2016年10月31日 (月)

浜松言友会にテレビ局が取材に来ました

教員の谷哲夫です。

10月30日(日)の浜松言友会例会(アイミティ浜松)に静岡第一テレビの取材班が訪れました。

10月9日(日)に静岡市で開催した吃音講座がきっかけで、事前に取材の申し入れがあったため、

私は例会開始1時間前に会場に到着して取材を受けました。

カメラを向けられながら吃音に関する様々なことを質問され(質問内容については事前の打ち合わせなし!)、

少し緊張しながら説明しました。取材班のスタッフに、

吃音のことを真剣に理解しようとする姿勢が観られたことには大変うれしく感じました。

例会の様子も撮りましたので、出席した会員は若干緊張気味でしたが、

次第にいつものように和やかな雰囲気で会話ができてきました。

・・・と、ここで事件が起きました。

休憩中に私が外から会場に戻ったら、取材班が出席していた谷ゼミの学生にインタビューを始めていたのです。

私はこれに驚いて、思わずとった行動は、この状況をスマートフォンで撮ることでした。

吃音の啓蒙活動は浜松言友会の活動のひとつであり、また、教員としての私の役目でもあります。

浜松言友会の活動に、メディアに携わる方が関心を持っていただいたことは大きな効果だと考えます。

放送予定についてはまだわかりませんが、わかり次第報告させていただきます。

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佐藤さんが真剣に答えています。左の豊田さんと赤堀さんは恥ずかしそうです。

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真剣に答える佐藤さん(ちょっと逆光ですみません)。

2016年10月17日 (月)

第4回青少年のための吃音講座 in 静岡市

教員の谷哲夫です。

「青少年のための吃音講座」は8月に地元浜松で開催しました。

10月9日には、今年2度目の吃音講座をはじめて静岡市で開催しました。

会場は静岡県総合社会福祉会館(シズウェル)で

駿府城のすぐ隣、繁華街に近いところでした。

会員と合わせて37名(浜松開催よりも多数)の吃音当事者や

教育関係者に参加いただき、静岡地域での関心の高さを

うかがい知ることができました。

当事者には大学生や社会人の方もおり、

吃音の問題を一人で抱えている実態がわかりました。

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吃音講座では、浜松言友会会員による体験談

(吃音とどのように向き合ってきたか)の発表、専門家

(医師、言語聴覚士など)による講話、

グループディスカッションなどを行いました。

参加者からは活発に意見が交わされました。

吃音の問題を相談する場所がなかったので、

このような催しは続けてほしいとの要望が挙がるなど、

静岡県唯一の吃音者自助団体として、今後の活動の幅を

広げていくきっかけとなるであろう貴重な経験でした。

 

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少し写真がブレていてすみません。

2016年10月14日 (金)

1年生の講義風景 (聴覚系の構造・機能・病態)

セメスターが始まり、早3週間が経ちました。

少しずつ授業に慣れてきたでしょうか?

本日は1年生の講義風景を紹介します。

聴覚系の構造・機能・病態は、1年生が初めて学ぶ

「聞こえの仕組み」に関する専門基礎科目です。

本格的な講義に先立ち、周波数やdBといった、

音の聞こえに関する初期知識を身につけておいた方が、

聴器の解剖学的、生理学的内容についての理解が

容易に進むものと考え、まず、学生同士で聴力検査を体験しました。

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検査者としてオージオメータに触れるのも、被験者として全ての

周波数の音を聞くことも、初めての経験です。

多くの学生が、周波数毎に音の高さが変化し聞こえ方が

異なることに驚いたことでしょう。体験を通じて、楽しみながら学習を開始し、

段階的に聴覚機能におけるより高度な理論的側面の学習段階へ順次、

発展していきたいと考えています。

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2016年10月 7日 (金)

学会参加記

9月22日(木)~24日(土)に新潟市で第22回日本摂食嚥下リハビリテーション学会が開催されました。

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学会に先立ち、9月22日午後には日韓ジョイントセッションが開催されました。

日本と韓国のみならず、摂食嚥下リハビリテーションを推進するアジア諸国の先生方が参集するシンポジウムでした。

こちらは講演された先生方の写真です。

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9月23日、24日は、特別講演、教育講演、セミナーなど多数のイベントが行われました。

