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2015年9月29日 (火)

産学連携事業


教員の柴本です。
これまでの研究成果を基に、岩手県のパタンアート研究所様と共同で構音評価訓練用アプリケーションを開発しました。スマートフォン(Androidのみ)で使用できるアプリです。
「スピトレ(評価編)」と「スピトレ(訓練編)」の2つがあります。

そもそも研究開発に至った経緯は、構音訓練をする方が十分な訓練を受けられているのか?といった疑問でした。①日本の言語聴覚士数、②医療保険制度の変革等から必要な方が必要な医療サービスが受けられていないとしたら、別の方法で補完をしたいと思った次第です。このアプリは言語聴覚学と工学との融合で完成いたしました。

少し紹介をします。「スピトレ(評価編)」です。発音の評価と発声時間がスマホでできるようになっています。発音の評価は、評価や訓練したい語を選んで、指示の通りにスマホに向かって話すと〇か×で示します。発音が合っていれば〇で、違っていれば×です。発声持続時間は、スマホに向かってなるべく長く発声をすると自動的に時間と声量を計測してくれます。そして、その結果をデータベースに残してくれます。後で自身の成長や改善の過程を見ることができます。

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「スピトレ(訓練編)」は、ボール型ロボット(Sphero2.0)の動作を単語の発音と関連づけ  音声認識が成功すれば、ロボットの運動にフィードバックされるものです。ことばでボールの動きを操るというものです。進行方向、回転速度、発光色を操作することができますので、楽しく訓練ができるように工夫されています。Sphero2.0 は,Sphero社 (旧orbotix社)が開発しており、市販されていますので容易に手に入れることができます。

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こういう活動を通じて、少しでも構音障害の方々の訓練が進み、社会貢献ができれば望外の喜びと感じています。これからも、自身の研究成果で人のお役にたてられるように研鑽をして参ります。