ポストコロナに向けて:忘れずつなぐこと
7月に入って、右肩上がりに新型コロナウイルス感染症が再び首都圏から全国に拡大し、第2派の様相を呈しています。浜松市においてもクラスターが発生し、日々感染者が報道され予断を許さない状況です。本学学生も罹患し、危機管理体制を厳重警戒レベルとし、感染予防と抑制に向けた周知徹底を告知しています。学生・教職員の安全安心と、学習の質保証、学ぶ権利と自由などとの両立を模索することがまだまだ続きます。
一方、今年は過去になく梅雨前線が列島に長く停滞し、7月初旬には記録的な豪雨に見舞われ、熊本県など広域で甚大な被害をもたらしました。新型コロナウイルス感染症の影響で苦境にあえいでいた観光地にも壊滅的な打撃を与え、「ようやく客足の回復の兆しが見え始めた矢先に・・・」「またこんな仕打ちを受けるとは・・・」という悲痛の声が聞かれます。
近年の度重なる甚大な自然災害や新興感染症の出現は、地球温暖化と深く関係しています。自然破壊、地球温暖化、野生動物と人間の境界の消失、新興感染症の発生、そしてこれらと人間の生命と生活は密接に連鎖し、その代償が今顕在化しています。私たちに与えられている大きな恩恵は、失ってはじめて気づかされます。しかし残念ながら、これからも自然災害や新興感染症の発生、それらによる生命と日常生活の危機は繰り返されるでしょう。それを防ぐには、まさに今、私たちがその渦中にいて経験した(している)ことや逡巡する思索を忘れずに未来につなぐことでしょう。そのことが今を生きている私たちの責任と使命でもあると思います。