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2018年6月28日 (木)

未来を見つめる

七十二候の「腐草為螢(くされたるくさ、ほたるとなる)」のときです。昔の人は、腐りかけた草の下で蛍が光る情景をみて、腐った草が蛍になるのだと信じていたといいます。このような人間の豊かな感性と情操が、創造的な文化と社会を生み出してきました。IoT(Internet of Things)、AI、ロボットなどによって、私たちの生活や社会環境が変化する現代社会において、人間の感性と情緒の豊かさがよりクローズアップされ、人間の尊厳や幸福とは何か私達は問われることでしょう。

さて、大学では2019年度入試に向けて、オープンキャンパスや大学説明会が始まりました。多くの高校生や保護者の方々にご来学いただき、教職員や在学生から生きたアドバイスをもらって、「ここに行きたい!」という気持ちが高まっているように感じます。本学の場合、オープンキャンパス等の参加者は、将来なりたい職業と大学選択が結びつくことから、目的意識が高いようです。アンケートをみると、「将来なりたい仕事に直結した学部学科がある」「教育環境や実習が充実している」「教育レベルが高い」「国家試験の合格率が高い」「就職に有利」「教育理念への共感」「保健医療福祉の総合大学」「大学院がある」「国際交流が盛ん」「卒業生が活躍している」「聖隷グループの大学」など実質的な回答が多く、本学のことを良く研究されていると関心します。生の大学を見に来ていただき、本学の魅力を感じとって、進路選択に役立てていただきたいと願います。

我が国は今、人口減少、少子高齢化、多死の時代です。2016年の統計では出生数約97万人、死亡数約130万で、その乖離はますます進展しています。また静岡県では、若者の首都圏への流出が大きな課題です。このような社会情勢の中、この地域の人々の生命と生活、教育・福祉を守り支える人材育成が不可欠です。受験生の皆さん、人間の真の幸せや豊かさ、そして、この地域の未来に自分自身がどう貢献できるか、未来を見つめてください。

蛍のように、それぞれに与えられた生命が輝くことを祈念いたします。