言語聴覚学科教員の研究紹介④(谷 哲夫准教授)
言語聴覚学科教員の研究紹介、第四弾は谷哲夫准教授です。
谷准教授は、失語症の臨床に長年携わってこられました。
病院で失語症リハビリを受けていた患者さんが退院後に充分なリハビリを受けることができないという危機感を持ち、在宅で言語リハビリができる「言語くん」という機器を開発されました。
今回はこの「言語くん」について紹介します。
私は、言語聴覚士として長年失語症の治療に関わってきました。
病院を退院した失語症の方が失語症のリハビリを継続できなくなって、ご本人やご家族が大変困ってしまう様子を多く見てきました。
さらに最近は、失語症が改善していないからという理由で入院をしていられる状況ではなくなってきており、リハビリをすればもっとよくなるはずの失語症を残したまま退院せざるを得ない患者さんが多くなっています。
退院後に失語症リハビリをしようとしても介護保険の施設ではリハビリの専門家が少なく、充分なリハビリを受けることができません。
そこで、(株)シマダ製作所と共同で、在宅で失語症リハビリができるアプリケーションソフト「言語くん」を開発しています。
はじめは、パソコン用に開発しましたが、いつでも、どこででも使用できるよう携帯用バージョンを開発し「言語くん 自立編」として改良を進めております。
まだまだ開発途上であり、利用された方々の意見を取り入れながらさらに改良を勧め、言語聴覚士が傍にいなくても、効果的なリハビリができるように発展させ、将来的には失語症の遠隔リハビリのモデルケースとなることを目指しております。