大学院の修士論文・博士論文発表会が開催されました
今回は、看護学部を卒業し、看護師になった後の将来の選択肢の1つ、「大学院」での学びについてご紹介しましょう。
本学の大学院には、看護学研究科(博士前期課程・博士後期課程)があります。
そこでは、日々の看護活動で感じた疑問や課題を解明しようと研究活動に取り組む院生や、より専門的な看護実践力を備えた専門看護師をめざす院生が、昼夜学んでいます。
そして学びの集大成として、修士論文(専門看護師をめざす場合は課題研究論文)、博士論文を作成し、毎年、論文の発表会を開いています。
今年も、2月22日、3月1日に、修士論文・課題研究論文合同発表会と博士論文発表会がそれぞれ開催されました。
発表会では、院生、教員、病院関係者など大勢の人々が訪れました。
発表後、発表者を囲んで活発なディスカッションが行われました。
皆さん、新しい看護の知識を得ようと熱心に発表を聴いています。
発表者はディスカッションで堂々と質問に答えていました。頼もしい限りです。
看護学研究科博士前期課程を修了予定の土屋 紘子さんにお話を伺いました。
この3月に看護学研究科博士前期課程を修了する、諏訪免 典子さん(左)と土屋 紘子さん(右)。
努力が実り、笑顔が晴れやかですね。
土屋さんは、修了後に臨床に戻ってさらに経験を積み、慢性疾患看護専門看護師の資格取得をめざして認定試験を受ける予定です。
※専門看護師の情報はコチラ↓
http://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cns
Q:大学院進学のきっかけは?
A:看護師として働いて5年経ち、このまま何の変わり映えもなく過ごしていくのかなとぼんやり考えていた頃、勤務病院の上司から、慢性疾患看護の専門看護師の資格取得を勧められました。これをきっかけに、患者さんのためにできることが一つでも増えれば・・・と考え進学しました。
Q:大学院で得たことは?
A:1点目は、大学院で様々な講義やディスカッションに参加する中で、目の前のことだけにとらわれるのではなく、現在の社会の状況、医療の状況、置かれている自分の病院の役割、その中での私の役割は、と長期的な広い視野で物事を考えられるようになったことです。
2点目は、患者さんの本当の気持ちを理解することが非常に難しいこと、だからこそ謙虚に目の前の人と向き合っていくしかないことに気づけたことです。
大学院で実習や研究を行う中で、患者さんとの向き合い方を何度も振り返り、何が問題だったのか考える機会がありました。私は患者さんと向き合いきれていませんでした。それは、私が患者さんに対してオープンでないことが原因でした。自分がオープンでいなければ本当の信頼関係は築けないことに気づき、自分の考え、思いを表現してみようと意識するようになりました。そこからです。患者さんの本当の気持ちに触れることが、わずかながらできるようになってきたと感じます。今まで、そんな基本的なことさえできていなかった。このタイミングで気づくことができ、これから新たな気持ちで仕事に向かうことができると思います。大学院で得られたものは一生の財産です。
これからの土屋さんのひと味違う看護実践に期待します!
皆さんが看護師になった後、このような進路もあるのですね。
志があれば道は必ず拓けます。
将来、皆さんも大学院に戻って学んでみてはいかがでしょうか。