【No.552】卒業生レポート No.1 2021 ~学会で優秀賞をいただきました!!~
皆さん,こんにちは.
理学療法学科11期生の鈴木です.
私は現在,大学院修士課程に所属し有薗信一教授の御指導の下,日々研究を行っております.
本日は,「第43回日本呼吸療法医学会」において私の演題が優秀賞に選ばれましたので,御報告致します.
7月3-4日にパシフィコ横浜会議センターにおいて「第43回日本呼吸療法医学会学術集会」が行われました.
写真1:有薗先生と私
写真2:会場の様子
私は「せん妄患者はCAM-ICU評価中のワーキングメモリーと感情領域の脳血流量が上昇しない」という演題を発表させていただきました.
写真3:発表の様子
私の研究テーマは「せん妄」です.せん妄とは,急に時間や場所が分からなくなったり,注意力や思考力が低下したりするなど様々な症状を呈する急性脳機能障害です.せん妄の発症は重症患者の生命予後に関わり,医療現場全体に渡る問題です.そのため,発症メカニズムの解明,発症予防プログラムの開発が喫緊の課題となっています,
今回は,せん妄発症直前の「閾値下せん妄」に着目して発表しました.
対象は,急性呼吸不全で当院呼吸器内科に入院した患者さんです.
内容は,CAM-ICUというせん妄評価ツール実施中の前頭前野脳血流量を測定し,「閾値下せん妄」時にはワーキングメモリー,感情領域の脳血流量が上昇しない,ことを明らかにしました.
今回の結果から,せん妄を発症する患者さんは,せん妄発症前からワーキングメモリー,感情領域の脳活動が低下していると言えます.せん妄を予防するためには,それらの脳領域を使う課題や運動を早期リハビリテーションに取り入れることが有効であると考えられます.
今回の発表は対象患者16名と限られた人数ではありましたが,今後の理学療法プログラム開発の一助になったのではないかと考えています.
今回,優秀賞をいただくことができたのは有薗先生をはじめ大学院の先生方の御指導のお陰です.
今後も,データ測定を継続し,修士論文完成に向け進んでいきたいと思います.
写真4:学会長より賞状をいただきました
お読みいただき有り難うございました.