小児看護援助論Ⅱ:小児看護の技術演習
臨地看護学実習においては、学生さんが看護過程を展開して小児看護技術を実施します。看護基礎教育課程における小児看護学の教育の現状として、多くの学生さんは子どもと接する経験が少なく、子どもを苦手とすることがあります。
臨地看護学実習の環境では、小児病棟の縮小化や閉鎖、子どもの病気の重症化・複雑化が進んでいます。子どもの特徴は成長・発達段階にあり、成長・発達の途上であることが最大の特徴となります。
子どもをあまり得意としない学生さん達が、子どもに興味をもち特徴を理解し小児看護を学修することが必要となっています。そのため、小児看護援助論Ⅱでは、臨地看護学実習にむけて小児モデル人形、バイタルサインシミュレーター/看護実習モデル人形を活用して、小児看護技術の基本を学びます。
2021年7月27日は、小児看護援助論Ⅱの授業で、学生さんたち皆さんが実施できるよう少人数グループ制にして技術演習をおこないました。実習室は換気をし、消毒を徹底して実施しています。
1.身体計測
2人でペアになり、身長・体重・頭囲・胸囲を計測する。
2.清潔・臀部浴
2人でペアになり、臀部浴(子どもの下半身のみの沐浴)を行う。
3.観察(バイタルサイン測定)
2~3人でグループになり、新生児の観察・バイタルサインの測定を行う。
身体計測の方法について説明を受けます。
実際にペアで計測準備です。
2人で清潔ケア(臀部浴)の準備をします。
新生児のバイタルサインシミュレーター(人形)で観察とバイタルサイン測定を実施します。
小児看護学領域においては、学生さんたちへの小児看護実践力の習得にむけて、より効果的な学修を検討しながら授業を進めています。
授業担当教員のコメント
(小児看護学領域 宮谷 恵)
昨年度はコロナのためこの演習が実施できませんでしたが、今年度は実施できて本当によかったです。「眠っている赤ちゃんを起こさずに、正確に観察・バイタルサイン測定する方法をマスターすること」を目標に演習を行いました。講義で学んだことを確認しながら、みんな真剣に取り組んでいました。小児看護学実習ではこの演習を思い出して、ちゃんとできることを期待しています。
(小児看護学領域 小出 扶美子)
今回はモデル人形で身体計測の演習を行ってもらいました。実際の子どもは怖がってないたり、その場から逃れようと動きます。どんな事故に注意しながら実施していくのか、少しでも子どもが安心できるようにするのはどうしたらよいかを考えてもらいながら演習できたと思います。
秋セメスターからの小児看護学実習でお会いできるのを楽しみにしています。
(小児看護学領域 山本 智子)
学生さんにとっては、赤ちゃんの臀部浴を実施するのはおそらく、初めての経験だったと思います。「どっちの手で抱っこしたら良いかな?」「オムツってどっちが前?」「服が濡れちゃった・・・」などという言葉が聞かれ、ほっこりした気持ちで演習を見守りました。学生さん同士で協力しあい、無事に臀部浴が実施できました!秋から、小児看護学実習が本格的にスタートします。今回の演習での経験を活かしてください。
(写真の撮影と使用については学生に使用目的を説明し、承諾を得て掲載させていただきました)
文責 小児看護学領域 市江和子