2017年11月30日 (木)

 「聖灯祭」

この11月は毎年、聖灯祭(学園祭)とホームカミングデー(同窓会)が同時開催されます。聖灯祭は在学生を中心に、近隣の病院・施設の方々、地域住民の皆様、卒業生や退職教員の方々が集う、本学ならではの祭典です。今年度の聖灯祭のテーマは「~Sense of unity~」でした。それには、一体感や連帯感、結束感という意味があるそうです。実行委員の皆さんは、このテーマに在学生や卒業生・退職教員、近隣の病院・施設や地域住民の方々と一緒になって楽しむという意味を込めたそうです。本学らしい希望に満ちたテーマだと感心しました。

 最近、「多様性」という言葉が良く聞かれます。一般的に、生物では多様性が高いほど、生態系の安定性が増大する傾向にあると考えられています。多様性に富んだ複雑系では、動的な秩序が生まれる(創発)と言われます。私たちも、一人ひとり異なったユニークさを持ち、多様性に富んだなかで生活や仕事をしています。そのような中にあって、さまざまな違いを尊重し受け入れ、その違いを積極的に活かすことが、新たな社会を創り上げるうえで大切です。本学の聖灯祭には、病気やハンディキャップを持たれた方々も多く来学され、出店されたり作品を展示されたりもします。本学ならではです。在学生は、聖灯祭でのいろいろな方々との出会いをとおしても、一人ひとりを大切にする愛の心を学ぶことでしょう。

 「最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。」一人ひとりの患者様、対象者の方々、学生の皆さん、教職員への愛を豊かに持ち大切にしたいと願います。

2017年10月26日 (木)

「Loved one、Lovely one、Loving person」

先日、第62回日本新生児成育医学会・学術集会において、「赤ちゃんと家族のあたたかな心を育むディベロプメンタルケア」と題した教育講演を行う機会をいただきました。早産・低出生体重児の新生児期のケアに関する講演で、赤ちゃんと両親・家族の関係性を大切にした、赤ちゃんの脳と身体と心の発達に寄り添うディベロプメンタルケア(発達支援的ケア)が、あたたかな心を育むうえで大切であるという内容です。

あたたかな心とは、他者への共感と思いやり、愛の心です。その愛の心は、赤ちゃんも私たちも、両親や他者から愛を与えられることで育まれていきます。愛された人(loved one)は、自分自身をも愛すべき者(lovely one)へ、そしてやがて人を愛する者(loving person)へと成長していきます。赤ちゃんは、そのような他者からの愛を本能的に感じ取る力とミラーニューロンという神経機構を有し、愛することを学ぶのです。

このような私と他者の関係は、私と神様の関係でもあると言えましょう。聖隷の先人は、私を神様から愛された存在として深く認識していたように思います。それゆえに、如何なる困窮や困難にも耐え得る自己を確立し、自己を犠牲にして隣人に愛を施すことができたのだと思います。このことは、対人援助職者としての私と患者さんや対象者の関係でもあります。自分が他者から愛されている存在であると自覚することは、対象者の心にも愛の心を芽生えさせ、生きる希望と勇気につながることでしょう。本学の建学の精神である「自分のように、あなたの隣人を愛しなさい」という教えはこのことを示していると理解できます。

 

古生物学者・地質学者であり宗教家でもあったテイヤール・ド・シャルダンは、「人生はただ一つの義務しかない。それは愛することを学ぶことだ。人生にはただ一つの幸福しかない。それは愛することを知ることだ。」と言います。学生の皆さんには、本学での学びを通して、愛ある専門職業人に成長してほしいと願います。

2017年9月20日 (水)

