2015ソーシャルワーク演習Ⅶ ―ソーシャルワーカーはどのように一歩を踏み出すのか―
ソーシャルワーク演習Ⅶは4年間の学びの仕上げの演習です。
ソーシャルワーク実習等での体験を踏まえ、具体的な相談援助事例を
グループで作成します。
事例では、ソーシャルワーカーが抱えるジレンマ状況に対して、
ワーカー自身がどのように一歩を踏み出すのかを具体化します。
ソーシャルワーカーの「ジレンマ」とは、二つ以上の価値(選択肢)
があって、そのうちのどれを選択しても、どちらかに問題を残し、あちら
を立てればこちらが立たない板挟みの状態です。
利用者の希望と家族の希望の間のジレンマ、組織の運営方針と利用者支援
におけるジレンマ、専門職間、職員間での異なる価値をめぐるジレンマ・・・
実践現場ではソーシャルワーカーは常にジレンマを抱えることになります。
そして、利用者の最善を追求するほどジレンマは強くなり、ジレンマは、
ソーシャルワーカーとしての専門性を高め、最善を尽くそうと努力する者が
感じる特権であるともいわれます。
さまざまな価値の板挟みにありながらも、双方との対話を重ね、折り合ったり、
前向きな妥協を呼び込んだり・・・そのような双方向の関係をつくっていくこと
が、ソーシャルワーカーに求められる役割です。
社会福祉学科 川向