2040年の高等教育に向けて
過日、日本私立大学協会第149回秋季総会が仙台にて開催されました。主要なテーマは、2040年の高等教育に向けての論点整理と課題解決の方略についての検討でした。
2040年には、人口は1億2,500万人(2018年度)から1億728万人となって1,800万人も減り、18歳人口も2017年の120万から88万人になる推計です。2040年が高等教育の大きな転換期となるということで、大学は強みや特色の強化を図り他大学との差別化を明確にして、学修者中心の質の高い教育を提供することが問われることになります。また社会の背景は、超スマート社会(Society 5.0)といわれるように、IoT(Internet of Things)や人工知能(AI)、ロボットなどの技術革新が進展し、今までにない新たな価値や社会システムが生み出されるといわれます。加えて健康寿命が延伸し、人生100年時代のシニアの活躍や、外国人雇用などによるグローバル化がさらにすすみます。このような社会背景のなか、大学は建学の精神を遵守・堅持するとともに、学修者中心の質の高い教育を提供し、社会に貢献する人材を輩出しなければなりません。
本学における教育改革は、現在以下のような取り組を行い、他大学には無い質の高い教育を目指しています。
・現場での実践教育の充実:聖隷グループ等の病院施設や地域での実践
・教学マネージメント:学修者を中心とした教育の質保証と学修成果の可視化
・2040年に必要とされる人材育成:技術革新を活用した教育カリキュラムと教育方法
・卒業生・修了生のマルチステージでの活躍(キャリア)支援
・社会人の学び直し支援(リカレント教育)
・高大接続入試改革:保健医療福祉領域への関心の喚起
・地域連携(産学官連携プラットフォーム形成)等による地域貢献
・グローバル化への対応:英語教育の充実、海外交流協定校等々の研修・実習
本学は、建学の精神「生命の尊厳と隣人愛」に裏付けられた保健医療福祉の専門職業人の育成を通して、人々の健康と幸福、そして地域と世界の福祉に貢献することが使命です。そのためには、一人ひとりの学生が柔軟な強い精神と他者を愛する豊かな人間形成を目指し、専門的な知識と技術を身につける事が必要です。普遍的な建学の精神を尊重し、一方では次の時代を見据えた教育改革をすすめ、未来を担う保健医療福祉の人材養成を目指します。