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2018年5月29日 (火)

小島操子先生 2018年春の叙勲受章の慶び

学長室の窓から、実をつけはじめた紫陽花がみえます。新人生の皆さんは、入学から2ヶ月が過ぎ、大学で学ぶことの楽しさや喜び、また難しさも感じ始められている頃のように思います。学生ホールや図書館ラーニングコモンズ、演習室で、級友や先輩後輩や先生方と、ディスカッションが弾んでいる様子をみると嬉しくなります。保健医療福祉のプロフェッショナルを目指す学生として、日々自己研鑽し、長い視野で自身のキャリアを形成していっていただきたいと願います。

さて、この度、本学前学長で名誉教授の小島操子先生が、2018年春の叙勲にて瑞宝中綬章を受章されました。先生の栄誉を称え慶びとともに、本学にとっても大変名誉なことと大変嬉しく思います。先生は、看護(学)のパイオニアとして、我が国の看護(学)と医療の発展に大きな役割を果たしてこられました。1959年に看護師免許を取得され、1965年に米国ニューヨーク大学看護学部がん看護課程を修了され(フルブライト奨学生)、1976年にミネソタ大学大学院修士課程を修了されました。その後、千葉大学、聖路加看護大学(現:聖路加国際大学)、大阪府立看護大学学長(現:大阪府立大学)を経て、2005年4月に本学にご就任されました。2007年よりは2017年3月の退職まで10年間、学長として奉職されました。同時に、日本がん看護学会理事長、日本看護科学学会理事、日本生命倫理学会理事、がん医療研修機構理事などの要職も歴任されています。このように先生は、大きく転換する時代を背景に、看護(学)を取り巻く社会・教育環境が大きく変化するなか、先進的かつ最高レベルの看護学と看護教育を追求してこられました。

今回の受章は、この長年に渡るご専門のがん看護学・看護倫理学の研究、看護学教育の功績(特に専門看護師及び認定看護師の制度化)、そして我が国の看護(学)と医療の発展に対する多大な功績を称えてのことです。また本学でも、大学改革の波のなかで、リーダーシップを発揮され、社会の要請に先駆けて、様々な大学改革を推進し、地域における保健医療福祉系の高等教育機関として、学部および大学院博士前期・博士後期課程の教育や研究の充実・発展に取り組まれました。そして、それぞれの分野における高度な実践と教育・研究の人材を育成・輩出されました。今日の本学の発展に、大きく貢献いただきました。

今回の先生の栄誉を受け、その業績と誇りを受け継ぎ、次世代を担う優れた保健医療福祉の専門職業人とその指導者を育成していかなければならない。その思いを新たにいたしました。