【実験レポート】ほっぺを膨らませる運動でアゴ下の筋肉も鍛えられるのか~嚥下機能改善への新たな可能性~
先日、「舌骨上筋群」 というアゴの下にある筋肉の活動について調べる実験をお手伝いさせていただきました。この筋肉は、(1)口を開ける時、(2)舌を持ち上げる時、(3)食べ物を飲み込む時(嚥下)に重要な役割を果たします。この筋肉を鍛えることは、これらの動作をスムーズにする上でとても大切なんです。
舌骨上筋群のトレーニング方法には、専用の機器を使うものと、手軽にできるものがあります。
<機器を使うトレーニング>
* 電気刺激
* 磁気刺激
* 筋電バイオフィードバック
* 呼気負荷トレーニング
<機器を使わないトレーニング>
* 開口運動(口を大きく開ける)
* 首を前に曲げる運動
* 舌を上あごに押しつける運動
* 寝た状態で頭を上げる運動
今回の実験では、同じ大学の先輩から、「ほっぺを膨らませる運動でも、アゴ下の筋肉が鍛えられるのではないか?」 という仮説が立てられました。
そこで、
* 開口運動時
* 舌を上あごに押しつける運動時
* 頭部挙上運動時
に加えて、
* ほっぺふくらまし運動時
の計4つの運動を行った際の筋肉の活動を、筋電図という装置を使って詳しく調べました。
気になる実験結果は…なんと!
1~4のどの運動を行っても、アゴ下の筋肉で同じ程度の活動が見られたのです!
これは、ほっぺを膨らませるという日常的な動作でも、意識せずアゴ下の筋肉を鍛えられる可能性がある という、驚きの発見です!
実験の様子を少しご紹介しますね!
他の参加者4人と楽しく実験のお手伝いができました。貴重なデータを見させていただいたときは、大変感動しました。
この興味深い実験結果は、9月に横浜で開催される学会で発表される予定とのことです。嚥下機能の改善に繋がる新たな発見となるかもしれません。今後の発表がとても楽しみです!
今回の実験を通して、日々の何気ない動作が、体の機能維持・向上に繋がる可能性を肌で感じることができました。貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました!
コメント