【No.031】Samuel Merritt University(SMU)訪問記
こんにちは、理学療法学科長の大城です。
今回、2012年11月5日(月)から9日(金)に、
米国サンフランシスコ(バークレー)にあるSamuel Merritt University(SMU)を訪問してきました。
目的は、本学と同様の学部と学科を備えるSMUとの交流を図るための視察です。
SMUには、医学部、看護学部、理学療法学部、作業療法学部、足病学があり、
私は理学療法学部を中心に視察をしてきました。
理学療法学部は、1990年に修士入学レベルで開設され、2002年からは博士入学レベルとなっています。
入学生は、学士(Bachelor)以上の学位(分野は問わない)を有し、
博士課程での理学療法士の養成(Doctoral
degree in Phyisical Therepy;DPT)が行われます。
これは、米国理学療法士協会(APTA)が理学療法士の教育を博士レベルと定めたことによります。
教育課程は、3年制の3セメスター制(春・夏休みなし)で、
カリキュラムは臨床中心の理学療法専門科目に特化しています。
教育内容で感心したことは、1つはcomputer-based learningです。
学生はタブレットやPCを持って授業に参加し、それにテキストや事前配布の講義資料がインストールされ、
授業の事前・事後学習が積極的に行われているようでした。
またクイズ(小テスト)、レポートの提出と添削等もcomputer-basedで行われます。
近い将来、本学でもこのようなcomputer-based
learningのシステムが取り入れられるだろうと思いました。
もう一つは、模擬患者によるシミュレーション学習を通して、臨床推論の思考が展開されていることでした。
私が見学した日には、actor patients(役者が患者役を演じる)によるシミュレーション学習が行われていましたが、
なぜそのような問診、検査、治療を選択したのか?
臨床推論過程を的確に口述するよう学生は求められ、ビデオ撮影の結果がフィードバックされていました。
3つ目は、各セメスターに臨床見学と実習が配置され、臨床を重視したカリキュラムなっていることです。
学内には、専属の臨床コーディネーターがいて、臨床施設との連携が図られていました。
実習地であるAlta Bates Summit Medical Center を訪問しましたが、
臨床指導者の教育指導に対する認識が高いという印象でした。
またこれら学ぶことも多い一方で、本学の教育内容や研究レベル、
教育に対する教員の情熱は決して、SMUに引けを取らないとも感じました。
今後の交流については、教員間交流(教育や研究)、学部生の学生間交流・臨床経験、
大学院生の研究交流などが推進される予定です。
現在、グローバル化した社会にもかかわらず、特に日本人学生の海外留学が減少していることが危惧されています。
皆さんには広い視野を持って海外にも目を向けて、SMU等への留学を検討していただきたいと思います。
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