「同窓会in 東京」:歴史と伝統と創造

先日、「同窓会in 東京」が開催されました。本学では毎年、本学においてホームカミングデーという同窓会行事を行っていますが、今回はじめて学外での開催でした。会には、1969年に創立された聖隷学園浜松衛生短期大学卒業生、福祉医療ヘルパー学園の卒業生、聖隷クリストファー看護大学の卒業生、そして現在の聖隷クリストファー大学の卒業生の皆さんが参加されました。卒業後初めて再会された同級生の皆さんも、聖隷学園時代にタイムスリップしたように、学生時代の思い出や長谷川保先生はじめ当時の先生方の話で盛り上がり、聖隷の歴史を伺い知り大変楽しい会でした。そして、皆さんが聖隷の隣人愛の精神を今日も大切にされ、その精神が日々の仕事に生かされていること、聖隷の卒業生であることに自信と誇りを持っておられることがひしひしと伝わってきました。時代を越えて、聖隷の精神が脈々と受け継がれ、聖隷のタネが各地で実っていることを実感しました。

 

本学は、時代の要請に応えて幾度かの改革を経て、現在の国内屈指の保健医療福祉の総合大学に発展しました。開学当初の卒業生の皆さんが、奇跡のような発展ですねと言われるように。しかし、そのような幾度かの変遷を得たなかでも、聖隷の建学の精神である生命の尊厳と隣人愛の精神は脈々と、ぶどうの木のように受け継がれ根を張っています。

私たちは、その歴史と伝統を引き続き、その精神をつないでいかなければなりません。そのためには、先人や卒業生の皆さんから受け継がれてきた歴史と伝統を、受け身にして甘んじるのではなく、その根底に流れる精神を遵守尊重するとともに、時代の要請に応じて新しい物事を創造していかなければなりません。創造なくして伝統なしと言えます。

 

卒業生の皆さん、またお会いする機会を楽しみにしています。皆さんが遠く離れても、つながっていてくださることを心に留めて、建学の精神を大切にして新たな創造・発展を目指します。

2017年8月 3日 (木)

ぶどうの木

7月18日、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生が召天されました。深く哀悼の意を表します。

 

本学は、日野原先生とは深いご縁に支えられてきました。本学の歴代学長は聖路加(現:聖路加国際大学)のご出身で、看護学部教員の多くも同校の卒業生です。また前学長の小島操子先生は、日野原先生に師事し、「サイエンスとアート」ということを常に触れられていました。このサイエンスとアートは、日野原先生が尊敬されていたウィリアム・オスラー医師の「医学はサイエンスに基礎をおくアートである」の言葉を、日野原先生が日々実践されていたことでもあります。保健医療福祉の専門職者は、何よりも、アートに支えられた豊かな人間性を身に付けなればならなりません。

 

私は日野原先生とは数度しかお会いしたことがありませんが、あたたかく穏やかな深い愛を感じる先生でした。それは、キリスト教への深い信仰が先生のアイデンティティーにつながっていたのだと思います。先生が好きな聖句に、『わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。もし人がわたしにつながっており、またわたしがその人とつながっておれば、その人は実を豊かに結ぶようになる。』(ヨハネ福音書15章5節)があると聞いたことがあります。この「わたし」とはイエス・キリストです。先生はイエスの愛につながってこられたのでしょう。そして、続いて17節には「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい」という聖句があり、これは本学の建学の精神でもあります。先生もまた、イエスの愛につながり支えられ、その愛を隣人に注がれました。先生は、キリスト教信仰に基づいて立った方にこそ備え得る「愛」によって、「光」となられた方であったと思います。

2017年7月 3日 (月)

恩師の心に響く言葉:富士山よりも高く大きく

先日、恩師の慶事があり三島を訪れました。薄曇の中、新幹線の車窓から、いつもの在る雄大な富士山を眺めることができました。富士山を眺めると、日本人としてのidentityと安心感を覚えます。富士山には、「子抱き富士(こだきふじ)」という呼び名があるそうです。富士山には、私たち日本人を包み込む母の優しさと偉大さがあると感じます。 

慶事の席、恩師の石井俊夫先生(元三島総合病院リハビリテーション部長)と雑談のときに、「富士山よりも高く大きいよ!」という言葉をお聞きした。話の文脈は、人材の育成であったように思います。石井先生は、永くこの地でリハビリテーション医療に携わり、また静岡県理学療法士協会会長としても理学療法の発展と理学療法士の育成に貢献されました。今日の静岡県のリハビリテーション医療及び理学療法の発展は、先生の働きなくしてはなし得なかったと思います。言わば、静岡県の理学療法の発展の祖と云っても過言ではありません。 

