2016年9月21日 (水)

失語症者のグループ訓練

本学では1ヶ月に1度、慢性期の失語症者を対象にグループ訓練を行っています。

ご病気になられて1年以上経過した失語症者やそのご家族に参加いただいています。

失語症とは、大脳にある言語領域の病変によって、

聴く、話す、読む、書くなどの言語機能に障害が出ることをいいます。

言いたい言葉が出てこない、

相手の言っていることが理解できないなどの症状がみられます。

言語を操作する障害ですので、物の知識については保たれています。

言語聴覚士は、一人ひとりの障害像を評価して、

それぞれに適した訓練方法を探していきます。

今回は、ジェスチャーから絵カードを選択する課題を行いました。

まずは、谷准教授が絵カードの内容をジェスチャーで伝えていました。

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参加者にもジェスチャーをしていただきました。

こちらは何のジェスチャーでしょうか?

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皆さん、お分かりでしょうか? 「歯ブラシ」ですね。

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こちらはすぐに正答していました。

さて、次は何でしょうか?

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何かが降ってそうですね。

「あめ」かと思いきや、答えの絵カードがありませんでした。

実は実は、こちらは「花粉」をジェスチャーで伝えていました。

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参加者からも「難しいな」ということばが聞かれました。

花粉をジェスチャーで行うのは、難しいですよね。

私もやってみましたが、なかなか伝わりませんでした。

今度は参加者の方にやっていただきました。

こちらの方は思わぬトラブルが‥。「か‥さ」

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「あっ、言っちゃった」と。 ジェスチャーで伝えるはずが‥、

間違って答えを言ってしまう場面に

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皆、笑顔がみられました。

最後に、谷准教授と発話の訓練を行いました。

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失語症者のグループ訓練は、毎月第3金曜日に行っています。

参加者の方々には、3年生の失語症演習のときにご協力いただいております。

今後ともよろしくお願いいたします。

2016年9月15日 (木)

4年生の「専門職連携演習」の演習風景をお届けします。

9月12日(月)~9月15日(木)の4日間、

ST学科の4年生は専門職連携演習に取り組みました。

この演習では、臨床での他職種協働を模して、全学部の4年生を横割にした小グループで、

対人援助に関わる専門職の連携について検討し、最終日に全員でプレゼンテーションを行うものです。


初日には、ST学科からは、「言語聴覚士の業務と職種間連携について」といったテーマで、

熱のこもった話題提供をしてもらいました。

また、脳血管障害発症後の他職種協働事例について、STならではの視点を加えた、

素晴らしい内容プレゼンテーションを創り上げました。


この演習では、学部学科の垣根を乗り越え、共通の目標に向かって連携することの大切さを

学び、今後実際の臨床の場で働く4年生にとって、貴重な学修経験となりました。

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2016年9月14日 (水)

3年生の卒業研究

教員の谷哲夫です。
卒業研究は早くから準備を進めています。
谷研究室では失語症と吃音を研究テーマにする学生が多いことが特徴です。
今回は、吃音をテーマにした3年生の実験を紹介します。

緊張性の指標を脈拍値として、聴衆の有無により脈拍値に変動が生じるのか、
生じるとすれば吃音生起率に影響するのか、
さらに発話課題別に脈拍値、吃音生起率に変動があるのかを
検証するため先行研究を参考にして実験をしました。

実験場所は大学の言語聴覚学科施設内で、
浜松言友会の方たちに被験者としてご協力いただきました。


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まずは、脈拍測定装置を手首に装着します。
この日は実験初日ということもあり、脈拍測定装置が上手く作動しないなどの
トラブルにも見舞われましたが、なんとか実験開始することができました。

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実験は発話課題を被験者一人で実施していただく場面と、
聴衆を前に実施していただく場面を設定しました。
実験は40分程度で終了しました。

実験終了後には、一緒にお茶をしながら
ご協力いただいた方の吃音体験談などを聞かせていただきました。

実験初日は少しトラブルがありましたが、次回以降改善しながら続けていく予定です。

2016年8月26日 (金)

第4回青少年のための吃音講座

教員の谷哲夫です。
8月21日(日)に、アイミティ浜松(浜松市立勤労青少年ホーム)にて
「第4回青少年のための吃音講座」(浜松言友会主催)が開催されました。

吃音に悩む方たちが集い、明るく積極的な生き方を考える企画です。
私は若輩ながら浜松言友会の会長を務めさせていただいておりますので、
講演や相談に応じるなどの役割を担いました。
さらに、聖隷クリストファー大学のゼミ生(佐藤さん、豊田さん、赤堀さん)も
受付や聴覚遅延フィードバックの説明などで活躍しました。

開催時間前のゼミ生たち。余裕があります。

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私がお話しているようです。吃音の治療法を紹介しました。

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グループディスカッションです。
各グループで自由に吃音について話しました。

