2016年 言窓会
教員の谷哲夫です。
9月17日に本学言語聴覚学科の卒業生が組織・運営している
「言窓会」の研修会でお話をする機会に恵まれました。
タイトルを「WAB失語症検査の特徴―SLTAとの比較」として、
WAB失語症検査(以下、WAB)の特徴を説明しました。
WABの特徴はなんと言っても重症度を数量化できる点です。
失語指数や言語能力指数といった指標で
多くの失語症者との比較・検討ができます。
さらに、WABは急性期の失語症評価に優れています。
つまり、「自発話」「話し言葉の理解」「復唱」「呼称」の
4つの検査項目を実施すれば失語指数が算出できるのです。
ベッド上で無理なく実施しながら失語指数が算出できる点は
「群馬脳卒中医療連携の会」の急性期病院STにも評価され、
群馬脳卒中クリティカルパスにおけるリハビリ報告書では
失語症評価はWABの失語指数を記載することになっております。
参加した卒業生たちのほとんどが普段の臨床で
WABを使用したことはないということでしたが、
この機会に試してみたいという声があったことは幸いでした。
いずれにしても、病院、施設の機能に合致した検査バッテリーを選択できると良いと思います。
このような機会を与えてくださった
「言窓会」の運営関係者の皆様に深謝いたします。