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2023年6月30日 (金)

Tender Loving Care

梅雨の最中、空は暗く、しとしと、じめじめ、気分が晴れない日がつづきます。晴耕雨読を楽しみながら、この時期を乗り越えていきたいと思います。

さて大学では、3年ぶりに国際交流プログラムが再開され、サミュエルメリット大学(Samuel Merritt University:SMU、アメリカ・カリフォルニア州)から看護学部生と先生方をお迎えしました。学内も次第に、グローバルキャンパスへと回復してきています。

交流プログラムの聖隷三方原病院や関連施設での研修を終えたミーテイングで、SMUの先生方の感想をお聞きました。口々に、それぞれの病院・施設や訪問看護が、同じように、対象者一人ひとりに思いやりと愛情を込めた看護やケアがなされていることに感銘を受けたと話しをされました。聖隷の基盤にある隣人愛の精神が、看護やケアの実践に活かされていることを肌で感じてもらい、大変嬉しく思いました。

その時に、私がお話したことは次のようなことでした。

日本語で看護の「看」は、「手」と「目」と書きます。あたたかな手(タッチ)と目(まなざし)で対象者に接し、心を配ることが看護の基本です。日本語には「慈しみ」という美しい言葉があります。これは、英語では、「Compassion」という他者への思いやりや配慮を表す単語に近い日本語です。私たちは、慈しみ(Compassion)という看護のケアの本質を大切にしたいと述べました。それに対し、SMUの先生が「Tender Loving Careですね」と言われ、正にそうだと感心しました。

Tender Loving Careとは、医療や介護の場面で使用される“思いやりあるケア”を示す言葉です。このTender Loving Careは、慈しみ、Compassionといった感性によって実るものです。聖隷の病院や施設・訪問看護では、隣人愛の精神を基にしたTender Loving Careが実践されているのです。