« 2017年9月 | メイン | 2017年11月 »

2017年10月

2017年10月31日 (火)

母性看護学実習が始まりました

10月16日より、母性看護学実習が始まりました。Photo_10母性看護学実習は2週間にわたり、妊娠期の看護、分娩期の看護、産褥期の看護、新生児期の看護などについて、病院や子育て支援ひろばで学びます。

実習初日は、午前中にオリエンテーション、午後は母子看護実習室にて、今年度に導入した早産児シミュレータを使用し、ハイリスク新生児の看護、正常新生児の看護について学びました。今回は、その一部をご紹介いたします。

既に本学HPのニュースで早産児シミュレータについてご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、これはLaerdal社製で今年日米同時発売したものです。国内では医学部・看護学部を通して本学が初めての導入です。Photo_3実習施設のNICUに勤務されている新生児集中ケア認定看護師の方(臨床指導教員)にも来学していただき、臨床現場を再現しました。Photo_4 シミュレータとわかっていても、緊張しながら近寄って観察する実習生たちです。その表情はとても真剣でした。Photo_7 観察後はグループディスカッションをし、グループごとに出された意見を記述し、発表しました。Photo_6 実習生は、臨床指導教員の早産児の特徴、保育器の環境、看護などについての説明を熱心に聞いていました。

シミュレーション演習後の実習生は、正確にバイタルサインを測定するということだけでなく、測定して得られた値に加えて、観察した事柄など様々な情報を関連させ、考え、統合し、看護を実践していくことを実感した様子でした。Photo_8

                (母性看護学領域 村松)

2017年10月24日 (火)

“糖尿病の看護”についての演習の紹介

慢性看護学実習は、慢性疾患を抱える患者と家族を総合的に理解して必要な看護について学ぶ実習です。3,4年次に行う3週間の実習に向けて、「慢性疾患にかかわる検査・治療について」の理解を深めるために“糖尿病の看護”についての演習を行っています。

慢性疾患として患者数の増加がみられる糖尿病において、インスリン治療は最も確実に血糖値を下げる方法です。早くからインスリン注射を使用して膵臓を休ませることが糖尿病の長期管理に効果的であるため、糖尿病患者の1割強がインスリンの自己注射を自宅や職場で行いながら生活しています。

現在は扱いの簡便さから、ペン型の使い捨てタイプのインスリン注射が主流です。患者にインスリン自己注射の方法を指導するため、学生も実際に使われている器具(と同型の練習用器具)を用いて、演習を行います。針を用いるので、表情も真剣です。

1

 

 インスリンの注射は、大腿上側部や腹部の皮下に行います。演習では腹部に手作りのバンドを巻いて、そこに注射します。注射部位の皮膚を消毒して、針が垂直になるように刺します。注入ボタンを押し、そのまま6~10秒待ち、アルコール綿で抑えながら針を抜きます。 すぐに抜くと皮下から薬液が出てしまう可能性があるからです。

Photo

 

また、インスリンは劇薬ですので、自宅での保管方法や、針の片づけ方についても学習します。使用済み針は血液で汚染された医療廃棄物なので、家庭ごみとは別にして、蓋のついた缶などに入れて、受診の際に医療機関に持参してもらい処分します。

 

また血糖自己測定(SMBG;Self Monitoring of Blood Glucose)についても学習します。血糖値は食事・運動・ストレスによって1日の中で変動します。インスリン注射を行っている場合、低血糖は生命に関わる合併症です。糖尿病患者は、自分で血糖測定を行うことで、血糖変化に関心が高まり、糖尿病と付き合う生活においての具体的な目安が得られます。

血糖自己測定も簡易式の測定器が進歩して、小型で操作も簡単であり、微量な血液量で測定ができるようになっています。指先を消毒した後、専用の細い針を用いて穿刺し、直径2~3mmほど血液を出します。そこにセンサーの先端を触れさせると、血液は自動的に吸引されて測定できます。

Photo_2

 

ピッと鳴って血糖値が表示されます

Photo_3

 

自己血糖測定、思っていたより痛くなかった。初めての測定で緊張したけれど、測定値も、82 mg/dLと基準内で一安心。実際に血糖自己測定やインスリン注射を体験することで、糖尿病患者が自己管理を続ける努力が理解できましたね。

Photo_4

 

慢性疾患は完全に治癒することがないため、疾患や治療によって日常生活を制限するのでなく、生活の中に治療を上手に取り入れて、生涯病気と付き合いながら、その人が望む生活が送れるように、寄り添うことが看護師の役割です。

2017年10月18日 (水)

【看護4年】災害看護論の演習がありました!

