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2020年7月

2020年7月22日 (水)

大学院看護学研究科公開講座を対面と遠隔を併用して開催しました。

2020年7月18日(土)、看護学研究科の公開講座を開催しました。

 

看護学研究科の公開講座では、地域の実践現場である臨地で看護研究に取り組もうとされる看護職者の皆様に、「看護研究の基礎」について、「研究」に重点をおき開講することを計画しています。今年はCOVID-19 の感染拡大により、開催の可否を検討してきましたが、感染対策として、ソーシャルディタンス、除菌シートによる清掃、換気を徹底することで対面と遠隔を併用した開催としました。

 

第1回:看護研究と研究計画書の作成       市江和子教授

第2回:量的研究の進め方と調査票の作成     佐久間佐織准教授

第3回:文献検索と文献の読み方         酒井昌子教授

 Image1会場の受付です。

Photo受付担当の小平先生、野崎先生です。

Image4感染対策のため、ソーシャルディタンスをとるよう、大教室で開催しています。

 

看護研究と研究計画書の作成

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量的研究の進め方と調査票の作成

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文献検索と文献の読み方

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遠隔(Zoom)では大学から離れた地域の看護職の視聴も可能であり、多くの皆様が参加くださいました。

 

皆様の感想は、会場では直接記入で受け取り、遠隔の受講の方はWEB回答になっています。内容を丁寧にまとめ、今後の大学の地域貢献活動につなげたいと思っています。

ご参加、本当にありがとうございます。

以下のような感想をいただきました。

・具体的に書籍の紹介があり、今後の自己学習に役立つ内容で参加してよかった

・計画書がまとまらなかったが、内容ができ、資料まで配布があってとても良かった

・量的研究を行う予定で、アンケート作成方法など分かりやすくて良かった。今後にいかせると思う。

・調査票の具体的作成方法と注意事項について理解しやすく、今後、行っていくイメージをしながら聴くことができた

・検索データベースの種類などがわかり、とても良かった。とにかく、多くの文献を集めることから始めたいと思う。読み込むことが大事であることがわかった。

・今まで文献検討が効果的にできず、多くの時間を使って苦手意識があった。講義の効果的な検索と管理で、研究、学習を深めていけると実感した

 

大学院看護学研究科に興味のある皆様は、ホームページをご覧ください。→研究科ホームページへ

 

次回は、「大学院進学にむけた看護職キャリア支援講座」を2020年11月14日(土)から開催します。興味のある方は、ぜひ、大学ホームページをご覧ください。

大学院進学にむけた看護職キャリア支援講座

 日時

内容

講師

2020年11月14日

9時30分~11時

第1回:看護研究と計画書の作成

市江和子教授

 

2020年11月14日

11時10分~12時30分

第2回:看護研究における文献検討

酒井昌子教授

2020年11月14日

13時30分~15時

第3回: 看護研究と看護倫理

大石ふみ子教授

受講者と日程調整

第4・5回:研究に関するグループワーク

(研究計画書の具体的作成等について)

参加者の関係領域教員

受講者と日程調整

第6回:各看護学領域教員の取り組む研究

トピックス(個別ワーク)

参加者の関係領域教員

 

(写真の撮影と使用については受講生の皆様の承諾を得て掲載させていただきました)

文責 市江和子

2020年7月17日 (金)

このたびの令和2年7月豪雨で被災された方々へ、心よりお見舞いを申し上げます。
オンライン授業期間中に「アマビエ」のイラストを募集しました

SNS上で海外から逆輸入された形でブームとなった「アマビエ」の由来は、日本に伝わる妖怪で、江戸時代後期の弘化3(1846)年4月中旬に製作された瓦版に絵と文が書かれています。

Image1_2所蔵:京都大学附属図書館 Main Library,参考資料(84コマ目「肥後国海中の怪(アマビエの図)」):湯本豪一編『明治妖怪新聞』柏書房,1999.

 

改行の位置は原文のまま、横書きで表すと、、、

「肥後国海中江毎夜光物出ル 所之役人行

見るニ づの如之者現ス 私ハ海中ニ住アマビヱト申

者也 當年より六ヶ年之間 諸国豊作也 併

病流行 早々私ヲ写シ人々ニ見セ候得と

申て海中へ入けり 右ハ写シ役人より江戸江

申来ル写也

     弘化三年四月中旬」

現代語訳では、「肥後国(現在の熊本県)で夜毎に海中から光るものが出現したため、役人が見に行くと、『私は海中に住むアマビエと申すもの。今年から6年間は豊作が続く。しかし、同時に疫病が流行するから、私の姿を書き写した絵を人々に早々に見せよ。』と予言し、海中に帰って行った。」とあります。アマビエについての記載は、この1つのみであるにもかかわらず、瓦版は遠く江戸まで伝わり、疫病に苦しむ人々の願いが込められ、いわゆるブームになったそうです。

 

アマビエの特徴

①金色の長髪、②クチバシ、③体にウロコ、④3本の足ひれが特徴です。ワタクシが瓦版の画像を観て驚いたのは、カタカナ表記で「アマビエ」と書かれたネーミングと絵の斬新さでした。怖さよりも希望を感じさせる予言、温かさと親しみやすさ、色さえイメージさせるような(ぬり絵にしたくなる)描写です。そして、所蔵印には“昭和17年”、つまり、いくつもの時代を経て戦時中にこのような資料が保管されたと知ると、感慨深いものがあります。

今回のアマビエのイラストブームについて、ウィキペディアによれば、2020年2月、妖怪掛け軸専門店が解説とともにTwitterに投稿するやいなや、3月に入るとSNSでイラスト素材や関連商品が急激に増えたそうです。ついには、4月に厚生労働省が新型コロナウイルス感染症拡大阻止を若者に呼びかけるアイコンとして採用しました。

