2017年7月31日 (月)

ソーシャルワーク演習Ⅵ 事例報告会

社会福祉士養成課程では、ソーシャルワーク演習ⅠからⅤまでが必修科目とされていますが、
聖隷クリストファー大学では社会福祉学部独自の演習科目として、4年次に演習Ⅵを上乗せしています。

4年間の学びとさまざまな実習体験を経た上での、4年間の総仕上げともいえる演習です。Dscf0866
演習テーマは、ジレンマ事例の作成を通じ、ソーシャルワーカーの『強み』について考察する―ソーシャルワーカーはジレンマの状況に対して、どのように向き合い、一歩を踏み出すのかです。

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ソーシャルワークは「ジレンマに向き合う仕事」と言われます。「ジレンマ」とは、二つ以上の価値(選択肢)があって、そのうちどれを選択しても、どちらかに問題を残し、あちらを立てればこちらが立たない板挟みの状態です。

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 利用者の最善を追求するほどソーシャルワーカーのジレンマは強くなります。しかし、ジレンマは、ソーシャルワーカーとしての専門性を高め、最善を尽くそうと努力する者が感じる特権とも言い換えることができるでしょう。

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 4年間での学びの大きさと実習体験がもたらした成長を、それぞれの学生に感じることができました。きっと良いソーシャルワーカーとして育ってくれることと思います。

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社会福祉学科 川向

2017年7月28日 (金)

8月11日(金)オープンキャンパス開催

8月11日(金)の社会福祉学科のオープンキャンパスでは、「これからの社会で期待される5つのSW~精神保健福祉領域で活動するソーシャルワーカー/PSWの仕事~」の体験授業(約50分)を予定しています。Dpp_0081前回7/8オープンキャンパス 体験授業の様子

「精神保健福祉・・・とは?」、「PSWの仕事・・・とは?」聞き慣れない言葉が続いていますが、ここで少し解説を致します。精神保健福祉とは、「精神保健(メンタルヘルス)」と「精神障害者福祉」を合体させた言葉です。
もう少し砕いて言うと、「こころの健康」を保つことの知識の普及や「こころの健康」が悪化した状態からの回復支援を行うこととも言え、現代社会ではとても求められている仕事の一つです。「2030年までに無くならない仕事10選」には、「医療ソーシャルワーカー(Healthcare Social Workers)」と「メンタルセラピスト(Mental Health and Substance Abuse Social Workers)」が選ばれていますが、中間領域のPSWも同様であると考えていいでしょう。

参考:2030年までに無くならない仕事10選 /「消える職業」「なくなる仕事」
https://www.robertwalters.co.jp/career-advice/jobs-in-2030.html
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40925

また、PSWとはPsychiatric Social Workerの略で、平成10年に国家資格化された、精神保健福祉士のことを指します。


WHOは今世紀における保健上の最大の課題は精神保健(メンタルヘルス)の保持増進であると提示しています。我が国でもうつ病や自殺、発達障害、若者のひきこもり等が増加しており、精神科への受診者は約400万人近くになっています。
2011年厚生労働省は、従来の四大疾病に精神疾患を加えて「五大疾病」とすることを発表しました。


精神保健福祉士(Psychiatric Social Worker)は、精神科病院そのほかの医療施設において医療を受けることの支援や、居住支援や就労支援事業所等の利用を希望する方の相談に応じます。また、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練を提供し、心理的支援や家族支援、年金等の公的制度の利用支援を行います。
また近年では、うつ病、PTSD、薬物依存症等の予防や早期支援を行う「こころの健康対策」や「自殺対策」においても、精神保健福祉士への期待は高まってきています。


参考:厚生労働省 知ることからはじめよう「みんなのメンタルヘルス」
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/nation/psw.html

更に産後うつ病やこどものうつ病、発達障害の2次障害等を加えると、人が生涯のうちでこころの病(精神疾患)になる割合は18.6%であると言われています。
これは5人家族であれば、一人がこころの病(精神疾患)に罹る可能性があるということを示しています。


私自身は、元々臨床心理士として、精神科医療機関で勤務していたのですが、地域での精神保健福祉活動を展開させていくために、国家資格である「精神保健福祉士」を取得し、支援施設やNPOを創設してきました(因みに臨床心理士は国家資格ではありません)。

今後益々こどもから高齢者までの各ライフステージに応じた支援ができる精神保健福祉士(Psychiatric Social Worker)は求められてきます。
当日は、更に詳しく解説します。皆さんのご来校をお待ちしています。

