2016年1月 8日 (金)

言語聴覚学科教員の研究紹介⑤(中村 哲也助教)

言語聴覚学科教員の研究紹介、第五弾は中村哲也助教です。

中村助教は構音障害学を専門にされており、

本学リハビリテーション科学研究科の大学院を修了されました。

今回は大学院で研究したこと、現在研究していることについて紹介します。

 

現在は子どもの構音障害で、「さかな」が「しゃかな」になってしまうような、

構音が上手くいかないお子さんについて研究しています。

一般的な子どもは何歳くらいになると構音が出来るようになるか、

また上手く言えない音はどのような音に誤るかといったことを調べています。

表はそれぞれの年齢で音がどのように誤るかを音声学的に記述したものです。

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また、EPGという上顎に電極を貼りつけた装置を使って、

構音をする時にどのように舌が動くのかということも調べています。

同じ「か」という構音であっても「あか」と「いか」では舌の動きが異なります。

このように、前後の音の組み合わせによって舌の動きがどのように変化するのかについて調べています。

2016年1月 5日 (火)

言語聴覚学科教員の研究紹介④(谷 哲夫准教授)

言語聴覚学科教員の研究紹介、第四弾は谷哲夫准教授です。

谷准教授は、失語症の臨床に長年携わってこられました。

病院で失語症リハビリを受けていた患者さんが退院後に充分なリハビリを受けることができないという危機感を持ち、在宅で言語リハビリができる「言語くん」という機器を開発されました。

今回はこの「言語くん」について紹介します。

私は、言語聴覚士として長年失語症の治療に関わってきました。

病院を退院した失語症の方が失語症のリハビリを継続できなくなって、ご本人やご家族が大変困ってしまう様子を多く見てきました。

さらに最近は、失語症が改善していないからという理由で入院をしていられる状況ではなくなってきており、リハビリをすればもっとよくなるはずの失語症を残したまま退院せざるを得ない患者さんが多くなっています。

退院後に失語症リハビリをしようとしても介護保険の施設ではリハビリの専門家が少なく、充分なリハビリを受けることができません。

そこで、(株)シマダ製作所と共同で、在宅で失語症リハビリができるアプリケーションソフト「言語くん」を開発しています。

はじめは、パソコン用に開発しましたが、いつでも、どこででも使用できるよう携帯用バージョンを開発し「言語くん 自立編」として改良を進めております。

まだまだ開発途上であり、利用された方々の意見を取り入れながらさらに改良を勧め、言語聴覚士が傍にいなくても、効果的なリハビリができるように発展させ、将来的には失語症の遠隔リハビリのモデルケースとなることを目指しております。

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2016年1月 4日 (月)

卒業研究②(大原ゼミ)

大原ゼミでは、小児期に獲得する様々な能力の発達特性と個人差について研究しています。
12月22日〜1月5日、3年生5名が大学付属の聖隷クリストファーこども園において、卒業研究のデータを採集させて頂きました。
今年度は、談話能力、読字能力、投動作能力について、4つの実験を行いました。
対象となるお子さんの能力を最大限に活かせるように、数ヶ月にわたり、ゼミで討議して、実験材料と教示方法を工夫しました。

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幼児期の認知・言語・運動発達を健やかに育むヒントがたくさん詰まった、良質なデータを得ることができました。

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ご協力頂いたお子さんや先生方に心より感謝申し上げます。
今後も、クリストファーこども園の先生方と手を携えて、小児発達の解明と支援法の開発に取り組んでいきたいと考えています。

2015年12月28日 (月)

卒業研究①(谷ゼミ)

言語聴覚学科の谷哲夫です。

去る、11月28日、29日に福井県南越前町で開催されました第29回言友会中部大会に参加しましたので報告します。

言友会とは、吃音(どもり)を持った人たちの自助団体です。

全国各地に言友会があり、様々な活動をしています。

浜松にも「浜松言友会」が活動しています。

今回参加したのは、福井言友会が主催し主に中部地方の多くの言友会の方々が参加する大会でした。

吃音をテーマに卒業論文の準備をしている本学の学生3名も参加させていただきました。

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発表前。私が写真を撮ろうとしているのにも気づかないくらい真剣に発表原稿に目を通しています。が、ひとり外を眺めていますね。余裕です!

