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2021年10月

2021年10月12日 (火)

卒業生さんによる職業・職場紹介 MSW(メディカルソーシャルワーカー)・川崎さん編 その②

前回、ご紹介させていただきました、現在MSWをされている川崎さんの職業・職場紹介の続きです!
今回は、ソーシャルワークのコアな仕事の一つとしての多職種連携について、また、就職後役に立っている在学中の学び、今後の目標についてご紹介させていただきます!

【多職種連携でクライエントをサポート】
MSWは病院の建物の中で働いていますが、院内のスタッフや患者さんだけでなく、他病院や地域関係機関など多くの方と関わり一緒に仕事をすることができます。「多職種連携」を常に考えることができる環境だと思いますし、ここまで多職種と関わる職業もなかなかないのでは・・・と思います。難しいと思われがちな仕事ですが、独りで仕事をしている職種ではないのが最大のメリットで、一緒に仕事をする方たちと相談をしながら支援を進めていくことができます。経験年数を重ねていくほど人間関係も構築されていきますし、「ちょっと教えて」と言えることがとても大事なことだと思います。本当にたくさんのいろんな方がいる世界ですので、「人が好き」というよりも「人に興味がある」という方には向いている仕事なのかなと感じます。(人を嫌いになってしまうこともあるので…)自分の価値観や人生の幅がとても広がる素敵な仕事だと常々感じます。日ごろの自分の生活に役立つ知識もあってよく家族にも重宝されます。

【大学時代の学びや経験で役立っていること】
就職をして10年経ち、ホームカミングデーの実行委員で大学を訪れた時とても懐かしい気持ちになりました。社会福祉の基本的な知識だけでなく、対人援助職として多方面から人を捉えるとはどういうことか、エビデンスに基づいて考察を立てることなど、また大学で講義を受けたいと思っているくらい、本当にたくさんの『引き出し』を得ることができる場所だと思いました。どの先生も一生懸命ご指導を頂き感謝の気持ちでいっぱいです。さまざまな「専門職」として仕事をしている友人がたくさんいるので、大学での学びはそのすべての基礎を作り上げているといっても過言ではないと思っています。

【今後の目標】
就職をしてから無我夢中で仕事をした新人時代、子ども二人の産休・育休を挟み、今は仕事・育児・家事をこなす毎日です。それでも10年間の経験をしてきたことで、仕事のやり方については気持ちの余裕はでてきました。また後輩やこれからMSWを目指す学生さんなどにきちんとこのソーシャルワークがお伝えできるように、これまで学んできた経験と知識をリンクできるようにしていきたいと思っています。研修だけでなく、同職種・多職種の人との関わりをもって刺激を受けながら邁進をしていきたいです。

【ホームカミングデー実行委員として】
実行委員のご依頼を頂けたことに感謝しています。落合先生、野田先生ありがとうございます。
コロナ禍で不謹慎な言葉になりますが、久しぶりに同窓生と集える機会があることがとても嬉しいですし、楽しみです。
これまでほとんど出席したことがないホームカミングデー…右も左もわからない状況ですが「楽しみ」という気持ち先行で会議にも参加させて頂いています。先生や先輩・後輩に助けられながらも素敵な時間を創っていければと思います。

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2021年10月11日 (月)

卒業生さんによる職業・職場紹介 MSW(メディカルソーシャルワーカー)・川崎さん編 その①

本学では、例年学園祭(聖灯祭)の日に「ホームカミングデー」として、卒業生の卒業生による卒業生のためのイベントが開催されます。今年度も6月からホームカミングデー実行委員の皆様による企画づくりがスタートし、これから詰めの準備に入っていくところです。
今回は、今年度のホームカミングデー実行委員として企画・運営にご尽力いただいている卒業生の川崎さんにMSW(メディカルソーシャルワーカー)として勤務されている病院のことやMSWのお仕事についてご紹介していただきましたので、2回に亘ってご紹介させていただきます!
本学入学の際の動機としてMSWを志している方は大勢おられますし、最近は特にMSWとして病院に就職する学生が増えていますので、大変参考になる内容になっています!

 

【職場の紹介】
愛知県豊橋市にあります「成田記念病院」という急性期の病院で社会福祉士として仕事をしています。病床数284床、診療科は29科あり、系列施設としては回復期病院や透析専門のクリニック、老人保健施設などがあります。
私が所属している相談室は社会福祉士が5人、退院支援専門看護師が3人おり、ペアを組んで病棟担当制で業務を行っています。


【仕事の内容、やりがい、楽しさ】
主に退院支援業務の仕事をしています。退院先としては他病院への転院、施設入所、自宅へ退院などがありますが、患者さんの希望や病状に合わせて支援を行っています。病棟からの依頼を受けて介入を開始します。患者さんによって退院支援が必要となる理由が異なりますので、十分に情報収集とアセスメントを行いながら支援方法を検討しています。また、同じ病名の患者さんでも年齢やキャラクター、ご家族との関係性、経済面など生活背景も異なりますので、ケースにあったアプローチ方法を考えていくこと(その方法が奏功するかどうかは別として)にやりがいを感じます。ケースを展開していく中で発想力が鍛えられて楽しいですし、全く同じケースはありません。スムーズに支援ができるか、予想外の展開を迎えて結果オーライで終わるか、不完全燃焼で終わるかはやってみないとわかりません・・・急性期病院だからこそ経験ができる面白さだと思います。相談室内でもコミュニケーションをよくとるのですが、違う視点や発想力をもった相談員同士でケースについて話をするととても盛り上がります。

 

【難しさと、自分の成長】
対人支援がやりがいに感じる反面、悩みにもつながります。“自分の常識”からかけ離れたキャラクターや価値観をお持ちの方もいらっしゃいますので、対応に苦慮したり、ストレスを感じたりすることもあります。確実に自分の経験には積み重なっていきますので、その当時は対応に必死で余裕はありませんが、振り返ってみると「良い経験だった」と思えるようになります。仕事においてもプライベートにおいてもあまり物事に驚かなくなりました(笑)

 

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