その中で本学科長の柴本勇教授が座長を勤めていました。

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柴本学科長が座長を勤めたのは下記のセッションです。

①English Session

②教育講演3 「評価の意義と実際」

③訓練5 口頭発表

 

年1回行われる学会は大変興味深いです。

多くの先生方から最新の知見を聞くことができますし、そのような先生方と情報交換できる貴重な機会でもあります。

また、卒業生とも会える機会です。成長した姿がみれるのは、とても楽しみです。

学部生の皆さん、ぜひ学会にご参加ください。

 

2016年10月 6日 (木)

大学で抄読会を行っています

本学は国内でも数少ない言語聴覚学分野の大学院を設置しています。

そのため、大学→大学院というように、連続して学ぶことができる環境が整っています。

今回は、柴本研究室に所属している博士課程2名、修士課程1名、学部生4名、

近隣病院の言語聴覚士2名で抄読会を行いました。

 

今回のテーマはこちら!

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舌の訓練に関する論文です。大学院博士号の方が担当してくれました。

舌は話すとき、飲み込むときに重要な役割を果たします。

構音障害、嚥下障害の方ですと、舌がうまく動かなくなります。

そのような方に行う訓練を紹介しました。

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こちらは柴本教授(左)と共同研究をしている浜松市リハビリテーション病院の久保先生(右)です。

久保先生からは、臨床的な視点でのコメントをいただき、大変有意義な意見交換ができました。

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さらに学生さんからも質問、意見が出ていました。

今回参加してくれた学生さんは、6月の第17回日本言語聴覚学会(こちらをクリック)で

発表した学生さんです。実習も終えてきたので、臨床的な視点からも質問していました。

素晴らしい。

 

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抄読会のモットーは、『楽しくやろう』です。

お菓子を食べながら、コーヒーを飲みながら、新しい知を生み出していければと思います。

 

2016年10月 5日 (水)

卒業生が大学に遊びに来ました

卒業生(2015年度卒)の益田成美さんが大学に遊びに来てくれました。

益田さんは今年の4月にコミュニティーホスピタル甲賀病院に就職しました。

近況報告とともに、担当症例さんのことを相談しに来ました。

「先生、とても充実した日を過ごしています。」と笑顔で話してくれました。

担当患者さんは、言語理解、表出が重度に障害されている失語症の方でした。

どのように介入していけば良いか、一緒に考えていきました。

それにしても、言語聴覚士として働いて半年が経ちましたが、

とても成長している姿に驚いたとともに、嬉しさがこみ上げてきました。

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働き始めての3年間は勉強の日々です。

この3年間を頑張ったか否かで、言語聴覚士としての能力にとても差が出ると思います。

益田さん、今の気持ちを忘れずに、自己研鑽を続けていってくださいね。

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これから多くの言語聴覚障害者を治療していくでしょう。

患者さんに寄り添う気持ちを忘れず、

真摯に患者さんを診ていって欲しいと思います。

2016年9月28日 (水)

2016年 言窓会

教員の谷哲夫です。

9月17日に本学言語聴覚学科の卒業生が組織・運営している

「言窓会」の研修会でお話をする機会に恵まれました。

タイトルを「WAB失語症検査の特徴―SLTAとの比較」として、

WAB失語症検査(以下、WAB)の特徴を説明しました。

 

WABの特徴はなんと言っても重症度を数量化できる点です。

失語指数や言語能力指数といった指標で

多くの失語症者との比較・検討ができます。

 

さらに、WABは急性期の失語症評価に優れています。

つまり、「自発話」「話し言葉の理解」「復唱」「呼称」の

4つの検査項目を実施すれば失語指数が算出できるのです。

 

ベッド上で無理なく実施しながら失語指数が算出できる点は

「群馬脳卒中医療連携の会」の急性期病院STにも評価され、

群馬脳卒中クリティカルパスにおけるリハビリ報告書では

失語症評価はWABの失語指数を記載することになっております。

 

参加した卒業生たちのほとんどが普段の臨床で

WABを使用したことはないということでしたが、

この機会に試してみたいという声があったことは幸いでした。

いずれにしても、病院、施設の機能に合致した検査バッテリーを選択できると良いと思います。

 

