【9】2020年聖隷国際研究コンファレンス&シンポジウムへ演題登録をして
みなさん、どうも こんにちは!
理学療法学科 国際リハコースtutorの髙橋です。
今回もシリーズでお届けしております、学生の感想ブログです。
2年生の国際コース学生に
「2020年 聖隷国際研究コンファレンス&シンポジウムへ演題登録をして」
というテーマで感想を頂きました!
第④回は理学療法学科2年生の若杉美桜さんです!
最後に抄録も添付されています!
(なんと2本も演題登録をしました!)
【若杉さん-感想-】
コンファレンスの英語抄録を通して学んだこと
私は、2本書かせていただきました。私は、自分が気になっていた「バレエダンサーの怪我」について論文を読み、まとめるというものを1つと、日本の理学療法士の実際について深く知るために「日本の理学療法士の職場」について論文を読み、まとめるというものを1つ書きました。
英語抄録を書いて、もっと勉強をしようと思いました。そう思ったきっかけは、論文を読んでいても、多くの内容を理解できなかったからです。今回、書いた論文は2つとも結果だけをまとめ、そこからわかったことを述べるものだったので、抄録を書くのに支障はなかったのですが、論文に載っていた傷害や症状が理解できなく、悔しい思いをしました。
その経験から、最近は学習をするときに、多角的に勉強するようにしています。ただ、新しい疾患を覚えるのではなく、生理学的面ではどうなっているのか、解剖学的に見るとどうなっているのかを考えるようにしています。そうすることで、様々な学習の復習になったり、思考が深まったりして、いままでよりもっと学習が楽しくなりました。
~Tutorから~
若杉さん、英語抄録の作成本当にお疲れ様でした!自分が気になっていたことを何となく知るのではなく、文献レビューを通して知るというのはとても大変な事ですが、とても重要なことです。
今回は大きな成果と次につながるような課題が見つかったと思います。引き続き頑張っていきましょう。
「日本語抄録」
〔題名〕
バレエダンサーにおける下肢の傷害に関する文献検討
【はじめに】バレエ用語としてのX脚(以下バレエX脚)は、解剖学的に「反張膝」という状態であり、膝関節の疼痛や前十字靱帯損傷の原因となる治療対象の状態である。しかしバレエダンサーには、バレエX脚という「膝の過伸展」の状態が美しいという考えがある。このように、バレエX脚という単語が存在することから、バレエダンサーには、反張膝を煩っている人が一定数存在すると考え、「反張膝」「バレエ」をキーワードとし、医中誌Webにて反張膝の報告を検索した結果、該当論文はなかった。そこで、バレエダンサーが増加傾向にある日本において、下肢の障害との関連を把握する必要がると考え、文献レビューを行った。
【目的】バレエダンサーにおける下肢の障害に関する文献を検討し、起こりやすい下肢の障害の傾向を明らかにする。
【方法】「バレエ」「障害」をキーワードとし、医中誌Webにて2010年から2019年に投稿された論文を調べ、システマティックレビューを行った。
【結果】上記の条件で検索したところ、論文は70本検出された。さらに、バレエダンサーの下肢の障害について特化したレビューを行い、最終的に12本の論文が検出された。それらは全て、学会誌に掲載された論文である。そのうち、記述的研究は8本、介入研究は4本であった。また、研究対象は全てバレエダンサーであり、2群以上の群間を対象としているものは3本、単一群を対象としているものは5本、単一症例は4本であった。症例報告におけるバレエダンサーの障害を評価した結果、膝関節疾患の症例が1本、足関節疾患の症例は7本、足趾障害は1本あり、全体として足関節に着目している報告が多かった。足関節の症例の中でも足関節後方インピンジメント症候群(posterior ankle impingement syndrome:以下PAIS)の症例報告が多く、足関節に着目した7本中、4本がPAISについて着目していた。また、障害発生の割合は、練習時間やバレエの経験年数が長くなるほど高くなると報告されていた。ポアントシューズの使用や足関節の底屈を多くおこなう、バレエダンサーの特殊運動が怪我の原因として挙げられた。
【考察】文献検討を行う中で、バレエダンサーはPAISのような足関節の障害が多く、膝関節の障害を報告している論文は少ないため、反張膝のような膝の障害に対する研究も不足している可能性が推察された。しかし反張膝を有する方は、前十字靱帯損傷(以下ACL損傷)時に、半月板損傷など合併症を引き起こす要因になると報告されている。(小林ら2019年)。また、反張膝などの関節弛緩性は、女性の方が男性に比べて高いと古後らの研究(2015)で示されている。女性のバレエダンサーが多く、バレエ人口が増加している日本で、今後、バレエダンサーによるACL損傷時の重傷化を防ぐために、バレエダンサーにとって反張膝がどう影響するのか、研究する必要があると考える。
「英語抄録」
Injury of Lower Extremity in Ballet Dancers: A Systematic Review
BACKGROUND: Some ballet dancers think “X-legs”, it is condition of overextension in the knees, is beautiful. However, this is injury called genu recurvatum. And this makes knee pains or cause of injuring knee anterior cruciate ligament. So, I expected some ballet dancer had genu recurvatum and researched by Ichushi Web from this. Keyword is “genu recurvatum” and “ballet”. But I can’t find applicable paper. And so, I thought I needed to enlarge search condition and research what lower extremity ballet dancers injure.
