春の訪れ
今冬は立春を過ぎても次々と強い寒波が襲来し、日本海側を中心に日本列島は大雪に見舞われて寒さの厳しい日が続きました。
それでも2月後半になると、冷たい北風を感じながらも、日向を探す散歩道には太陽の光が一段と強く、春光で吹く風も輝くようです。生命の息吹、復活の時です。
休日の日課は、いつもの時刻に起床して散歩に出かけます。
散歩道、所々の庭先には赤や白、ピンクの梅の花が咲き始め、ウグイス色の小鳥が梅の花をついばむ姿が見られます。
鶯だろうかと調べてみると、鶯は梅の木にきて止まることはほとんどなく、多くは「めじろ」だということです。
確かに、鮮やかな黄緑の羽に眼のまわりを白くふちどった2羽のめじろが追いかけ合いながら、仲睦まじく梅の蜜を吸っています。
自然と顔がほころびます。
今年も待ちに待った春がやってきた、ごく当たり前のささやかな日々の移ろいに感謝と幸せを感じるひと時です。
人間の心の有り様も、自然と一体なのです。
自然の恵みは、人間が作り出し得るものではありません。
自分も、自然の一部であることを感じます。
その人間が、自然を支配しようとして、自分自身を苦しめることになる。
このことは、新型コロナウイルス感染拡大の教訓ではないでしょうか。
自然の恵みへの感謝を忘れず、人間が自然と調和して生きてゆく道を学ばなければならないと思います。
残念なことに、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まりました。人間の愚かさと、無力感を覚えます。
「国破れて山河在り、城春にして草木深し」(杜甫「春望」)。
恐怖の吹雪に襲われたウクライナの人々に、穏やかな春の訪れがありますように。