このような機会を与えてくださった

「言窓会」の運営関係者の皆様に深謝いたします。

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2016年9月21日 (水)

失語症者のグループ訓練

本学では1ヶ月に1度、慢性期の失語症者を対象にグループ訓練を行っています。

ご病気になられて1年以上経過した失語症者やそのご家族に参加いただいています。

失語症とは、大脳にある言語領域の病変によって、

聴く、話す、読む、書くなどの言語機能に障害が出ることをいいます。

言いたい言葉が出てこない、

相手の言っていることが理解できないなどの症状がみられます。

言語を操作する障害ですので、物の知識については保たれています。

言語聴覚士は、一人ひとりの障害像を評価して、

それぞれに適した訓練方法を探していきます。

今回は、ジェスチャーから絵カードを選択する課題を行いました。

まずは、谷准教授が絵カードの内容をジェスチャーで伝えていました。

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参加者にもジェスチャーをしていただきました。

こちらは何のジェスチャーでしょうか?

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皆さん、お分かりでしょうか? 「歯ブラシ」ですね。

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こちらはすぐに正答していました。

さて、次は何でしょうか?

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何かが降ってそうですね。

「あめ」かと思いきや、答えの絵カードがありませんでした。

実は実は、こちらは「花粉」をジェスチャーで伝えていました。

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参加者からも「難しいな」ということばが聞かれました。

花粉をジェスチャーで行うのは、難しいですよね。

私もやってみましたが、なかなか伝わりませんでした。

今度は参加者の方にやっていただきました。

こちらの方は思わぬトラブルが‥。「か‥さ」

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「あっ、言っちゃった」と。 ジェスチャーで伝えるはずが‥、

間違って答えを言ってしまう場面に

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皆、笑顔がみられました。

最後に、谷准教授と発話の訓練を行いました。

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失語症者のグループ訓練は、毎月第3金曜日に行っています。

参加者の方々には、3年生の失語症演習のときにご協力いただいております。

今後ともよろしくお願いいたします。

2016年9月15日 (木)

4年生の「専門職連携演習」の演習風景をお届けします。

9月12日(月)~9月15日(木)の4日間、

ST学科の4年生は専門職連携演習に取り組みました。

この演習では、臨床での他職種協働を模して、全学部の4年生を横割にした小グループで、

対人援助に関わる専門職の連携について検討し、最終日に全員でプレゼンテーションを行うものです。


初日には、ST学科からは、「言語聴覚士の業務と職種間連携について」といったテーマで、

熱のこもった話題提供をしてもらいました。

また、脳血管障害発症後の他職種協働事例について、STならではの視点を加えた、

素晴らしい内容プレゼンテーションを創り上げました。


この演習では、学部学科の垣根を乗り越え、共通の目標に向かって連携することの大切さを

学び、今後実際の臨床の場で働く4年生にとって、貴重な学修経験となりました。

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2016年9月14日 (水)

3年生の卒業研究

教員の谷哲夫です。
卒業研究は早くから準備を進めています。
谷研究室では失語症と吃音を研究テーマにする学生が多いことが特徴です。
今回は、吃音をテーマにした3年生の実験を紹介します。

緊張性の指標を脈拍値として、聴衆の有無により脈拍値に変動が生じるのか、
生じるとすれば吃音生起率に影響するのか、
さらに発話課題別に脈拍値、吃音生起率に変動があるのかを
検証するため先行研究を参考にして実験をしました。

実験場所は大学の言語聴覚学科施設内で、
浜松言友会の方たちに被験者としてご協力いただきました。


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まずは、脈拍測定装置を手首に装着します。
この日は実験初日ということもあり、脈拍測定装置が上手く作動しないなどの
トラブルにも見舞われましたが、なんとか実験開始することができました。

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実験は発話課題を被験者一人で実施していただく場面と、
聴衆を前に実施していただく場面を設定しました。
実験は40分程度で終了しました。

実験終了後には、一緒にお茶をしながら
ご協力いただいた方の吃音体験談などを聞かせていただきました。

実験初日は少しトラブルがありましたが、次回以降改善しながら続けていく予定です。