2017年7月12日 (水)

社会福祉学部オープンキャンパス(その2)~学科紹介・模擬授業・懇談会の様子~

7月のオープンキャンパスでは、社会福祉学科には、高校生15名と11名の父兄の方々にご参加いただきました。ありがとうございました。

佐藤学科長による社会福祉学科の紹介です。21
村上先生による模擬授業です。
テーマは「これからの社会で期待される5つのSW~医療福祉領域で活動するソーシャルワーカー/MSW仕の仕事」22
学科ごとの懇談会は学生と父兄の方々とグループを分けて行いました。23

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高校生の素朴な質問に、学生スタッフがこたえていきます。
次回は、8月11日(祝・金)と26日(土)に開催します。またのご来校をお待ちしています。


社会福祉学科 川向

社会福祉学部オープンキャンパス(その1)~ウェルカムイベントの風景~

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7月のオープンキャンパスの報告です。
オープンキャンパスは、学部・学科紹介、入試説明、模擬授業、懇談会をメインに開催されていますが、オープニング企画として、学生によるウェルカムイベントが行われます。

企画や準備、運営に至るまで、すべて学生スタッフが担います。2まずは、当日の準備の様子です。

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4授業で使用いさているテキストや演習授業の資料も用意しました。

5 この日はたまたま、1年生スタッフのHさんのお誕生日でした。先輩からアイスのプレゼントです。

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7本番前の打ち合わせ。学生スタッフは聖隷Tシャツで揃えます。

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9イベントのメインは手作りのスマートボールです。

10こども教育福祉学科の作品も展示しました。

高校生の皆さん、楽しんでいただけましたでしょうか。またのご来校をお待ちしています。

社会福祉学科 川向

2017年7月11日 (火)

ライフサイクルとソーシャルワークⅠ②

1年春セメの「ライフサイクルとソーシャルワークⅠ」(選択必修)では、現代社会のこども・若者の諸問題を保健医療福祉の専門職者として、社会福祉学的視点から理解できるように、講義を受講し、グループで話し合いを行い、発表テーマを決定し、次の回でグループ発表を行っています。

前回の「発達障害・いじめ」の講義を受け、今回は3つのグループから発表がありました。①「発達障害の基本的な知識・定義などについて」、②「発達障害と2次障害」、③「発達障害と周囲との関係」等でした。

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どのグループも協力して、的確に調べ、発表していました。「発達障害やいじめの被害」から派生した心の傷が、クライエントを生き難くしているという課題に、ソーシャルワークを実践する上で、直面することがあると思います。学生のうちから文献を調べたり・外部の勉強会や当事者の方の発表会に出かけたりと、学びを深めて行って下さい。授業の中で、随時情報は紹介していきます。


2017年6月27日 (火)

体験発表会学生ボランティア

 6月24日に、「じゃんだらにぃ2017  with あ~と de い~ら」(主催:NPO遠州精神保健福祉をすすめる市民の会・後援:聖隷クリストファー大学保健福祉実践開発研究センター)が行われました。

「じゃんだらにぃ」は、2009年度から始まった取り組みで、精神科利用者が自身の病気の体験や回復までの過程などを、自身の歴史や苦労、楽しみや夢も交えながら語る会で、2015年度から「作品展」も合体し、精神科利用当事者の世界観を「聴いて」「語って」「見て」「感じる会」になりました。

「じゃん」、「だら」、「にぃ」は、遠州弁の語尾で、この地域では日常的に使われています。
まずは、オープニングダンス。現場で働く先輩達のキレのある、「じゃんだらにくす」。

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2017年度は2名+1組の方が、スタッフとの掛け合いで発表してくださいました(参加者約200名)。 それぞれに様々な特徴があり、笑いあり、涙ありの、とても内容の濃い時間になりました。 第2部では、発表者がそれぞれのブースに別れて参加者との意見交換をおこないました。

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作品展「あ~と de い~ら」には、絵や写真、書、手工芸品等、この日のために1年間準備してきた秀作・珍作が並びました。また、エントランスでは福祉事業所による物販も行われました。

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本学科からも、8名の学生がボランティアとして参加しました(写真は、最後の反省会の様子)。

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今回の様に、地域の様々行事にボランティアとして参加し、当事者や先輩達の姿に触れることで、学生さん達は徐々に自分の進む道が見えてきます。

学生、大挙して押し寄せる!

