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2025年11月30日 (日)

養護教諭専修免許取得課程の開設:児童生徒の命と健康を守る養護教諭の育成

このたび本学大学院看護学研究科では、新たに「養護教諭専修免許取得課程」を開設いたしました。本課程は、高度化・複雑化する学校保健の課題に対応するため、養護教諭としての専門的知識と技能を一層深め、将来、学校現場で指導的役割を担う専門職を育成することを目的としています。

 

先日開催した開設記念講座には、多くの皆様にご参加いただきました。心より感謝申し上げます。当日のご講演を通じて、養護教諭が担う責任の重さと役割の重要性、そして継続的な学びの必要性を改めて認識する機会となりました。

 

本学は、2010年に看護学部に養護教諭課程(養護教諭一種免許取得)を開設して以来、学校保健分野の人材育成に力を注いでまいりました。現在把握している範囲では、約30名の卒業生が養護教諭として、本学の建学精神である「生命の尊厳と隣人愛」を基に、日々児童生徒の命と健康、安全と生活・学習を支えています。その献身的な取り組みに、深い敬意と感謝を表します。

 

一方、今日の学校保健を取り巻く環境は、かつてないほどの変化と複雑さを示しています。日常的な健康管理や教育支援に加え、感染症対策、救急対応、不登校やメンタルヘルス、発達特性への支援、医療的ケアなど、多岐にわたる課題への対応が求められています。これらに向き合うためには、学部段階を超える高度な専門知識と実践力、さらに家族や教職員、教育委員会などとの連携を推進する指導的役割が不可欠です。

 

現在、全国では国公私立大学79校が養護教諭専修免許取得課程を設置しており、そのうち看護系大学は26校を占めます。特に近年は、看護の専門性を基盤とする大学での設置が増加しており、児童生徒の心身の健康課題の深刻化・複雑化に伴って、看護専門職としての視点を持つ養護教諭が強く求められていることが背景にあると考えられます。

 

こうした学校現場の状況と社会的要請に応える形で、本学は本課程を設けました。現在は、現職の養護教諭3名を含む4名の院生が学びを深めています。皆さんが本課程で高度な専門性と指導力を身につけ、未来を担う児童生徒の命と健康、そしてご家族の幸せを守る存在として、学校保健の発展と社会の期待に応えてくださることを心より願っております。