先生が発せられた、「富士山よりも高く大きいよ!」という言葉は、何気ない言葉であったように思います。しかし、先生の人柄が良く表された大変意義深いものであると感じました。先生は当地で生まれ育ち、就労され、そして多くの後輩を育成されました。そしてそこには、いつも優しく雄大な富士山があって、苦楽をともにされたと思います。その言葉は、人材育成には、富士山のようにそこにあって見守り、人を包み込む指導者の愛、そして高く大きな志を育てることの大切さを表現されたのでしょう。 

大学の窓から、遠く富士山を眺望することができます。「富士山よりも高く大きいよ!」学生教育にも活かしたい心に響く言葉でした。

2017年6月 7日 (水)

「大学での学び」

新緑が色を増し、色鮮やかなアジサイが咲き始めています。アジサイの花色は多様性に富み、それでいて調和を感じます。この爽やかなひとときが過ぎれば、梅雨、そして厳しい暑さを迎えます。今このときから、心身と生活を整えておくことが必要でしょう。

 

今回は、大学での学びについて考えてみたいと思います。孔子の「論語」には、「最初は学を努め、次に学を好み、最後に学を楽しむ」とあります。学生の皆さんは「学を努め、学を好む」という段階でしょうか。これが、卒業時には「学を楽しむ」ところまで到達していただくことを期待しています。

 

学を楽しむには、日々の学修を積み重ね、主体的に学ぶことが大切です。主体的な学びでは、今ある知識を単に覚えることが目標ではなく、知と知を総合し、新たな知の創造を目指すことです。ここでは、教員の役割は知識を伝授することではなく、教員自身の知識や研究・臨床の経験を活かして、物事の考え方、発想、倫理、実践を示し、多様性を大切にして自分を超える学生を育てることです。学びの主役は学生の皆さんです。教員はそれを支える舞台となって、自己を犠牲にしなければなりません。

 

このように、大学での学びは学生・学友・教員がともに新たな知をco-creation共創し、未来へ開かれた窓として学生の可能性を引き出すものでなくてはならないと思います。学を楽しみ、皆さん自らの手で、未来の保健医療福祉のイノベーションをリードしていっていただくことを願います。

2017年5月 8日 (月)

聖隷の歴史:はじめに愛がありました

新学期が始まり一月が経ちました。一人ひとりの学生が、それぞれの人間的成長と新しい知識・技術の修得に向かっているように感じます。この一月の自己の成長を振り返り、次の目標に向かってください。

 

新入生に本学への進学理由を尋ねると、保健医療福祉の総合大学で恵まれた教育環境であること、聖隷グループ等での実践教育が充実していることなど、本学の教育特徴をよく理解して入学されているようでした。また、本学の歴史や建学の精神に共感してという学生も多く大変嬉しく思いました。私は、本学に進学される方や学生の皆さんには、本学の歴史や建学の精神を学び、それを精神の支柱とした保健医療福祉の専門職業人に成長してほしいと願います。

 

聖隷の歴史は、1930年、創立者である長谷川保ら6名の若きクリスチャンが一人の結核患者を受け容れたことから始まりました。当時、結核は不治の病で、感染の恐怖から地域住民からの厳しい迫害を受けることになります。また大恐慌の最中でもあり、食べることもできないほどの極貧で、借金を重ねながらの運営でしたが、長谷川保らは自らの命と生活のすべてを犠牲にして、患者さんの命の尊厳と療養を守り続けました。そしてそのような中に、真の幸せを見出していました。

 

なぜ、長谷川保らは、迫害や果てしない苦労や清貧に耐え、自己を犠牲にしてまでも人々の命や生活の救済にあたることができたのか? そして、そこに真の生きる喜び(生きがい)を見出すことができたのか?

