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2017年1月 4日 (水)

磐田北高校のサイエンスカフェ「チームワークに大切なもの:実験してみる」

磐田北高校に出前講義でお伺いしました。「サイエンスカフェ」ってご存じですか?

日本学術会議の定義では「サイエンスカフェとは、科学技術の分野で従来から行われている講演会、シンポジウムとは異なり、科学の専門家と一般の人々が、カフェなどの比較的小規模な場所でコーヒーを飲みながら、科学について気軽に語り合う場をつくろうという試み」(http://www.scj.go.jp/ja/event/cafe.html)と説明されています。

科学について語ると言うことの基本は、「なぜだろう」「どうしてだろう」と考え、「調べる」「考える」ことを通して何かそこにある新しい知見に「気づく」ことではないでしょうか。そこで、磐田北高校の生徒の皆さんと「チームワークに大切なもの」について科学することにしました。

「チームワーク」は看護師としてとても大切な能力であり、技術でもあります。今回は「ヘリウム・リング」というゲームを行って、チームワークについて考えてみました。

用意するもの:「ヘリウムリング」軽いサークルになっているもの

         今回は新聞紙を棒状にして3本合わせて三角形を作りました。

方法:1チーム6人で、タイムトライアルを行う。

・作戦タイム①3分間でどうしたら「ヘリウム・リング」を胸の高さから誰も指を離さずに膝の高さまで下ろせるかを考える。

5分間で一番早く膝まで下ろせたチームの勝ち。

・作戦タイム②3分間でどうしたら「ヘリウム・リング」を胸の高さから全員で指を離さずに膝の高さまで下ろせるかを、1回目の反省を活かして考える。

5分間で一番早く膝まで下ろせたチームの勝ち。

・ゲームで気づいたことについてそれぞれのチームで話し合う。

・「チームワーク」はどうすればうまくいくか、課題をみつける。

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◆まとめの時間:「分析」と「気づいたこと:考察」

5つのチームのなかで一番成績がよかったチームは、はじめの作戦タイムでチーム名がすぐに決まったチームでした。「分析」「気づいたこと」をグループで発表しました。

 ・作戦をうまく立てられませんでした。

 ・指の向きを変えたりして工夫してみました。

 ・隣の人と息づかいを合わせることが大事だと気づきました。

 ・自分が全体のなかでどんな位置にいるかを調整しながら参加しました。

 

「チームワーク」の理論の一つ「タックマンモデル」の紹介

 サイエンスカフェなので、理論について少し説明しましょう。理論というのは経験の無い場合でも、科学的に既に説明されている「理論」を使えば、経験に頼ることなく最小限の失敗で成功することができる、といわれています。タックマンモデルは「チームビルディング」の理論でチーム作りには「形成期」「混乱期」「統一期」「機能期」「散会期」の5つのフェーズがあることを説明しています。

 今回のゲームでは、はじめにチームに名前をつけてチームのメンバーと知り合い、ゲームを通して意見の食い違いなどを経験しながら目標と方法を共有し、お互いのサポートができるような過程を経験したことを説明しました。最後のまとめで自分の考えを振り返り(分析)し、どうしたらよいかを考えました。

「科学」することは、よく見て、よく考えることが大事だと気づいてもらえたので、一応「サイエンスカフェ」成功!です。

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おまけ

 最後に磐田北高校の先生に「アクティブ・ラーニングの授業でしたね」と評価を頂いたのが嬉しかったです。

(文責:森)