おススメ書籍の紹介「智恵子抄」
1年も半分が過ぎました。春セメスターの授業も残すところあと2週間程度。
教員、学生共々、学修の総まとめに向けてラストスパートをかける毎日です。
さて、6月にアップする予定でした、佐々木先生のおススメ文献をご紹介いたします。
『智恵子抄』
高村光太郎著 日本図書センター
私は、高村光太郎の詩集『智恵子抄』を紹介します。この詩集は、高村光太郎が智恵子と結婚する前から、結婚し智恵子が亡くなるまでの折々を詩にしたためたものです。 智恵子は結婚生活の途中から精神疾患を患い入退院を繰り返すようになります。『智恵子抄』の「山麓の二人」の中に「この妻をとりもどすすべが今は世にない」と記されているように、智恵子が生きた時代は精神疾患を治療する方法がほとんどありませんでした。そして、精神疾患に対しての差別が激しい時代でした。精神疾患をもつ当事者としての智恵子、そしてその智恵子を支える家族としての光太郎が生きた苦難の歴史が描かれています。 |
佐々木先生 |