 

聖隷の歩みは、一人の結核患者を受け容れ、自己を犠牲にして愛を尽くしたことから始まりました。聖隷の歴史には「はじめに愛がありました」。そしてその根源には、神様の愛がありました。長谷川保らはクリスチャンとして、神様の愛を信じ、聖書の教えに従い、それに突き動かされるように自己を犠牲にした愛を尽くしました。そのことが迫害や困窮に耐える力となり、人としての完全な幸福の境地にもつながったのでしょう。そして、それが今日の聖隷の発展を成し遂げるに至りました。

 

本学の建学の精神は、長谷川保らが自ら示したように、他者に愛を尽くすという実践の「生命の尊厳と隣人愛」です。私たち教職員は学生皆さんに尽くさなければなりません。学生の皆さんにも、長谷川保ら聖隷創立者の生き方から、自分自身の生き方を学んでほしい。そして、病気や障がい、生活に困難を抱える方々に尽くす専門職業人に成長してほしいと願います。

2017年4月10日 (月)

「現代のクリストファー」への成長を祈念して

 

 この度、大学学長に就任いたしました 大城昌平 です。この学長歳時記は、大学の時々の様子や、学長としての大学運営、学生教育などへの考えについて紹介させていただきます。お楽しみにいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

 

本学は、建学の精神であるキリスト教に基づく「生命の尊厳と隣人愛」の遵守・継承を基本に、保健医療福祉の専門職業人を育成することを通して、人々の健康と幸福、そして地域と世界の福祉に貢献します。2017年度は、看護学部・社会福祉学部・リハビリテーション学部・助産学専攻科の学生367名(うち3名編入学)と、高度専門職業人並びに研究者を目指す博士前期・後期の大学院生34名の新入生を迎えました。聖隷クリストファー大学・大学院入学式における学長式辞「現代のクリストファーへ」を学長歳時記第1号として掲載します。

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1926年、「聖隷」の歴史は、始まりました。そして、90年を経た本日、聖隷の精神、歴史、伝統をつなぐ、新入生の皆さんを、私たち聖隷クリストファー大学に迎えることができ、喜びと感謝の念に堪えません。401名の新入生の皆さん、ご入学、おめでとうございます。教職員・在学生並びに卒業生を代表して、心よりお祝いと歓迎を申し上げます。また、これまで皆さんを支え、この晴れの日をお迎えになった、ご家族の皆様にも、お祝いと感謝の気持ちをお伝えします。そして、本日ご多用のなか、ご臨席くださいました、ご来賓の方々に、心よりお礼を申し上げます。今後とも、保健医療福祉の未来を担う、学生の成長を見守り、ご支援くださいますようお願いいたします。

 

戦後1949年、創立者である長谷川保は、我が国の戦後復興には、保健医療福祉を担う人材養成が欠かせないと考え、今日の教育事業の出発点となる「遠州基督学園」を設立いたしました。以来、本学は、建学の精神であるキリスト教精神に基づく「生命の尊厳と隣人愛」を教育・研究・諸活動の中心に置き、今日まで発展してきました。今日では、創設以来、約12,000名の卒業生を輩出し、また大学院博士後期課程をも有する、我が国有数の保健医療福祉の総合かつ先端大学に進展しています。皆さん、今日から、聖隷クリストファー大学の一員として、これまで先人が築いてきた聖隷の精神、歴史、伝統を継承し、新たな歴史を一緒に作っていきましょう。

 

さて、本日の入学式にあたって、皆さんには、私たちの3つの使命について考えていただきたいと願います。

 

1つ目は、本学の使命についてです。

本学は、キリスト教に基づくミッション・スクールです。ミッションとは「使命」という意味のほか、「伝道する」「道を伝える」という意味があります。聖書のなかの福音に、イエス・キリストが最後の晩餐の場面で弟子に語った言葉があります。『あなたがたが、わたしを選んだのではない。わたしが、あなたがたを選んだのである。それは、あなたがたが行って実を結び、その実がいつまでも残るためである』という言葉です。私たちは、選ばれしものとして、建学の精神である「生命の尊厳と隣人愛」の「道を伝える」という使命があります。

