日本看護技術学会 第12回学術集会 のご紹介
少し前になりますが、2013年9月14日(土)、15日(日)にアクトシティ浜松にて、
日本看護技術学会第12回学術集会が開催されました。
日本看護技術学会の学術集会が浜松で開催されるのは初めてのことでした。
本学基礎看護学の渡邉順子教授が会長をつとめ、聖隷三方原病院看護部長の
吉村浩美氏が副会長のもと、聖隷クリストファー大学の教員を中心に2年がかりで
企画・運営をしました。
そもそも日本看護技術学会は、『「看護技術」:Nursing Art & Scienceは、
単に手先のテクニカルなことだけではなく、目に見えない「看護(の技)」が
どのように人々の病を回復させ元気にするか』を追求しています。
今回の学術集会では、<看護の美>を強調したいと考えました。
そこで第12回学術集会のメインテーマを、
「美しく看護る(みまもる)ための心技体~技術の真価/進化をめざして~」としました。
キーセッション5題、ワークショップ5題、ランチョンセミナー1題、交流セッション9題、
一般演題総数103題からなる盛大な学術集会を開催することができました。
参加者総数は約800人に及びました。
キーセッション1(会長講演)では、美しさには計算尽くされた強さがあり、
世の中では「技」として評価されていることが多く、さらに美しい技には人々を
幸せにする力があることや、美しい技をもつナースにはより美しい心と体が
求められている現状が話されました。
さらに、いま、多くの看護師たちはさまざまな葛藤から原因不明の腰痛という
身体症状となり苦しめている現状をご報告し、身体的姿勢の改善よりも
むしろ心理社会的姿勢の改善が必要と警鐘されました。
キーセッション2(特別講演)として、「能楽」の第一人者で
「梅若会」の角当行雄氏とご子息の角当直隆氏のご協力を得て、
能楽独自の美の世界観についてご講演と実演をしていただきました。
能学独自の美の世界観と看護の接点を心ゆくまで堪能できました。
キーセッション3(教育講演)として、現在、名古屋市東部を活動拠点とする
若き医師集団の代表舩木良真先生をお招きし、60カ所の訪問看護ステーションとの
連携により新しい都市型在宅医療モデルを提唱し、医療と看護の連携技術の醍醐味を
ご講演していただきました。
また、(株)資生堂さまのご協力を得て、キーセッション4「化粧療法」を企画しました。
「化粧」は、美の追求と皮膚科学が織りなす「技」の極致であり、進化発達が
めざましい分野でもあり、美の追究だけでなく、「化粧療法」すなわち整容技術が
認知症高齢者の心と体に与える力強さを実体験できました。
キーセッション5(パネル徹底討論)として、川嶋みどり先生と
労働経済ジャーナリストの小林美希氏、そして聖隷三方原病院総看護部長の
吉村浩美氏により「病院看護の真価と進化」のテーマのもと、病院看護の真価は何か、
どの方向に向かって進化すべきかを討議していただき、会場との白熱した討論が
充実していました。
看護学部の学生さんもボランティアとして、アカデミックな刺激を受けながら、
普段、大学内では経験することができない有意義な時間を過ごしていました。