学生たちは各地の言友会の方々を前に、研究計画を発表し研究への協力をお願いしました。

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まずは、Wさんの発表です。堂々と発表できました。ちょっと遠目ですみません。

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次はAさんとMさんの発表です。二人は共同研究ですので一緒に発表です。

発表後には多くの方々から協力の申し出がありました。

学生たちの研究計画はまだまだ改善すべき点はありますが、温かく受け入れられたようでした。

夜には懇親会があり、学生に吃音者の立場から研究のアドバイスをしていただいたり、言友会活動の様子を話してくださるなど、交流を深めることができました。

学生たちにとっては直に吃音を持った方々と接することのできた貴重な時間となりました。

次回は、大原ゼミを紹介します。

2015年12月25日 (金)

クリスマスパーティー

12月24日にクリスマスパーティーを行いました。

4年生は毎日、朝から夜まで国家試験の勉強を頑張っています。

4年生の頑張りをねぎらうべく、ささやかではありますがクリスマスパーティーを開催しました。

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じゃじゃーん!

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今回のクリスマスパーティーが4年生にとって少しでも息抜きになればと思います。

国家試験まで残り2ヶ月を切りました。

皆で一緒に頑張りましょう。




2015年12月22日 (火)

言語聴覚学科教員の研究紹介③(石津 希代子准教授)

言語聴覚学科教員の研究紹介、第三弾は石津希代子准教授です。

石津准教授は聴覚障害学を専門にされていますが、今回は石津准教授が力を入れているICTを利用した反転講義の実践について紹介します。

“教育×ICT”の分野は目覚ましく進展しており、小学校から大学までの全国の教育機関で、ICTが教育現場に導入されつつあります。このような状況中、2014年度より担当科目においてICTを活用した「反転授業」を実践しています。オンラインによる事前学習により、授業中は協働学習が主体の学修活動へと転換をすることができました。

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いかに教育の質を高めるかということをテーマに、反転授業やアクティブラーニングに関する調査、ディスカッションのテーマ設定、ICTを利用した学習環境づくり、学習効果測定などの検討をしています。

次回は、谷准教授の研究活動を紹介します。

2015年12月21日 (月)

言語聴覚学科教員の研究紹介②(佐藤 順子教授)

言語聴覚学科教員の研究紹介、第二弾は佐藤順子教授です。

佐藤教授は、学部生だけでなく大学院でも教鞭をとっていらっしゃいます。

豊富な臨床経験をお持ちです。ぜひ臨床で感じた疑問をテーマに、大学院で一緒に学びませんか?

それでは、佐藤教授が行っている研究を紹介します。

大学病院の精神科及び単科の精神病院で20年余り臨床を行ってきました。研究のテーマは高次脳機能障害と認知症です。20年前には、脳卒中や頭部外傷などの後遺症に対するリハビリテーションが主な仕事でしたが、最近はアルツハイマー型認知症を始めとする多様な認知症者の鑑別診断のための認知機能検査やリハビリテーションが主体となってきました。単科の精神病院では、他の施設に先駆けて平成9年から多職種による認知症の集団リハビリテーションを実践してきました。多様な高次脳機能障害者や認知症者に神経心理学的検査を用いて障害を詳細に解明し、根拠に基づいた援助の方法や効果について研究を行っています。また、認知症の予防教育やリハビリテーション、家族心理教育や精神症状に対する介入療法の効果に関する研究も行っています。

次回は、石津准教授の研究活動を紹介します。

2015年12月18日 (金)

言語聴覚学科教員の研究紹介(柴本 勇教授)

皆さん、こんにちは。

突然ですが、皆さんに質問です。

大学とはどのようなことを行う場所でしょうか?

皆さんご存知の通り、大学は教育活動だけでなく研究活動も行う場所です。

そこで、本日より、言語聴覚学科の各教員がどのような研究活動を行っているのかを紹介します。

少しでも皆さんが本学教員の研究に興味を持っていただければ幸いです。

第一弾は柴本勇教授です。

柴本教授は「Asia Pacific Society of Speech Language and Hearing」の理事長、「日本言語聴覚士協会」の理事を務めるなど、社会的活動も活発にされています。その柴本教授がどのような研究を行っているのか教えていただきました。

