【16】卒業生が訪ねてきてくれました その2
今回も、前回に引き続き、卒業生の活躍の様子をお届けします。
今日訪ねてきてくれた卒業生は橋ヶ谷智美さんと安田華さん。今年の3月に卒業したばかりの社会人1年生です。たまたま休みの日が合ったので、静岡市と焼津市から「しめし合わせて先生方に会いにやって来た」とのこと。
二人に共通するのは、知的障がい者の施設で生活支援員として働いている、ということなので、仕事についてインタビューしてみました。
Q:卒業して約2か月半。仕事はどうですか?
安田さん:ようやく仕事に慣れ、「実習生感覚」から少し「職員の立場」になってきているかな? また利用者さんとの距離も近づいてきている感じです。
橋ヶ谷さん:最初は覚えなきゃならない業務でいっぱいいっぱいだったけど、少し余裕が出てきたところでしょうか。担当する利用者さんの個別の支援も少しづつできるようになってきました。
Q:どうして知的障がいの領域を選んだのですか?
安田さん:高校時代は「人とかかわることをしたい」とか「資格があったらいいな」くらいの気持ちで社会福祉学科を選びました。その後大学での勉強をとおして児童福祉領域に関心をもつようになり、社会福祉士の実習は児童養護施設で、精神保健福祉士の実習は思春期の問題にも取り組む精神科のクリニックで行いました。その過程で発達障害について関心をもつようになったので、就職先として障がい児の通園施設を運営する法人を受けました。
結果的に配属が知的障がい者の施設になったわけですが、今は知的障がいについてもっと探ってみたいと思っています。
橋ヶ谷さん:高校時代はざっくり「相談員」になりたいと思い、障がい者の家族を支援する仕事に就きたいと思っていました。でも実習をとおして家族を支援するにはまず直接障がいのある人に関わり、いろいろな人を理解することが大切と感じ、現在の仕事を希望しました。今は施設で生活支援をしていますが、就労支援にも取り組んでみたいし、いつかは家族を支援する相談員になりたいです。
Q:知的障がいの方たちに関わる仕事は、どういう点に楽しさとかやりがいを感じますか?
安田さん:ちょっとしたことで利用者さんと笑い合ったりすることが楽しいです。
またことばで何かを伝えることが難しい利用者さんの、身ぶりや手ぶりで表現された訴えや思いを、試行錯誤を繰り返しながらもわかったとき、すっごく嬉しいです。
橋ヶ谷さん:とにかく一人ひとりの利用者さんと関わることが楽しいし、一緒に過ごす時間がなんだか心地よいです。
やりがいは…、まだやりがいを語れるほどは何もできていないです。今は先輩から引き継いだ支援をしているにすぎないし。でもそのうちに私なりに利用者さんを理解し、その上で個別支援計画をたて、実践できるようになりたいと思っています。
社会人になって間もない卒業生の、真摯で誠実で謙虚なことば、高い志、また若者らしいいきいきとした表情に、梅雨の晴れ間のさわやかな風を感じるような、そんなひと時でした。