社会福祉に関する映画について②「私は、ダニエル・ブレイク(I,Daniel Blake)」
社会福祉学科の佐々木です。
今回は社会福祉に関する映画紹介の2回目です。
前回紹介したジム・ローチ監督の父親である、名匠ケン・ローチがカンヌ映画パルムドール(最高賞)を受賞した作品です。
「私は、ダニエル・ブレイク(I,Daniel Blake)」 ケン・ローチ監督 2016年イギリス
ストーリー
58歳のダニエル・ブレイクは大工の仕事をしています。妻に先立たれた後は一人生活を続けてきました。あるとき、心臓疾患があることが分かり、医師から働くことを止められてしまい途方に暮れます。そんな時、シングルマザーのケイティと出会いました。ダニエルは苦難の中に生きているケイティと二人の子どもを助けたことから深い交流が始まります。働くことを止められているダニエルは、国から援助を求めようとしますが、オンライン中心の複雑な申請制度と、厳しい受給要件で支援が受けられない状態が続きます。
ダニエルやケイティたちを待ち受けるものは・・・。
映画の背景
イギリスでは、2010年から緊急財政政策をとり、福祉、医療、教育への財政投資の大幅削減をおこなっています。各地に貧困者向けのフードバングができ、ホームレスが増えていきます。現実にダニエルのように疾患で働けず生活困窮になっても支援が受けられない方がいるとされています。
映画は、まるでドキュメンタリーのように進行していきます。
ダニエルに起こる理不尽な体験が、映画を観ている側をもその体験に巻き込むような臨場感で展開していきます。
興味のある方は是非ご覧ください。
文責 佐々木