新年に刻む、生命の輝き
イエスの誕生を祝うクリスマスを経て、新年を迎えるこの時期は、「生と死」に思いを馳せる時期でもあります。それは、古来新年を迎える儀式は、単なる暦の更新ではなく、新しい生命力として輝かせる、いわば『生命の節目』であり、魂の更新でもあったのです。自らの歩みを振り返り、新しい年をどう生きるべきか、その心構えを整える時期でありましょう。
先月、日本新生児成育医学会・学術集会の教育講演で招聘された折、大会々長による基調講演の中で、エリザベス・キューブラー・ロス(Elisabeth Kübler-Ross)博士の言葉が紹介されました。死生学の先駆者である彼女の著書『死ぬ瞬間』は、皆さんも手に取られた方も多いのではないでしょうか。今回紹介されたのは、彼女の自叙伝的な一冊である『人生は廻る輪のように』*からの一文でした。この本には、人間がいかに生き、いかに死を迎えるべきかという、彼女の魂の叫びが綴られています。私もこの講演を機に、改めて本書を紐解き、新たな一年の指標にしたいと感じました。
本書を読み、特に私の心に深く刻まれた一節をご紹介します。
「生きなさい。振り返って命を無駄にしたと後悔しないように。 生きなさい。してきたことを悔やみ、別の生き方を望むことのないように。 正直で、十分な人生を生きなさい。 生きなさい。」
来たる新年、この言葉を胸に、一日一日を「正直に、十分に」生きていきたいと願っています。
皆様の、新年のご健勝とご活躍を、心より祈念いたします。
*「人生は廻る輪のように」エリザベス・キューブラー・ロス (著)、上野圭一 (翻訳)、角川文庫