながらも自分の弱さを自覚し、受け入れて階段を下りていく作業を「愛」と言う」と説明しました。

それでは聖隷クリストファー大学は「愛」を勉強して「看護師になること」でしょうか。つまり看護が目的・ゴールでしょうか。それとも「看護」を学んで「愛するという人生を実践すること」でしょうか。つまり愛が目的・ゴールでしょうか。

どちらをめざすかは、2番目に説明した実生活の中で愛することを実践できる。これが本学の目的です。看護は愛を表現・実践するための手段です。自分という弱い人間、奇しくも病気を患い弱くなってしまった人と同じ地平に立つ(愛)ために看護を用いるのです。

 

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本学には看護学部・社会福祉学部・リハビリテーション学部とありますが、人間を愛する具体的手段には看護という方法もあるし、社会福祉という方法もあるし、リハビリテーションという方法もある。という意味です。

これまで、「愛」という用語を使ったように本学は、キリスト教精神に基づいた大学です。しかし、これはキリスト教を強制するものではありませんし、著者もクリスチャンではありません。むしろ、宗教の多様性を学ぶということは、人間の多様性を知るという意味において看護の素養につながるものです。簡単に言えば、自分の理解が及ばない、いろんな生き方・考え方(これを異文化といいます)があっていいのだ、という人間の寛容が高まります。

 

精神看護学 清水隆裕