« 2020年1月 | メイン | 2020年3月 »

2020年2月

2020年2月13日 (木)

【No.470】聖隷クリストファー大学理学療法学科卒業生研修会報告 Vol.7

こんにちは。

理学療法学科9期生の笹田教太郎です。

徐々に気温が低くなってきていおり、インフルエンザや新型感染症など話題となっている日々ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

今回は2020年1月28日に行われた聖隷クリストファー大学理学療法学科卒業生研修会について報告させていただきます。

聖隷クリストファー大学では卒後教育として、また卒業生の集まる機会として、卒業生による研修会を企画し、定期的に開催しております。

現在、本学卒業生および聖隷福祉事業団の1~3年目のセラピストの方々に参加いただいております。

今年度の目的としては「セラピストの知識・技術の向上、また臨床での悩みを共有できる機会とすること」であり、理学療法士における触診の講義・実技・ディスカッションが中心の内容となっています。

今回は例年講師を引き受けてくださっている聖隷クリストファー大学3期生の石井裕也さんに「変形膝関節の評価方法~痛みについて~」に関する講義と実技をしていただきました。

最近の変形性膝関節症に関する知見とともに膝関節の痛みに対する評価としての触診、整形外科的テストの実技を行いました。

 

1

講義の導入では変形性膝関節症の病態について運動学、解剖学、機能だけではなく、高血圧や糖尿病、心筋梗塞など内科的な要素も大きく関わっていることについて説明がありました。

2

それらを踏まえた上で発生機序に基づき、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、神経可塑性疼痛の3つの疼痛の分類から、侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛について触診と整形外科的テストによる実技を行いました。

 

3

侵害受容性疼痛に関しては侵害受容組織で痛みを感じやすい、膝蓋下脂肪体、鵞足部、内側関節裂隙、外則関節裂隙の圧痛所見をとることができるように触診を行いました。

4

自信をもって触ることができるように、時間をかけながら進行していただきました。

5

また鵞足炎に対する原因の鑑別テスト、McMurray testによる半月板の痛みを確認するテストを実施しました。

6

神経障害性疼痛では伏在神経、閉鎖神経領域への疼痛を確認するために縫工筋、外閉鎖筋への張力を加え神経支配領域へ疼痛の再現性が得られるかを確認していきました。

鵞足炎の鑑別評価と伏在神経、閉鎖神経の神経障害性疼痛の評価方法は似ていますが、病態としては異なるため、臨床推論の一助としてとても有用なものになると感じました。

さて、今年度の研修も今回で終了となりましたが、多くの方が参加してくださり、とても有意義な研修会になったと思います。

今年度講師を引き受けてくださった澤田さん、川合さん、石井さん、意欲的に参加してくださったみなさん、会場の手続きをしてくださった聖隷クリストファー大学教員の田中先生、この場を借りて感謝を申し上げます。

本当にありがとうございました。

 

以上、聖隷クリストファー大学理学療法学科卒業生研修会の報告とさせていただきます。

最後までご覧いただきありがとうございました。

2020年2月 5日 (水)

【No.469】3年生レポート No.7 ~「地域理学療法学の実践」活動紹介5~

皆さん、こんにちは

理学療法学科3年の福井涼太、小野虹輝です。

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

先日「地域理学療法学の実践」という講義の一環で、高齢者の方々の認知機能、運動能力の向上を目的に、和合せいれいの里にご協力をいただき活動させていただきました。

この活動の中で、利用者さんが生活の中で困っていることや、やってみたいことなどについて情報収集を行い、「転倒への恐怖心」「認知機能の低下」が多いということが分かりました。

1

これらの情報をもとに、利用者さんに何を提供するか、話し合って考えました。

2

転倒への恐怖心に関して、まず二重課題試験を行いました。内容は口頭で数字を数えながら足踏みを行っていただきました。2つの課題を同時に遂行する力は、加齢などによって低下しまい、転倒のリスクが高まってしまいます。そのため二重課題試験を行うことで転倒予防に努めました。またワークシートを用いて生活内で起こりうる転倒因子やその改善策を考えていきました。

認知機能の低下に関しては色読みテストや、単語の穴埋めなどを行いました。また利用者さんの意欲を低下させないためにゲーム形式で行いました。

実際に活動を通して楽しんで行って頂くことが出来ましたが、反省点として説明がうまく通らなかったこと、課題の難易度設定を間違えてしまったことがあり、個々へのアプローチではなく集団に対してのアプローチの難しさを改めて実感しました。

今後も、この経験が活かせるように日々精進していきたいと思いました。

最後になりますが今回の活動に協力してくださった和合せいれいの里の職員並びに利用者さんに深く御礼申し上げます。

ありがとうございました。