統合実習、始まりました!
本学の看護学部4年生は、統合実習の真最中です。
統合実習とは、学生1人1人が興味のある領域を選択し、選択した看護学領域において、
既修の知識・技術を統合しながら、提供されている看護の実際を経験し、
保健・医療・福祉のネットワークの中で看護の働きについて理解を深める実習です。
簡単に言うと、大学4年間で積み上げた知識と技術を統合して、社会人になる前に、
看護師・保健師として看護実践を経験するのです。
今回は、母性看護学領域の統合実習の様子をお伝えしたいと思います。
母性看護学領域では、
・MFICU(Maternal Fetal Intensive Care Unit:母体胎児集中治療室)、
・NICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療室)
・GCU(Growing Care Unit:継続保育室、回復治療室)
・産科病棟
・助産院
で主に実習を行います。
4年生までの領域別実習とは違い、ハイリスクの母児に対する支援もするため、
正常と異常を理解した上での看護実践となり、高度な知識と技術が求められます。
様々な参考書を図書館で借り、病態の関連図を描きながら、患者さまの状態を把握します。
また、学生各々学びたいテーマに沿って患者さまを受け持たせていただき、学びを深めていきます。学生のテーマとしては、「助産院で家族を含めたケアの特徴」「出産に立ち会う兄弟への助産師の関わり」「帝王切開分娩後の看護ケア」「NICUでの同胞面会」「GCUからの在宅移行への退院支援」など様々ですが、主体的に実習内容を調整し取り組んでいました。
実際、統合実習では、2人の患者さんを受け持ち看護実践することや、医療機器を実際に扱うこと、新生児搬送に立ち会わせてもらい救急車内での看護実践を学ぶことなど、様々な経験をさせていただきました。また、長日勤といい、朝8時から夜21時まで実習を行い、夜勤の看護師に引き継ぐまでの病棟の雰囲気、申し送りの仕方なども学びました。
NICU病棟で700gの新生児を受け持った学生は、児に触れたとき手が震えたそうで、児の命を看護師の手でつないでいくことの重大さ、責任感を実際の児を通じて学んだようでした。
統合実習を終了した学生からは、「ここまで様々な医療技術について実践させてもらえるとは思わなかったので、看護師として働く前に実践でき、本当に勉強になった」、「2人を受け持つことは大変だったけど、優先順位の立て方を学ぶことができた」、「多職種連携の必要性を実感できた」、「今までの実習の中で、一番充実感があり楽しい実習だった」と達成感に満ち溢れていました。
看護師さんからも、「いい質問をしてくれたよ」「よく学んでいるね」「落ち着いて行動できているね」「関連図もよく書けているね」等、褒めていただき、学生たちも嬉しかったようです。
学生の学びを快く受け入れてくださった、病棟の課長さんやスタッフさん、患者さまやそのご家族に感謝いたします。
本当にありがとうございました。
*現在、母性看護学領域では、超低出生体重児(1000g未満で出生した児)のシミュレーターを導入し、NICUの授業や実習の事前・事後学修に生かそうとしています。その報告は、また別のブログで報告しますね。ちなみに、写真のシミュレーターの新生児は500gです(正常新生児は3,000gで出生)。