今日はMさんの誕生日。20歳になったそうです。Mさんと仲間が大挙して研究室に押し寄せました〈押し寄せてくれました〉。皆、オープンキャンパスをお手伝い下さる学生スタッフです。

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そう、〈誰にだってある素敵な日🎶、一年に一回の素敵な日🎶、それは、それは、それはね、お誕生日~🎵🎶〉昔、教育テレビの「おかあさんといっしょ」で、うたのおねえさんと一緒に娘が歌っていたことを思い出しました。そんな娘も二十代半ば、気がつけば私も五十代後半となりました。年は、皆平等に重ねるものですね。

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Mさん、おめでとうございます。青春を謳歌してくださいね。良いことがいっぱいある事を願っています。

〈さて、ここでためになる話を一つ〉
こんな出来事があって、私が担当する障害者福祉論の授業の中で、「年齢」にまつわる決まりについて、その概略にふれました。〈一部の学生には耳にタコかも・・・〉


「年齢計算ニ関スル法律」で、年齢が一歳増えるのは誕生日の前日です。ですから、学齢上も、4月2日生まれの学生がその学年で一番の「にいさん・ねえさん」ということになります。その年度初日の4月1日に年齢が上がるからです。一方、4月1日生まれの学生は、3月31日に年齢が上がってしまうため、前年度の学齢となり、一つ上の学年に在籍することとなります(いわゆる早生まれ)。
「誕生日の前日に年齢が一つ上がる」決まりは、年金受給資格や生活保護法と介護保険法との関連等で実務上実に重要です。片隅で覚えておくと良いでしょう。


社会福祉学科 川向

2017年6月22日 (木)

6月オープンキャンパス

本年度第1回目のオープンキャンパスが6月17日に開催されました。
オープニングイベントの一つ、「ペットボトルボーリング」。

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6_23年生が実習で不在の中、今回初めてメインを務めた2年生学生スタッフが準備しました。

今年度の社会福祉学科の体験授業は年間テーマを「これからの社会で期待される5つのSW」とし、今回は佐々木先生によるスクールソーシャルワーカーについての授業でした。

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今後は
7月18日 医療福祉領域で活動するソーシャルワーカー/MSWの仕事
8月11日 精神保健福祉領域で活動するソーシャルワーカー/PSWの仕事
8月26日 地域福祉領域で活動するソーシャルワーカー/CSWの仕事と続きます。

多くの高校生の参加をお待ちしています。

2017年6月20日 (火)

ライフサイクルとソーシャルワークⅠ

1年春セメの「ライフサイクルとソーシャルワークⅠ」(選択必修)では、現代社会のこども・若者の諸問題を保健医療福祉の専門職者として、社会福祉学的視点から理解できるように、講義を受講し、グループで話し合いを行い、発表テーマを決定し、次の回でグループ発表を行っています。

これまでに扱ったテーマは「若者の社会的自立・若者の自殺」、「不登校・ひきこもり」、「発達障害・いじめ」です。写真は、「発達障害・いじめ」の講話を、ゲストスピーカーの先生から受けている様子です。

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次回は、3つのグループからの発表です。発表の担当でなくても、関連した新聞を読んだり、文献を調べたりと、それぞれの興味や関心に基づき、事前学修に取組みます。1年次から、アクティブラーニングを実施することで、主体的に学ぶ姿勢が身に着いていきます。

社会福祉学科 教員

2017年6月19日 (月)

地域福祉推進セミナー「住民が参画する福祉のまちづくり、人づくり、ささえあいづくり」 ~社会福祉の基礎構造改革から現在までの変化を踏まえて~

6月10日(土)、浜松市社会福祉協議会北地区センターの主催で、地域福祉推進セミナーが開催されました。本学1701教室に80名あまりの参加者がありました。

 関西学院大学の藤井博志先生をお招きし、「人は人との関係の中でしか自立できない(共生)」という社会福祉の自立観に立ち、「生活と共同性」を取り戻す地域住民の自治活動(住民主体)の必要性と方法についての講義をいただきました。

 当日は、地域で活動されている地区社協の方、民生委員等の多数の参加がありました。小地域での社会福祉課題の解決や浜松市全体の福祉力を高めていくためには、地域住民が主体的に取り組む小地域活動に、専門職や専門機関、行政をいかに巻き込み、協働していくかが重要であることを学びました。

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社会福祉学科 川向