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約3時間半という短い時間でしたが、「吃音」という共通の問題を抱えた方たち、
あるいは吃音にかかわっている方たちが集い、吃音の問題にどう対処していくか、
吃音を持ちながら明るく生活するコツなど様々な意見交換ができました。

吃音の様々な問題に結論を導くことはできませんが、
こうした活動を通して広く社会に吃音と言友会活動の理解を広めていきたいと考えています。
10月9日(日)には静岡市のシズウェルを会場にして開催します。
興味をもたれた方はぜひお越しください。

2016年8月 8日 (月)

夏のオープンキャンパス

8月6日(土)にオープンキャンパスがありました。

当日は大勢の方々にお越しいただき、誠にありがとうございました。

オープンキャンパスでは、体験講義、個別相談、演習室の見学等で本学の教育等を理解して頂いています。

今回のテーマは『脳』でした。

脳標本を実際に見ていただきながら、脳機能について説明をしました。

さらに、言語聴覚士が行う脳機能検査を体験していただき、IQも測定しました。

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言語聴覚士は摂食嚥下障害の領域にも関わります。

実際の嚥下食を食べていただきました。

「意外と美味しい。元の味が分かる。」などの声が聞かれました。

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こちらは、4月から言語聴覚学科の教授として就任されたマックリーン先生です。

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言語聴覚学科は国際交流活動に力を入れています。

3月には12名の学生さんがハワイ大学に研修に行き、7月にはテキサスA&M大学(こちらをクリック)の学生さんが来学されました。

世界で活躍できる言語聴覚士になってほしいと思っています。

 

個別相談室では、入試のことについて質問がありました。

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8月20日も入試(推薦、一般入試)の実際について、学生さんとお話する時間を設けたいと思っています。

ぜひ、お声がけ下さい。

 

最後にスタッフとして協力してくれた学生さんです。

1年生の皆さんは、今回が始めてのお手伝いでした。

皆さん、丁寧に高校生に説明をしていました。

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2年生は少しずつ貫禄がでてきましたね。

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3年生は、やはり頼りになりますね。

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8月20日のオープンキャンパスもぜひお越しください。

詳細はこちらをご参照ください。

皆様とお会いできることを楽しみにしております。

言語聴覚学科イベント情報(8月)

8月に実施予定のイベントをお伝えします。

 

1.夏のオープンキャンパス

日時:8月20日(土)11:45~

場所:聖隷クリストファー大学

詳細:こちら

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2.専門職体験セミナー(病院見学:言語聴覚療法)

日時:8月24日(水)13:00~16:00

場所:浜松市リハビリテーション病院

詳細:こちら

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3.高校生部活応援プログラム

みなさんの能力と本学の知識・技能をコラボレーションしませんか?

本学言語聴覚学科では、放送部・合唱部・演劇部・音楽部など、声やことばを使う部活にはどこにでも応援に駆けつけます

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【内容】

・聞きやすい話し方とは?

・発声と発音のメカニズムを知って練習 しよう

・よい声を出す方法とは?

・苦手な発音を克服する方法とは?

・鼻濁音のうまい使い方とは?

・大きな声・通る声…その違いと出し方は?

・声を痛めない練習法とは?   など

【申し込み】ご希望の部活は入試広報センター職員(053-439-1401)までご連絡くださいませ。

2016年8月 2日 (火)

テキサスA&M国際大学 学生交流②

今回も学生からのテキサスA&M国際大学との学生交流について、2年生の上野さんと山崎さんからのレポートをお届けします。初めて食べる日本の学食はどうだったのでしょうか??

 

まずは、上野さんからです。

テキサスA&M国際大学と学生交流しました!私は食券や、食事をもらうまでの手伝いを

しました。ランチメニューの揚げ物の中身が何か分からず説明に少し困りました。

よくよく聞いてみると、宗教上の問題で何のお肉を使っているのか気になったとの

ことでした。宗教によって食べられないお肉があるのを知っていましたが、身近に

異文化を感じられた瞬間でした。みんながフォークとスプーンをおぼんに載せて

いたので箸も勧めてみました。お箸を使うのはまだ慣れていないようで、多くの人は

苦労して諦めていましたが、1人だけ最後まで箸で頑張って食べているのを見て嬉しく

なりました。短い時間でしたが、コミュニケーションをとって日本との違いをたくさん

見つけたので良い経験ができました。

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続いて、山崎さんです。

テキサスA&M国際大学と学生交流をしました。学生にメニューを選んでもらい食券を

買ってもらいました。学生はミックスフライのBランチを食べていました。フライの

中身を確認したり、味を聞いたりしながら不思議そうに食べていました。学生さんとは

色々な話をしました。私達は、頭から単語を絞り出し、何とかして伝えようと必死でした。

学生さんも聞き取ろうと、選択肢を与えてくれたり、分からない単語は易しい単語に言い

換えてくれておかげで会話になったと思います。学生さんは、日本に来るのが初めてだと

聞いたので日本食や静岡について教えてあげました。私達もテキサスについて色々聞き、

行ってみたくなりました。とても楽しかったです。

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学食も楽しんでくれたようで良かったですね。食事の後は、皆でクリストアに行き

