« 2015 ASHA Convention に参加しました。 | メイン | 言語聴覚学科教員の研究紹介②(佐藤 順子教授) »

2015年12月18日 (金)

言語聴覚学科教員の研究紹介(柴本 勇教授)

皆さん、こんにちは。

突然ですが、皆さんに質問です。

大学とはどのようなことを行う場所でしょうか?

皆さんご存知の通り、大学は教育活動だけでなく研究活動も行う場所です。

そこで、本日より、言語聴覚学科の各教員がどのような研究活動を行っているのかを紹介します。

少しでも皆さんが本学教員の研究に興味を持っていただければ幸いです。

第一弾は柴本勇教授です。

柴本教授は「Asia Pacific Society of Speech Language and Hearing」の理事長、「日本言語聴覚士協会」の理事を務めるなど、社会的活動も活発にされています。その柴本教授がどのような研究を行っているのか教えていただきました。

本日は、私がこれまで行ってきた研究活動をご紹介します。

「摂食嚥下障害のリハビリテーションといえば聖隷」と全国的に知れ渡るほど、聖隷グループの食べるためのリハビリテーションは有名です。患者さまが全国から集まります。チームを率いるのは、藤島一郎医師(現浜松市リハビリテーション病院長)です。本学の非常勤講師もお務めです。私たちはこれまで多くの患者さんから教えて頂いた治療のアイデアを検証し、教科書等を執筆し全国に発信してきました。その結果、随分食べるリハビリテーションが広まりました。しかし、未だに窒息事故は減りません。2006年には交通事故を抜いて、不慮の事故でお亡くなりになる数が第1位となりました。食べるリハビリテーションの発展とは反対の現象です。もっともっと原因や対応を考えないといけないと思いました。

St11

そこで、まず1つ。私達人間はどのように食べているのかをもっと知る必要があると思いました。そこで、機能的磁気共鳴画像(Functional MRI)を用いて、食べ物によって脳活動はどのように異なるのか? ということを検討しました。その結果、人は食べ物によって脳の血流部位が異なることがわかりました。すなわち、日々何気なく食べている様々な食材はそれぞれコントロールに違いがあること、それによって食べやすい食物や食べにくい食物が異なるのではないかということがわかりました。これは世界初の研究でしたので賞を頂くことができました。更に、さまざまな食物を食べる際の脳制御の解明に力を入れています。

St22


現在は、文部科学省から科学研究費を頂戴して、食物によって口腔運動がどのように異なるのかを中心に検討を行っています。こうした研究活動によって、社会のお役に立てるよう今後も精進していきたいと思っています。