【4】国際リハコース学生ブログ②
みなさん、こんにちは!
理学療法学科 国際リハコースtutorの髙橋です。
今回も!
2年生の国際コース学生に
「聖隷国際研究コンファレンス&シンポジウムへ演題登録をして」
というテーマで感想を頂きました!
第②回は作業療法学科2年生の前田李々香さんです!
最後に抄録も添付されています!
努力の成果をどうぞご覧ください!
【前田さん-感想-】
コンファレンスの英語抄録を通して学んだこと
「論文とは何か?」という問いから始まったことを今でも鮮明に覚えています。そんな状態からのスタートであったため課題は英語以前に多く存在しました。テーマを決定すると次は何百という論文の選別作業があることに驚きました。既に工程を知っている人には基本的なことですが私にとっては新鮮で良い学びになりました。そのほかにも学会、学会発表の仕方や形式、抄録を英訳する際のルール等幅広い知識の獲得に繋がりました。大学一年生という比較的早期にコンファレンスの英語抄録に触れる機会を得たことで確実に自分の視野は広がりました。日本語抄録のみか、英語抄録まで進むかで交流できる人の幅は大きく異なると感じます。英語抄録まで行うことは作業工程が増え大変ではありましたが価値はあると思いました。最もよい学びになったのは海外を知ることで自国である日本のリハビリテーションへの学びが深まったことです。今まで日本を知るには日本に焦点を当てるという概念が覆されました。実際に世界へ目を向けることで日本を知ることにもなりました。比較対象となるものが出たことで日本ではどうかと考えるようになりました。これらを今後臨床で活かしていきたいです。
~Tutorから~
前田さん、抄録作成に向けてたくさんディスカッションをしましたね!休日にも関わらずzoomを使って学修したのは良き思い出です。これからも加速していきましょう!
「日本語版抄録」
〔題名〕
日本における筋電義手を用いた作業療法士の関わり方
~作業療法における筋電義手のいまとこれから~
〔はじめに〕
大庭によると国内において筋電義手は義手の選択肢として既に定着している。また多職種において関わることの重要性も示唆されている。だが筋電義手における作業療法士に関する論文は少ない。そのため筋電義手を取り上げ作業療法士の関わり方について明らかにしようと考えた。
〔方法〕
メディカルオンラインと医中誌を使用し検索ワード「筋電義手」で文献検索をした。期間は2017年から2019年とした。
〔結果〕
合計521件の論文が抽出され、タイトルとアブストラクト(要旨)から基準に沿って論文を除外した結果、3本が抽出された。3本における筋電義手患者は4人であった。
性別は男性3人、女性1人であった。
年代は幼児1人、30代1人、40代2人であった。
切断部位は右前腕、右大腿、左大腿、右上腕であった。欠損部位は左手指であった。
3本中すべて症例報告であった。システマティックレビューを行った3本すべてに改善がみられた。
〔考察〕
作業療法士は筋電義手の使用指導だけでなく対象者の心理面や家族などの環境も考慮して介入する必要があるだろう。筋電義手の調整など対象者の成長に合わせたサポートが不可欠である。作業療法士はADLの向上だけでなく今後の生き方も含めた関わりが重要であると考える。
〔参考文献〕
田中洋平,浦田一彦,高原安浩,上野高明,田中清和:筋電義手i-limbの使用経験,日本技師装具学会誌,Vol.34,No.1,2018
長野友彦,立丸允啓,友田秀紀,砂川尚也,小泉幸毅,大野重雄:障害者施設等一般病棟における三肢切断患者へのリハビリテーション,理学療法福岡,30号,2017
野口智子,藤原清香,柴田晃希,奈良篤史,真野浩志,芳賀信彦:段階的課題設定により円滑な筋電義手導入に至った先天性手指欠損の一例:OTジャーナル 51(3):257-260,2017
「英語版抄録」
Occupational therapists’ approach using myoelectric prosthesis in Japan.
~Latest updates of Myoelectric prosthesis approach in occupational therapy~
INTRODUCTION
According to Ooba, myoelectric prosthesis in Japan has been already established as an option of prosthetic hand. It also suggests the importance of holistic approach by inter-professional teams.
However, there are few papers on the role and responsibility of occupational therapists (OT) in Japanese myoelectric prosthesis. This paper presents a literature review on identifying the Occupational Therapist’s approach in myoelectric prosthesis.
METHODS
A systematic search of the literature was conducted in December 2019 using the following databases: Ityuusi and Medicalonline.
RESULTS
After reviewing 521 articles, 3 articles are included. The key word was myoelectric prosthesis.
The review excluded data from presentations, conference proceedings, non-peer-reviewed research literature. Three articles showed four clients using myoelectric prothesis. The distribution of the clients was as follows: three men, one woman and one infant, one 30s, two 40s. Two of them were the loss of right forearm. One of them was the loss of right thigh, left thigh and right upper arm. One of them was the loss of left limb. All of them were case study.
Three articles showed that myoelectric prothesis improve client’s functioning.
CONSIDERATION
It is inquired that OT’s interventions include client’s psychosocial aspect, environmental aspect and family support rather than providing instruction. It is important to support along client’s growth such as coordinating myoelectric prosthesis. OT will assist client’s ADL improvement as well as long term goal in their life.
REFERENCE
Yohei Tanaka, Kazuhiko Urata, Yasuhiro Takahara, Takaaki Ueno, Kiyokazu Tanaka: Experience using i-limb of myoelectric hand, journal of Bulletin of the Japanese Society of Prosthetic and Orthotic Education, Research and Development, 34(1): p66-69, 2018
Nagano Tomohiko, Tachimaru Masahiro, Tomoda Hideki, Sunagawa Naoya, Koizumi Yuki, Ohno Shigeo: Rehabilitation for patients with amputees in general wards including facilities for the disabled, Physiotherapy Fukuoka, 30: p93-98, 2017
Noguchi Tomoko, Fujiwara Kiyoka, Shibata Aki, Nara Atsushi, Mano Hiroshi, Haga Nobuhiko: An example of a congenital finger loss that led to smooth introduction of myoelectric prosthesis by stepwise task setting: OT Journal No. 51 (3): 257-260, 2017