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2026年1月31日 (土)

「ウェルビーイング・キャンパス」

最近、「ウェルビーイング(Well-being)」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。直訳すれば「幸福」ですが、それは単なる病気でないことや一時の感情でもなく、心も体も、そして社会との繋がりにおいても満たされている持続的な状態を指します。

 

この言葉の定義は、1946年の世界保健機関(WHO)憲章にまで遡りますが、2015年のSDGs採択を経て、今では国際的な共通言語となっています。今日、この言葉が注目されている背景は、経済成長が遅滞し、予測不可能な変化の激しい現代において、私たちが物質的な豊かさ以上に、“真の幸せとは何か”を問い、心の豊かさに価値観がシフトしてきたからでしょう。

 

こうした生き方の思想として、私は心理学者エーリッヒ・フロムの『生きるということ(原題:To Have or To Be?)』を想起します。フロムは、「所有すること(Having)」に固執する生き方から、自らの能力を開花して命を輝かせる「あること(Being)」への転換を説きました。私たちは、「何を持っているか(Having)」、例えばお金や物、地位に目を奪われがちですが、それ以上に、「どうあるべきか(Being)」、自分自身のあり方や心の豊さを大切にするという思想です。

 

この思想は、聖隷の「隣人愛」の精神とも深く共鳴します。自らの力を他者のために活かし、他者との関わりの中で自分の存在意義を確かめていく。そのような生き方が「真の幸せ」であり、それこそがウェルビーイングなのではないでしょうか。

 

「自分のように、あなたの隣人を愛しなさい」

 

私たち一人ひとりが、かけがえのない存在として輝ける、「ウェルビーイング・キャンパス」を、共に築いていきましょう。