本日は、私がこれまで行ってきた研究活動をご紹介します。

「摂食嚥下障害のリハビリテーションといえば聖隷」と全国的に知れ渡るほど、聖隷グループの食べるためのリハビリテーションは有名です。患者さまが全国から集まります。チームを率いるのは、藤島一郎医師(現浜松市リハビリテーション病院長)です。本学の非常勤講師もお務めです。私たちはこれまで多くの患者さんから教えて頂いた治療のアイデアを検証し、教科書等を執筆し全国に発信してきました。その結果、随分食べるリハビリテーションが広まりました。しかし、未だに窒息事故は減りません。2006年には交通事故を抜いて、不慮の事故でお亡くなりになる数が第1位となりました。食べるリハビリテーションの発展とは反対の現象です。もっともっと原因や対応を考えないといけないと思いました。

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そこで、まず1つ。私達人間はどのように食べているのかをもっと知る必要があると思いました。そこで、機能的磁気共鳴画像(Functional MRI)を用いて、食べ物によって脳活動はどのように異なるのか? ということを検討しました。その結果、人は食べ物によって脳の血流部位が異なることがわかりました。すなわち、日々何気なく食べている様々な食材はそれぞれコントロールに違いがあること、それによって食べやすい食物や食べにくい食物が異なるのではないかということがわかりました。これは世界初の研究でしたので賞を頂くことができました。更に、さまざまな食物を食べる際の脳制御の解明に力を入れています。

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現在は、文部科学省から科学研究費を頂戴して、食物によって口腔運動がどのように異なるのかを中心に検討を行っています。こうした研究活動によって、社会のお役に立てるよう今後も精進していきたいと思っています。

2015年12月17日 (木)

2015 ASHA Convention に参加しました。

報告が遅くなりましたが、アメリカコロラド州のデンバーで行われた、2015 ASHA Conventionに参加してきました。 ASHAとはAmerican Speech Hearing Associationの略で、1925年に発足したアメリカの言語聴覚士協会のことです。

今年の参加人数は約1万3000人、アメリカだけでなく43カ国以上のSTが参加しているそうです!(参考までに2014年の日本のST学会の参加人数は2500人でした。)

オープニングセレモニーの様子です。所々にジョークを取り入れた協会会長や学会会長の挨拶、ゲストスピーカーの話など(今年は脳神経と心理学の関連性について、有名な心理学者の先生が話してくださいました。)、盛り沢山であっと言う間の2時間でした。

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オープニングセレモニーの後は、それぞれ興味のある口頭発表、ポスター発表、ショートセミナーなどを聞きに行きます。会場は500人以上入れる部屋から、60人ほどの部屋まで様々です。皆、真剣でプレゼンターの話を聞き逃すまいと前の席に座ります。発表後の質問も活発で、次から次へと質問が飛び交います。発表後フロアでコーヒーを片手に話しの続きをするなど熱心です。

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また、300を超える企業展示があり発表会場以外も熱気を帯びていました。

今年度は大学教育や研究・臨床での学生指導などの発表を中心に聴きました。アメリカの言語聴覚学科の先生方とディスカッションする機会が多くあり、大学教育の在り方、学生教育、学生を臨床へ送り出すまでのプロセスについてなどについて意見を交わすことができました。少しでも今回受けた刺激を学生に還元できるよう、教員としてもっと成長したいと思いました。

2015年12月15日 (火)

クリスマス・ツリーが飾られました。

大学の中庭もサトウカエデ、紅葉やイチョウが美しく色づき、夏とは違う落ち着いた雰囲気になりました。

2週間前から1号館には大きなクリスマス・ツリーが登場し、リンゴや雪の花をイメージした紙のオーナメントが飾られています。

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クリスマス・ツリーの発祥の地は、ドイツと言われています。

ドイツ人の祖先であるゲルマン民族の人々が、キリスト誕生を祝い、1年の生活に感謝し、その喜びを、常緑樹に勤労の恵みとしてリンゴやクルミを、紙などで作った雪の花などを飾るようになったそうです。

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5号館の聖隷歴史資料館前にもクリスマス・ツリーが飾られています。1号館のオーナメントと少し違う点があります。気付いていましたか? 是非、立ち寄った際はどこが違うか探してみてくださいね。

朝晩冷え込むようになり、体調不良を訴える学生も多くなってきました。

基本的なうがい、手洗いを忘れずに体調管理をしっかり行いましょう。