日本のお菓子を買っていました。「麦チョコ」を気に入ったようで、午後の休憩時間も

食べていました。

2016年8月 1日 (月)

テキサスA&M国際大学 学生交流①

来日された、テキサスA&M国際大学の学生5名と1年生8名が学生交流を行ないました。

今回は、学生交流に参加した学生のレポートをお届けします。

 

7月18日の授業後、テキサスA&M国際大学の学生さん5人を迎え、学生交流を行いました。英語が上手く話せず緊張しましたが、テキサスA&M国際大学との交流をとても楽しみにしていました。場所はメイワンの「しゃぶしゃぶ但馬屋」に行きました。

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「いただきます。」をして食事会がスタートしました。食べ方などを教えているとき、たれの味を何て伝えれば良いのか分からず難しくて断念してしまいました….(笑)

 

「ご飯」「はい」「いいえ」「おいしい」「ありがとう」など簡単な日本語を教えてと、たくさん聞いてくれました。日本では食べる時に「いただきます」といいますが、アメリカでは何も言わないと知りびっくりしました。

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慣れないお箸でしたが、頑張って挑戦してくれました。一人の女の子が豆腐に

挑戦しましたが、お口に合わなかったみたいでした。残念!

私たちも餃子を英語で「dumpling」と言うことや、テキサスのことについて

教えてもらうことができました。

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テキサスA&M国際大学の学生さんは、みんなフレンドリーでたくさん話かけてくれました。英語が話せなくても、ジェスチャーを使って分かりやすく表現してくれました。英語も大切ですが、「伝えたい気持ち」が大切なのだと実感しました。

言語聴覚士はコミュニケーション能力が大切なので、大学生活でもっともっと身に付けたいと思います。

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お店の前でテキサスA&M国際大学の学生と写真をとりました。

 

みんな同じ言語聴覚士を目指しているものとして、お互い意識して学んでいけたらと思います。とても貴重な体験になりました。

 

集合場所でお互い緊張していたので、「大丈夫かな?」と心配でしたが、次の日テキサスA&M国際大学の学生さんに感想を聞くと「すごく楽しかった。もっと色々話したい!」「色々日本語を教えてもらったの、忘れないようにホテルに帰ってすぐ日記に書いたわ。」との声も! 写真をみれば楽しかったのは伝わってきますよね!!

短い時間ではありましたが、学生も英語や異文化だけでなく、様々な手段を使用して「伝える」ことの大切さを感じたようです。

2016年7月29日 (金)

聖隷クリストファー高校 放送部とのコラボレーション

みなさんこんにちは。

本日は聖隷クリストファー高校 放送部 の練習にお邪魔してきました。

私たち、言語聴覚学科では人が話すことばを科学的に分析することができます。私たちの専門知識と技術を放送部のみなさんに役立てていただこうというプログラムです。

 

・聞きやすい話し方とは?

・発声と発音のメカニズムを知って練習しよう

・よい声を出す方法とは?

・苦手な発音を克服する方法とは?

・鼻濁音のうまい使い方とは?

・大きな声・通る声…その違いと出し方は?

・声を痛めない練習法とは?

 

などなど。実技を取りいれながら楽しく練習しました。

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また機械を使って、ことばを可視化(見える形にすること)して自身の声や発音を見てみました。

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よい声のキーワードは、『声道共鳴』でしたね!!

 

放送部のみなさんとはこれからも一緒に練習して、夢を追い求めたいと思います。

 

他の高校のみなさま、放送部・合唱部・演劇部・音楽部 など、声やことばを使う部活にはどこにでも応援に駆けつけます。本学の知識・技能とみなさんの能力のコラボレーション…。

楽しみにしています。

ご希望の部活は、入試広報センター職員(053-439-1401)までご連絡くださいませ。


Texas A&M International University 来校

アメリカのテキサスA&M国際大学が、去年に引き続き来校されました!!

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【テキサスA&M国際大学の皆さんと集合写真】

 

テキサスA&M大学は、アメリカの中で3番目に規模の大きい大学なのです!!

もちろんテキサス州ではNO.1の規模で、州の中に11のキャンパスを持つとても規模の

大きい大学です。そのキャンパスの1つが、テキサスA&M国際大学で、学生数は8000人!

メキシコとの国境近くにキャンパスがあるため96%の学生は英語とスペイン語を話す

バイリンガルだそうです。

 

今回はスマライ先生の特別講義、講義の見学、学生交流、聖隷関連施設の見学など盛り

沢山です。国際化が進む日本で、このように海外の大学と交流できることは素晴らしい機会

ですので、1人でも多くの学生に関わって欲しいと思います。学生からの交流レポートも

ありますのでお楽しみに!! 

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【テキサスA&M国際大学の先生方とお食事会】