【No.416】聖隷クリストファー大学理学療法学科卒業生研修報告 Vol.7
こんにちは、理学療法学科9期生の笹田教太郎です。
新年度になりましたが、昨年2月に開催した、第7回卒業生研修会の報告をさせていただきます。
2018年度最後となる今回の定期勉強会では
「臨床研究を考える新人セラピストに向けて」
というテーマを7期生の佐久間俊輔さんに講義をしていただきました。
内容としては
臨床研究の必要性から臨床での研究の視点を持つために必要なことを実際に行っている研究を交えて講義をしていただきました。
最初に臨床研究の必要性に関して、ガイドラインを例に出して話しをしてくださいました。
理学療法士の治療指針として使用されているガイドラインでも、全ての患者に当てはまるということはありません。
そのため、目の前の患者に適応するのか考慮する必要があり、その判断には評価(アセスメント)する能力が重要となります。
ガイドラインは多くの患者に対して有効な治療指針ですが、必ず当てはまらない患者がいます。そうすると新たなデータが必要となってくるので、今までのエビデンスでは解決しない問題に対して臨床研究は必要であることがわかりました。
佐久間さんは、
「患者さんの問題点となりやすい痛みに対して運動療法が推奨されているが、運動療法による痛みが軽減するメカニズムは明らかになっておらず、そのメカニズムを解明するために日々研究を行っている」
と話してくださいました。
次に臨床研究の導入するためのポイントとして自らの臨床疑問(クリニカルクエスチョン)を探索することが必要だと話していただきました。
病態の理解、治療効果の検証を欠かさずに行い、症例検討を行うことの積み重ねが臨床研究につながることや一人で悩まずに先輩や周囲の人に相談する臨床のコミュニケーションにより、よりよいアイデアが生まれることも理解することができました。
また、臨床疑問の探索の方法としてPI(E)COや文献のはじめに・背景の文脈を理解することの重要性についても話していただけました。
最後には「百聞は一見に如かず」の熟語の本来の持つ意味から、臨床研究につながる熱いメッセージをいただきました。
今回の講義から臨床研究は何か大きいことをやらなければいけないことはなく、日々の臨床の評価を丁寧に行うことが臨床研究の第一歩となることがわかりました。
講師の佐久間俊輔さん、本当にありがとうございました。
今回の研修をもちまして2018年度の卒業生による勉強会は終了となります。
聖隷クリストファー大学の先生、講師の先生、運営スタッフ、たくさんの参加者のみなさんに感謝いたします。
2019年度も多くの方と学ぶことのできる勉強会を企画していきたいと思いますので、気軽に参加していただければと思います。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
最後に研修会に参加してくださった先生方と
9期生 笹田 教太郎