静岡県では「東海地震」の備えのために、かなり昔から(私が子供の時から…)、
防災訓練が定期的に行われています。

そういった災害がいざ起こったときに、私たちは医療従事者として、
どのような行動ができるか…、どのような行動をとるべきなのか…?

私がクリストファーの学生だった時、当時の大学の基礎の先生から、
「東海地震が来て、近くの病院だけで患者さんの対応ができないときは、
大学の演習室のベッドを開放して、患者さんを受け入れます。
あなたたちは、看護師(見習い)として、そういった時でも、
きちんと患者さんたちの役に立てるように、
学生のうちから真剣に看護を学んでいく必要があります」
と言われたことがあります。
とても身が引き締まる思いで、今でも、その先生のお話を覚えています。

と、前置きが長くなりましたが…。

10月2日月曜日、3日火曜日と二日に分けて、看護学部4年生の選択科目である
「災害看護論」の演習が体育館で行われました。
初日には、瓦礫に挟まれた人を救助したり、歩行困難な人を担架で運ぶ「救護」の訓練、そして、救護所に運ばれてきた人たちの救命度を確認する「トリアージ」の訓練、最後に「トリアージ」後の患者さんの「応急手当」の訓練を実施しました。

Photo

Photo_2

2日目には、「救護」グループ、「トリアージ」グループ、「応急手当」グループ、そして「被災した患者さん」に役割を分担して、大きな災害を想定した一連の流れのシミュレーションを行いました。

「被災した患者さん」役の学生さんは、特殊メイクを施し、実際に怪我をしているような状況をシミュレーションします。(机の上に横たわっている子供はお人形です。)

Photo_3

シミュレーションの開始の前に入念な打ち合わせがありました。
それぞれの役割をきちんと認識して行動できるように、
科目担当の松井先生より説明がありました。

Photo_4

いよいよシミュレーションがスタートです!

駆け付けた「救護」グループが、災害現場の状況を確認しながら、
救護を開始しています。

Photo_6

瓦礫(を想定した体操のマット)に挟まれた人、頭に怪我をした人…。それぞれを的確に救護所へ搬送していきます。

Photo_7

救護所では、搬送された人に対して、救命度を確認する「トリアージ」が

すでに開始されていました。みなさん、動きが迅速です。

Photo_8

Photo_9


トリアージが行われた患者さんに対して、そのトリアージの救命度に応じて、
再び救護グループが搬送を開始しました。

Photo_10


応急手当ができる安全な場所に移り、患者さんは適切な処置が行われます。

Photo_11


続々と患者さんは搬送されてきますが、みなさん、冷静にテキパキと行動できていました!

Photo_12

災害のシミュレーションの一連の流れを無事に終了することができました。
この演習で体験したことは、実際の現場できっと役に立つと思います。
もちろん、大きな災害が起きないことが一番よいのですが、「その時」は
本当にいつ来るのかは誰にもわかりません。
常日頃の心構えや訓練が大切かと思います。

演習に参加された学生に皆さん、本当にお疲れ様でした!

Photo_13

(成人看護学領域 小池武嗣)

2017年10月17日 (火)

地域のご恩を、地域にお返しする

こんにちは。大学の中庭も少しずつ秋めいてきました。

今回は、9月に行った保健師実習の様子をご紹介します。

遠方での実習でしたが、3人とも毎日、とても元気。

好奇心やチャレンジ精神も旺盛です。

この日は、実習施設の職員さんからドッキリが。

「山にマムシがいるんだよ。干しマムシ、食べてみる?」1_4
学生①「せ、せっかくですので…」(ドキドキ)
2_4
学生②「これがマムシの味…」
3_3
このように、指導者さんや職員さん、住民さんが何かと学生を気にかけ、

るく声をかけてくださいます。

 おかげさまで、準備に苦労した健康講話も堂々とやり遂げられました。

親切にしてくださった住民のみなさんに、元気で長生きしてほしい。

そんな真摯な思いが伝わってきます。4_4
地域で育てていただいたご恩を、地域にお返しする。

これからも、そんな循環が感じられる実習をしていきたいと思います。

天竜区のみなさん、ありがとうございました!