AIM: The objective of this study was to assemble and synthesize the best available literature from 2010 to 2019 on lower extremity injuries in ballet dancers in Japan.
METHOD: Medical Journal Web was the primary sources of data. Indexed terms such as ballet, and dancers was used to search the database.
RESULTS: Twelve articles were included in the final systematic review. There were eight descriptive studies and four intervention studies. There was considerable methodological heterogeneity among the included studies. The results of this review suggest that there are 1 paper in case of injury in knee joint, 7 papers in case of injury in ankle joint, 1 paper in case of injury in toe. From these results, there were a lot of reports which said ankle joint. And most of them said case of posterior ankle impingement syndrome (hereinafter, this is called PAIS), 4 papers out of 7 papers said PAIS. By the way, some papers said that the longer ballet dancer practice or have been in ballet, the more their injury rate increase. Some paper said that factor of injury was special movement in ballet dancers, for example, they use pointe shoes and they plantar the ankle.
CONCLUSION: There were many ankle joint injuries reported in ballet dancers in Japan. Data on knee injuries have many limitations. However, the persistent genu recurvatum is of concern for the future development of secondary complications especially when anterior cruciate ligament injury also occurs (hereinafter, this is called ACL injury (Kobayashi, 2019). It is reported that female tends to have higher joint flaccidity which can cause genu recurvatum than male. Most ballet dancers are female. The number of ballet dancers is increasing in Japan. There is a great need for further studies on how genu recurvatum will affect ballet dancers.
「日本語抄録」
〔題名〕
日本の理学療法士について
-日本の理学療法士の人数動向と就業場所-
目的
日本の理学療法士がどれだけいて、どのような場所で働いているか明確にするため。
方法
公益社団法人日本理学療法士協会のページをハンドサーチした。
結果
日本の理学療法士(以下:PTと表す)は増加傾向にあり、119,525人いる。県別に見ると、東京が一番多く、8694人のPTがいる。一番少ないのは、秋田県の662人であった。男女比は、男性:女性=6:4であり、若年層ほど女性の比率が高くなっている。しかし、女性のPTは20代から30代にかけて、就業率が減少する傾向にある。医療施設に就業している人は67%、医療中間施設は7%、老人福祉施設は2%、介護保険法関連施設、児童福祉施設は1%、教育・研究施設は2%、その他は2%、自宅は18%であった。また、海外で活躍しているPTは105人いる。
考察
PTは増加傾向にあるということは、PTの需要があると考える。また、就業場所で、医療施設が一番多かったのは、対象者の人数が他の施設に比べて多いからだと考える。また、教育・研究施設も施設の数に対するPTの就業率が高かった。それは、教育・研究施設の対象である学生が多いからであると考える。
「英語抄録」
About a Japanese physical therapist: A systematic review
-Number of people trend and employment place of the Japanese physical therapist-
AIM
That there is a Japanese physical therapist how long and to work at what kind of place or make it clear.
METHOD
A hand searched a page of nonprofit foundation Japanese Physical Therapy Association.
RESULT
The Japanese physical therapist (hereinafter, this is called PT) is in a tendency to increase, and there are 119,525 people. There is the most Tokyo, and there is PT of 8,694 people. Least one was 662 people of Akita prefecture. The sex ratio is a man: a woman = 6:4, and the ratio of the woman rises as the young group. However, an employment rate who’s the 20s women and 30s women tends to decrease. As for the person who work in medical facilities, as for 67%, medical intermediate institutions
7%, in 2% of old man welfare institutions, Nursing Care Insurance Law connection provided equipment, and child welfare institution 1%, the education, research facility 2%, other 2%, the home were 18%. In addition, PT playing an active part in the foreign countries has 105 people.
Discussion:
From the result, it has demand for PT to be in a tendency to increase. In addition, at an employment place, the reason why there were the most medical facilities is that there is more the number of people of the person of object than other facilities. In addition, education, the research facility was high in an employment rate of PT for the number of facilities, too. It is because there are many students who are the object of education, the research facility.