2018年度アメリカ看護研修参加学生の声①
~SMUについて~
アメリカの講義について驚いたことがあります。それは、サミュエルメリット大学の学生は講義の際に一人一人が自分のパソコンを持参していたことです。テキストなどは事前にパソコンにダウンロードしておき、講義中だけでなく事前・事後学習までをすべてパソコンを使って行っていました。そのため、どの教室の机にもコンセントが設置されており、学ぶための環境が整っているなと思いました。
また、研修に参加して、アメリカと日本の看護大学の講義や演習、実習の進め方には大きな違いがあることが分かりました。日本は大学に入学してから初めの1、2年生で講義による知識の定着をほぼ全て行ってから、3年生で実習に行って看護実践するのに対して、アメリカは1年生から何もわからない状態で実習に行き、それと並行して講義を受けるという形をとっていました。同じ学問を学んでいても、国によって学び方に対する考え方が異なり、アメリカでは何事もまずはやってみる、実践するということを大切にしているのではないかと感じました。
5日目は、シミュレーション演習に参加しました。3人一組で約15分間行いました。シナリオは始まる直前に伝えられ、シナリオの情報だけで、先生方の助言もありませんでした。脈拍や血圧が測れたり、会話が出来たり、瞬きもするようなとてもリアルなマネキンを相手にして、すべて自分たちで何をするのか考えての演習だったため、とても緊張感がありました。
シミュレーション演習を通して、自分で考えて行動に移すことの難しさ、出来ないことに対する悔しさ、緊急時にどれだけ動けるか、緊張感のある中でどれだけ冷静にケアができるか、そして何より「失敗を恐れずに行動することの大切さ」を感じ、楽しかった、やってよかったと思える経験をすることができました。
今回、アメリカ看護研修に参加をして、SMUの学生の勉強に対する姿勢をみて、同じ看護師という専門職者になるのにこのままではいけないと思い、自分の勉強の仕方見直しました。そして、帰国後は講義の予習と復習や自己学習を徹底しようを決心して、実際に自分に合った勉強方法、時間帯を考えて具体的な行動計画を立てて実施しています。今まで、このままではいけないと思っていても、思っているところで留まっていましたが、今回は実際に行動に移すことができています。それだけ、彼らの勉強に対する考え方や姿勢に影響を受けました。
また、病院見学では、病院内のスタッフ同士の雰囲気がとてもよく、ナースステーションで廊下側を向くように配置されたパソコンで看護師が記録をしていると、目の前を通る医師やケースマネージャー、リフトチームなど多くのスタッフが「Hello!」「Hi!」「How are you?」と声をかけたり、ウインクをしたり、見学者の私たちにまでほとんど人が声をかけてくれて、楽しく「チーム」で働いている様子が伝わってきました。これは、アメリカ人特有の習慣や考え方なのかもしれませんが、雰囲気がとても良くて、このようなところで働きたいと思ったと同時に、日本の看護師が働く現場でもこのような働きやすい環境は作れないかとも思いました。今後、日本の看護師の働いている環境や働き方、仕事へのモチベーション、離職率とその原因などについても調べてみたいと思います。
研修を通して、「自分の意志を持つことの大切さ」と「それを発言することの必要性」を実感し、自分の周りの動きを常に把握して疑問に思ったことは調べ、その上で自分の考えを持つこと、そして思ったことは言葉にすることが自分のためになり、主体的に学習をすることなのだと思いました。
看護学部3年 落合ひかり