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2018年12月28日 (金)

2018年を振り返って

2018年、今年の言葉は「災」でした。全国各地で災害が発生しました。年末を迎えた今日も、悲しみや困難な生活にある方々がおられると思います。新たな年のご多幸をお祈りいたします。そのような受難のなかで、ボランティアの方々が被災された方々の援けとなっています。心からの敬意を表します。

 

聖隷の事業も、一人の結核を患った青年を引き受けることから始まりました。当時結核は、不治の病で、身内からも感染の恐怖から忌み嫌われました。先人は、周囲の住民からも度重なる迫害を受けることになります。しかし、自らの全てを犠牲にして、苦しむ人、疎外された人、病気の人、障がいを持つ人に愛を尽くしました。聖隷の事業の元始には、受難と愛があったといえます。それは、「自分のように、隣人を愛しなさい」という聖書の教えに忠実な生き方でした。受難に直面した人たちを思うことは、愛をも見いだすことに他なりません。

 

また今年は、企業の不祥事も相次ぎました。最近では、カルロス・ゴーン氏の逮捕に言葉を失いました。企業は、社会の繁栄に尽くすことが理念であり、存在意義であるだろうと思いますが、その企業理念と道理を失い、自己の利益と富と地位を追求した結果なのかもしれません。「施し散らして、なお富を増す者あり、与えるべきものを惜しんで、かえって貧しくなる者あり。」この教えも、本学の先人の生き方でした。

 

2019年も、建学の精神を大切にした専門職業人の教育と、新たな発展と価値創造を目指します。