新型コロナ感染症の感染拡大は私たちに大きなストレスをもたらしています。
このような中でストレスにうまく対処できない学生さんもいらっしゃるのではないかと心配しています。
緊急事態宣言が発令された今の状況下では、学生相談室で対面相談はできませんが、
皆さんが自分自身のこころの健康を守るために知っていただきたいことをお伝えしたいと思います。
感染症流行時の心理的援助に関する情報(新型コロナウイルス感染症の流行時の心のケア Version 1.5)より抜粋
・病気になることや死ぬことへの恐怖
・ケアを受けている間も、感染を恐れて医療施設に行くことを避けてしまう
・病気ではないかと疑われて、社会的に除外されたり、検疫・隔離されたりすることへの恐れ
・感染症のために大切な人を失うのではないかという恐れ
・隔離によって生じる無力感、倦怠感、孤立感、抑うつ感
→ 【自然なことです。自分のせいでも、誰のせいでもありません。】
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・危機を感じる状況において、悲しんだり、心配したり、困惑したり、恐ろしさや怒りを感じることは、自然なことです。
・あなたが信頼している人と会話をしましょう。また、友人や家族と連絡をとりましょう。
・自宅に待機しなければならない場合、(自宅での適切な食事、睡眠、運動、大切な人との交流などの)健康な生活習慣を維持しましょう。家族や友人と電子メールや電話、あるいはソーシャルメディアを通じて、連絡をとり続けましょう。
・自分の気持ちに対処するために、タバコやアルコール、あるいは違法な薬物を使うことはやめましょう。
・身体的、精神的、心理社会的なニーズに対して何か困ったときに、どこに支援を求めれば良いのか、その時に備えて計画をたてておきましょう。
・自分自身のかかえるリスクに関する事実を知り、予防策を講じてください。その際、信頼できる情報源、たとえば WHO の Web サイトや、地方または国の公衆衛生機関などの情報を使って下さい。
・あなたやあなたの家族を動揺させてしまうようなメディア報道を、見たり聞いたりする時間を減らしましょう。
・過去の苦しかった時期に感情をコントロールするために用いたやり方を、今回の感染流行時にも用いましょう。
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①安心感・安らぎ
呼吸法やリラクゼーションなどのセルフケアを行いましょう
・呼吸法
・ツボ押し
・アロマ
②健康的な生活・食事の楽しみ
睡眠をしっかりとって、食事も決まった時間に3食食べるようにしましょう。
生活のリズムを規則正しくすることは精神的な健康を維持するためにとても大切なことです。
まず朝起きたらカーテンを開けておひさまの光を浴びましょう。
体内時計の働きにより、朝、光を浴びてから一定時間(14〜16時間)が経過すると、深部体温(体の内部の温度)が下降し始め、「メラトニン」の分泌量が上昇し始めて眠くなります。
「メラトニン」は脳内ホルモンで、昼間は少なく夜間睡眠時に分泌が上昇して直接的に睡眠作用を持つと言われています。
食事については、感染防止のために外食、対面で人と一緒に食事をすることは避けなくてはいけませんが、少し手の込んだメニューにチャレンジしたり、作り置きメニュー、アレンジメニューなど工夫したりして食事を楽しんでください。
③運動の楽しみ・リラックス・達成感
体を動かしましょう。
外出が制限されているので運動不足になりがちです。室内や庭先、ベランダで簡単にできる運動や体操を行いましょう。
・ヨガ
・筋トレ
・ラジオ(テレビ)体操
参考 ▷かんぽ生命 ラジオ体操の正しい動き、出来てますか?
~幻のラジオ体操第3もあるらしいですよ~
④信頼性が高いと考えられる情報源
ニュースやソーシャルメディアを見たり聞いたりするために費やす時間と、日常的な活動をする時間のバランスを取りましょう。
あまりにもたくさんの情報に接すると、動揺したり、興奮や気持ちが高ぶりを招いたりしやすくなります。
WHOの精神保健部門から新型コロナウィルス感染症アウトブレイク時の精神的及び心理的ウェルビーイングを支援するための呼びかけの中で次のように書かれているので紹介します。
不安や苦痛を感じるようなニュースを見たり、読んだり、聞いたりすることは避けてください。
情報は主に計画を準備したり、自分の大切な人を守るための実践的な手段を講じたりするために集めましょう。
1日1回または2回、決った時間にだけ、最新の情報を負うようにしてください。
突然始まった、ほぼ絶え間なく流れるアウトブレイクに関するニュースには誰でも不安な気持ちになります。
事実を知りましょう。
事実と噂を区別できるように信頼おける情報源からの情報を収集してください。
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【信頼性が高いと考えられる情報源(例)】
▷ 厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
▷ NHK :NEWS WEB
▷ WHO:Basic protective measures against the new coronavirus(English)
⑤公的な相談窓口
ストレスは人によって「身体的」な反応(頭痛、腹痛、食欲不振、熟睡できない等)として強く現れる人もいます。
このような状態が続く場合はひとりで悩まないで、家族や、友人、アドバイザーの先生、学生相談室、健康管理センター、かかりつけ医などに相談して楽になってください。
次の公的な相談窓口も紹介しておきます。
【公的な相談窓口の例】
▷ 関係省庁等が開設している相談窓口一覧
▷ 「新型コロナこころの健康相談電話」
(一般社団法人日本臨床心理士会・一般社団法人日本公認心理師協会共同事業)
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このメッセージは次のウェブサイトを参考にしました.
▷ 公益社団法人 日本心理学会
▷ American Psychological Association (2020). Keeping Your Distance to Stay Safe.
(日本心理学会訳 「もしも『距離を取ること』を求められたなら:あなた自身の安全のために」)
▷ 日本赤十字社:2020「感染症流行期にこころの健康を保つために」シリーズ
▷ 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット
▷ スイミンネット(田辺三菱製薬)