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2021年11月22日 (月)

2年ぶりの上京

先日、約2年ぶりに上京しました。都内で開催された日本産婦人科学会主催の「親子の愛着形成についての勉強会」にお呼びいただき、赤ちゃん(新生児)の神経行動発達と、発達及び親子関係の支援について講義を行うためでした。

いささか躊躇しつつも、幸い感染状況は低レベルが続き、講義会場からのオンライン配信ということもあって、意を決して向かうことにしました。これまでの行動範囲は自宅と大学の往復だけでしたので、久しぶりに社会の空気を直に吸える喜びと興奮を覚えました。とは言え、感染に対する不安もあって、人込みや接触を避ける用心深さも無意識に振る舞いに出ているようでした。

私の感覚で“混雑している”と感じる状況を100と数値化した場合、朝9時過ぎの浜松駅は30、新幹線内は30で、私の3列シートの横の席は空席で前後列に一人ずつが座っている程度でした。東京駅に着くと100近くに跳ね上がって、首都圏では私の想像に反して社会経済活動がかなり活発に正常化に向かっていると実感しました。一方、周囲の方々がきちんとマスクを着用し、要所には消毒用アルコールが置かれ、換気やシールド配置が徹底されており、日本人の規律正しさを改めて感じました。

11月22日現在も、国内の感染状況は低レベルが続いています。一方、政府は第6派に備えて、ワクチンの3回目接種、医療体制の整備、飲み薬の確保、子ども(12歳未満)へのワクチン接種、ワクチン・検査パッケージなどの対策を打ち出しています。しかしこれからも一人ひとりが基本的な感染予防対策を継続し、自分自身と他者への思いやりと節度ある行動を大切にすることが必要です。日本人のまじめさや規律、清潔感、思いやりの心が、第6波襲来のリスク低減につながると思います。

先の日本産婦人科学会主催の勉強会で私は、赤ちゃんの生まれもつ力(能動的行動能力、個性、社会性)とあたたかい心の育児についてお話をしました。赤ちゃんは生まれつき、あたたかい心をもつ社会的存在です。その力を失わないよう大切にはぐくむことが、人間が感染症などの危機に襲われた時、その強さをあらわすでしょう。