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2019/07/23

2018年度海外研修(中国)参加学生の声②

~施設・病院見学について~

研修中は、大学附属病院や地域健康センター、高齢者介護センターの見学をしました。

西南病院(第一病院)は、外科中心に高いライセンス取得者数を誇り、重症・火傷・消毒などの分野で中心的役割を果たしています。特に火傷への技術がとても高く、兵として最高の名誉と言われる賞を賞をとっています。

看護師であり戦士でもあることを掲げ、どんな場所でも綺麗に美しく咲くようにと蓮の花をあしらったユニフォームを着用し、総合的・多方面に優秀に在ることを目指しています。

また、火傷センターでは、火傷治療の講義をきき、ボランティア活動や福祉についての話を伺いました。心身共にケアを行っており、リハビリや音楽療法、退院支援など多岐に渡った支援をしています。

新橋病院(第二病院)は、歴史の長さや学科の豊富さ、治療技術や軍事的な側面が強いことが特徴で、呼吸器内科や心臓血管外科などの分野で国内で初の実績もあり、重慶市の看護マニュアルも制作しています。

患者さんからの手書きのメッセージを掲示しており、患者さんと医療者とのコミュニケーションを重要視しています。湖があり緑が多く、自然の中という患者さんが良い環境で生活できるようになっています。

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大坪病院(第三病院)は、病院内のみで難しい病気や重症に対応できる設備を備え、働くスタッフメンバーの団結力を高めるための活動も行っています。特権階級の人が利用するVIP病室もあります。

また、運動のできるセンターや、屋上庭園、教育センターといった施設も備えています。教育センターでは、学生が利用できる図書館から本格的な訓練施設まであり、年齢性別様々な幅広い対象を想定したトレーニングができます。

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↑屋上庭園からの景色

病院見学では、国からの賞についての話がどこでもあり、表彰された実績が掲示もされていました。スタッフもそれを誇りに思っていて、意欲や向上心が育ちやすい環境ができているように思いました。

また、専門的な認定看護師のような存在が充実していました。知識や経験、技術を磨くことで資格を取得できて、実施できることが増えていく仕組みです。各病棟の団結力も強く、看護師の行えること・専門性がとても広く高いように感じ、キャリアアップを促進する制度がとても充実していて驚きました。

中国では、患者の世話は家族が行っていることがあります。そのため、家族の誰かが病気になると、家族全員への影響がとても大きいと話している人が多くいました。実際に家族にかかる負担が、心身ともにとても大きいように感じました。

患者さんに対して傍にいて優しく愛情をもって接することを大切にするなど、看護においての姿勢は日本でも中国でも共通していることを学びました。他にも災害派遣やボランティアなど、人と人の繋がりの重要性を改めて感じられました。

今回の研修では、社会福祉関係の話も聞くことができ、中国のボランティア活動や支援制度について学ぶことができました。交流を広げ見識を深めるため各国との交流を積極的に行っていて、機会があれば私も海外交流活動に参加できるといいなと思いました。

また、地域保健も担う地域病院である、重庆市沙坪坝区童家桥社区卫生服务中心(Community Health Center od Tongjiaqiao in Shapingba)の見学もしました。

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このセンターのように、無料で実施されている公衆衛生分野のサービスについて、行う治療と公衆衛生の役割のセンターが各地に存在しています。センターでは、年齢・性別・慢性病など様々なデータをファイリングして対応しています。各地にあるセンターで、国で決められている6歳までの子どもの健康管理、妊産婦や慢性病・精神病などの患者さんへの対応を行っています。

中国には保健師という職種がなく、地域保健の実際が気になっていたのですが、このようなセンターの医療スタッフが行っているとわかりました。ただ、中国は人口も多く対応が大変で、地域に赴くことは特別な場合の治療が中心で、実際に足を運ぶことはほぼないため、あまり周知されていない部分もあるとのことだったので、そういったところは社会の違いなのかと感じました。

重庆医科大学附属第一医院青杠老年护养中心という、高齢者介護センターの見学もしました。

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こちらは主に、治療と養老のための施設です。畑や果実の木もあり、自分達で育てたり採ったりできます。1階にはスーパーがあり、レストランやプレイルームの設備もあります。

自力で生活ができる老年期の方向けのマンションもあります。様々な疾病の利用者さんの治療や、介護、終末期医療なども行っています。大部屋、シングルルームの他に、夫婦で利用するための部屋もあります。転倒防止+ケガをしにくい床になっています。リハビリも行っており、少しずつでも次のステップに上がれるようにサポートしています。

終末期の支援もしているという施設で、最期は本人の希望に沿って、満足して逝くことができるように支援するという形は日本と同じで、看取りの支援は本人の望みに合うように本人の意志を尊重することが大切であると改めて感じました。この施設では、最期の日々を生活するための部屋が用意されていて、そういった終末期の支援もあるのだと学びました。

老年期の制度では、日本とは違うところもあり、社会や文化の違いによって多様な在り方が見られました。

なかなか海外の病院や制度について丁寧に説明をきく機会なんてなく、今回の研修では看護と社会福祉の学生に合わせたプログラムを組んでもらえて、大学の授業と会わせてとても勉強になりました。また、軍医大学系統なので、先生たちが軍人であり、日本では滅多に接することのないような方々と交流をすることができて、貴重で新鮮な体験になりました。

看護学部3年 長屋佑季

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