1930年、創立者である長谷川保らは、当時まだ不治の病で、感染の恐怖から家族からも見捨てられ、住むところもなく、食べることもできなくなった結核患者の療養施設を始めました。しかし、その運営は、筆舌に尽くせない迫害と困窮を極めるに至ります。そのような中にあっても、長谷川保らは、自らの命をかけ生活のすべてを犠牲にして、患者さんの苦しみや悲しみを背負いながら、療養と命の尊厳を守り、そして死に向かう患者さんの手を握って祈りを捧げました。まさに、聖なる神様の奴隷として、「隣人愛」に生きた、生き方でありました。私たちは、この実践に基づく「生命の尊厳と隣人愛」を精神の支柱として、苦しみや悲しみの中にあって、私たちを必要としている人々と共にあらねばなりません。皆さんには、日々の学修の中で、「生命の尊厳と隣人愛」を常に座右に置き、人生における、その尊い意義を覚えられることを願います。「自分のように、あなたの隣人を愛しなさい(聖書)」。

 

2つ目は、保健医療福祉の専門職業人としての使命についてです。

少子高齢化、疾病の多様化、社会システムの構造変化が進展する現在において、保健医療福祉に携わる私たちへの期待は大きく、また複雑多様化しています。そのような中にあって、人々の生命、生活、尊厳を守り支える私たちの使命は、大変意義深く献身に値するものであります。その使命を果たすため、私たちは、建学の精神に裏付けられた人間観の上に、教養と専門分野の知識・技術を修得しなければなりません。その学びの過程は、決して平坦ではないでしょう。しかし、その道のりは、対象者を希望に導くとともに、あなた方自身の喜び、生きがい、幸せを見出す、自分だけのかけがえのない道であると信じます。皆さん、私たちに与えられた、この尊い使命を自覚し、生涯にわたる自己研鑚の旅路を一緒に歩んでいきましょう。私たち教職員も、皆さん一人ひとりに尽くす教育を行なうことを誓います。

 

大学院生の皆さんは、より高いレベルの専門性を極めるため、現在の課題を研究し、より高度の知識・技術の修得を目指されます。それは、「philosophia」、すなわち「知を愛し求めること」にほかなりません。ソクラテスは、『「知を愛し求める者」というのは、まだ知識をもっていない。もっていないからこそ、ひたすらそれを愛し求めるのだ』といいます。知識を得ることは、同時に、無知を自覚することでもあります。そして、知識を得たいという基本的な人間欲求が、科学革命、文化の発展を導きました。大学院生の皆さん、高度専門職業人、研究者として、倫理性、科学性、そして奥深い学識を身につけ、また知の探求者として、新たな知を創造されますことを期待いたします。

 

3つ目の使命は、自己成長に対する責任についてです。

自己の成長は、自らに、その責任があることを自覚しなければなりません。今日ここに、真に志を立てましょう。そして、失敗を恐れず、あきらめない心で、果断に挑戦する勇気をもってください。未来ある皆さんにとって、最大の失敗は「失敗を恐れて、ただの傍観者になる」ことです。皆さんの未来は、皆さん自身の手中にあります。

 聖隷の歴史も、人々の助け、社会の必要に果敢に挑戦する、改革の歴史でもありました。本学はこれから、保健医療福祉の先端大学として、アジアを中心とした国々と人々に、積極的に国際貢献することにチャレンジしていきます。本年度は、ベトナムから大学院生を迎えました。短いメッセージを送ります。

 

I’d like to express our special and warm welcome to Ms. Vu Van Thanh. I am sincerely looking forward to you and your country's success. I hope you’ll become a bridge between our two countries: Japan and Vietnam.

 

皆さんにも、この地域を基盤にして、世界とのつながりをも視野に入れた、高き夢をもって欲しいと願います。

 

最後に、皆さんの学びが実り多く、そして隣人愛と知の技で、人々の生命の尊厳、安寧と幸福を導く「現代のクリストファー」へ成長されますことを祈念いたします。

 

私たち教職員は、いつも皆さんと共にあります。「安心して、行きなさい」

 

2017年4月5日

聖隷クリストファー大学 学長

大城昌平