2016年6月13日 (月)

当事者団体と作業療法士は同じ方向を向いている

 最近、大変勉強になる学習会や研究会に参加させて頂く機会が結構あり、お声かけ頂かないことにはそのような学習会や研究会の存在すら知らない訳ですので、大変ありがたく思っています。

 さて、そのなかで、今回はVHO-net東海学習会の参加の感想を書こうと思います。

 この学習会は、ファイザー株式会社が社会貢献の一貫として資金援助を受け、運営しているのですが、筋ジス、CMT、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、ベーチェット病など、各障害・疾患の団体のリーダーが集まって成り立っており、私が参加したときには20名程の参加者がありました。内容は、講演会活動の模擬練習、社会資源(会議が行える施設)の情報共有などをしていました。

 個別の作業的な視点でみると、講演講師という役割活動でのスキルアップ、地域資源へのアクセシビリティの向上などが期待できるのかなと思いました。

 私が強く印象に残ったことが障害・疾患を超えた集まりである点でした。同じ障害を持った当事者団体の活動はよく見かけるのですが、そうではないこのような集まりは初めてだったのです。

 ただよくよく考えてみると、各団体のリーダーの課題は、障害・疾患による否定的な経験を肯定的な経験へと変換する作業的機会を創出する、そのために、社会との交流を増やしていくことで共通しているのではないかと思いました。

 今日、講義のなかで、久しぶりに作業療法士の藤原茂先生が行う夢のみずうみ村についてのNHKの番組を見ましたが、「障害を持ったからこその楽しい・輝く人生」という言葉が心に深く残りました。それと同じことではないかと思うのです。障害・疾患による否定的な経験は社会から与えられる部分が多々あると思います。それをいかにご本人にとって肯定的な意味を抱ける経験に変換していくか。それは作業的な機会を操作する作業療法士にとって最もやりがいのある仕事であると藤原茂先生の番組を見て、あらためて思いました。

 そのことに関して当事者団体と作業療法士は同じ方向を向いています。だからこそ、一緒に何かを探りあてていくなかで、障害・疾患を持つ人にとって楽しい豊かな暮らしの創造につながってゆけるのではないかと感じたしだいです。

 

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