Image2_3(転載:厚生労働省ホームページより)

 

私がアマビエを知ったきっかけ

2020年4月19日(日)放送のNHK Eテレ「日曜美術館」で『疫病をこえて 人は何を描いてきたか』“人間はどのように疫病と向き合い、乗り越えてきたかを探る”をテーマに西洋・日本の美術史から解説されました。番組ではヤマザキマリさんがイタリアの知人を想いながら、ルネサンス風に描いた美しいアマビエの絵も紹介されました。ヤマザキさんのWebサイトにも掲載されています。妖怪といえば、この方、水木しげるさんが1984年の発刊「妖怪図鑑」のために1枚画を描いておられます。無断転用を避けたいので、ご興味のある方は、是非、どちらも検索してみてください。

 

助産学専攻科の新入生に募集した「アマビエ」イラストのご紹介

4月末。学生たちは入学後から本当に我慢の1か月でした。近いうちに学生たちが登校して仲間と学び合える日を願いつつ、ワタクシ、オンライン授業時間後に「アマビエ」のイラストを募集しました!

アマビエのイメージとして、坂崎千春さん(イラストレーター・絵本作家で代表作にJR東日本「Suicaペンギン」,千葉県のマスコット「チーバくん」,車のCMキャラクター「カクカク・シカジカ」など多数)のイラストをオンライン会議システムアプリの画面で見せながら、言い伝えを話しました。実のところ、反応は少ないだろうと思っていました。ましてや、ブログ掲載までは考えていませんでした。なぜなら、新入生とはまだWeb上での連絡や配布資料と提出物の受け渡し、オンライン会議システム画面を通した授業のみの関係だったからです。学生たちはインターネット環境を準備しながら複数の講師からの課題に取り組まなければならない状況でした。いや、だからこそ、「絵の上手い、下手は関係なし。気分を変えるつもりで描いてみませんか。」と呼びかけました。すると、まもなく、4人が自作のイラストを携帯やメール添付で送ってきてくれました。とても、うれしいことでした。そして、4月末~5月初め当時、学生の気持ちがひしひしと伝わってくる作品でした。

今、豪雨災害と再度のCOVID-19感染拡大が懸念されています。ブログの件を打診すると、快諾してくれましたので、一言メッセージもお願いしました。

Image3_2長谷川さん“イラストを見た方がコロナにならないことを願っています!”

 

Image4内野さん“健康で楽しい学生生活を送れますように。”

 

Image5大村さん“早くコロナがなくなり世界中の人たちが元気になれるようにと思いながら描きました。”

Image6聖隷クリ子さん“コロナ退散!!!”

 

助産学専攻科の学生たちは、その後、在宅でオンライン授業→半日登校で対面+半日在宅でオンラインのハイブリッド授業→分散して実習室で技術演習→通常登校→初めての分娩介助実習→地域での助産学実習の順に学修を進めてきました。仲間と一緒に学べること、周囲の方々からの励ましに感謝し、助産師になることを目指して意欲的に学んでいます。 

2020年7月15日 (水)

コロナ禍における、学校保健を考える
統合実習:地域看護学・学校保健領域

現在、看護学部では、4年次生が統合実習を行っています。

新型コロナウイルス感染症の影響により、地域看護学の学校保健領域では、残念ながら例年の実習先での実習は断念せざるを得ない状況になってしまいました。しかし、「特別な支援や教育が必要な子どもたちの理解」という学校保健領域の学習到達目標は変更せず、様々な学習内容を取り入れました。

まず、一つ目には、児童発達心理士の前堀告予先生による講義と演習です。内容は、「障害理解」と「応用行動分析 基本編」、「読み書きと言葉の力をのばす:MIMの指導法」についてでした。発達の緩やかな子どもたちにどのような働きかけを行うことが、子どもの心身の発達を促し、自立につなげることができるかについて、障害特性に応じた関わりへの理解を深めました。

学生たちは、演習で「障害をもつ」ことの疑似体験も行いました。子どもの困り感を実際に肌で感じる体験は、学生の新たな「気づき」となったようです。

Image1また、今週14日には「養護概説」の講義にも1コマ参加しました。2・3年次生の養護教諭課程履修生に交じっての聴講でしたが、この日の講義は、女子栄養大学の名誉教授である三木とみ子先生によるZoomの遠隔授業でした。三木先生は、時代が変化しても変わらない養護教諭の「職務役割」と、時代とともに変化していく養護教諭の「機能役割」について、またその重要性についての貴重なお話をしてくださいました。その中で、学校という場所で「養護教諭」だからこそできる「健康相談」の重要性に、学生たちは熱心に耳を傾けていました。特に、コロナ禍における子どもの心の問題について触れ、今、学校現場では高い専門性をもった養護教諭が求められていることも説明をしてくださいました。三木先生の熱のこもった養護教諭の魅力についての講義は、学生の心に響いていたようでした。

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実習中の学生たちはこの2週間を通して、「発達障害を抱える子どものコロナ禍における事例検討」に取り組んでいます。

2週目に入り、学校におけるヘルスアセスメントを基に抽出された看護上・教育上の問題について、看護的・教育的支援方法や計画を考えている最中です。17日には障害のある子どもをもつ保護者の座談会に参加し、親の気持ちや保護者への対応について理解を深めることにしています。前堀先生や三木先生の貴重な講義を聞き、また保護者からの生の声を通してさらに具体的な支援方法を見出していってくれることを期待しています。

 

看護学部 津田聡子